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楼主: narcissusly

【整理】 綾瀬遥 小出恵介 大沢たかお 井上和香 等 --- 电影访问(08-06-07)

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发表于 2005-10-23 14:51 | 显示全部楼层
玉山铁二就素帅阿~~看了他演的《BROTHER BEAT》迷得不行~~ 爆有型啦!!!

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发表于 2005-10-23 20:59 | 显示全部楼层
玉山铁二和玉木宏都那么高啊?
晕~当年看“成为你回忆以前”虽然知道观月亚里纱长的高,但是和玉山铁二站一块儿,显得那个矮啊,觉得观月推他一下就要倒了。还有玉木宏也是。晕~我真没有看人的眼光!
[img]http://cbingoimage.naver.com/data3/bingo_69/imgbingo_63/taeran7/37380/taeran7_100.jpg[/img]

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发表于 2005-10-24 19:37 | 显示全部楼层
很多我都很喜欢的
每个人都有属于自己的一片森林,也许我们从来不曾去过,但它一直在那里,总会在那里。迷失的人迷失了,相逢的人会再相逢。

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发表于 2005-10-24 19:56 | 显示全部楼层
玉木宏还是很帅的~~~

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 楼主| 发表于 2005-10-25 05:51 | 显示全部楼层
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姓名:妻夫木聪
SATOSI TSUMABUKI
身 份:演员
生 日:1980-12-13
出生地:福冈县
血 型:O
星 座:射手座
身 高:171CM
体 重:55Kg
经 历
由AMUSE,HORIPRO和日本放送所共同企画的时代STAR发掘的アホポンPROJECT,为世界最初的AUDITION机制「STAR AUDITION」所举办的第一回「超BIG AUDITION」GRAND PRIX征选会,由300万人中脱颖而出
经 历
2001 〔得奖〕 第25回日本アカデミー赏=日本奥斯卡/最佳男主角 /ウォーターボーイズWATERBOYS=水男孩 (东宝)
2001 〔得奖〕 第25回日本アカデミー赏=日本奥斯卡/最佳新人 /ウォーターボーイズWATERBOYS=水男孩 (东宝)
连 续 剧
1999-01-04 Over Time = OVER TIME三十拉警报
1999-01-06 お水の花道~女30岁ガケップチ~ = 上班女郎
1999-04-15 恋の奇迹 = 恋爱奇迹
2000-04-14 池袋ウエストゲ-トパ-ク = 池袋西口公园
2000-07-03 リミットもしも,わが子が... = 爱的界限 /盐屋笃志
2001-01-11 カバチタレ! = 叫她第一名
2001-04-13 天国に一番近い男2 = 离天国最近的男人2 /隐岐之岛正(22)
2001-07-02 できちゃった结婚 = 奉子成婚 /新庄巧
2001-09-24 プラトニックセックスーPlatonicSex = 柏拉图式性爱
2002-01-09 ロング.ラブレター~漂流教室 = 漂流教室 /藤泽隆太(20)
2002-04-10 ウエディングプランナーWEDDING PLANNER = 甜蜜婚礼俏佳人 /鸣海柊平(25)
2002-07-01 ランチの女王 = 午餐女王 (主演)/锅岛纯三郎(23)
2003-03-28 池袋ウエストゲートパークスープの回 = 池袋西口公园Soup篇 /斋藤サル
2003-04-11 ブラックジャックによろしく Say hello to BLACK JACK = 帅哥医生 (主演)/齐藤英二郎
2004-01-03 ブラックジャックによろしく Say hello to BLACK JACK~泪のがん病栋编~ = 帅哥医生特别篇 (主演)/齐藤英二郎
2004-04-11 オレンジデイズOrange Days = Orange Days (主演)/结城棹
电 影
2001-03-24 富江re-birth (大映)/青山巧
2001-09-15 ウォーターボーイズWATERBOYS =水男孩 (东宝)/铃木(主演)


                               
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取材・文・写真:FLiXムービーサイト
観月ありさ演じるエリートOLが、哀川翔、率いる江戸前男気とび職人一家と対決する! 『狂気の桜』で独特の映像世界を作り出した薗田賢次監督が今度は、CGをふんだんに取り入れてコメディ『鳶がクルリと』を完成させた。本作で、仕事はバリバリ、英語も堪能、でもどこか抜けているチャーミングな主人公、貴奈子を演じた観月ありさが、CG撮影の裏話、共演者である哀川翔の秘密、自身のデビューから現在までをたっぷりと語ってくれた。

                               
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■斬新な映像の連続
Q:CGを駆使した映像がとても斬新でしたね。完成した映画の感想を教えてください。
今まで観たこともなかった映像の連続で、新しいことに挑戦している映画だなと思いました。車に乗っているシーンも窓を流れる景色は、すべてCGなんです。だから、撮影の時は、グリーンバックにスタッフが車を押して揺らしていたのに、完成したのを見たら「本当に車に乗っているように見える!」って感動しました。
Q:映画の中ではすれ違いが多い哀川さんと観月さんでしたが、共演してみていかがでしたか。
哀川さんって、テレビのままなんで、「おっとこまえだなー」って思うときが何度もありました。すごい高いところから飛び降りたり、スタントマンばりのことを「足痛えな」って言いながらやるんで。あまりにすごすぎて、危険な仕事はすべて「哀川さんお任せするんでお願いします。わたしを、ひっぱっていってくださーい」って感じでした。ほかの現場では、わたしが男前キャラになるんですけど、今回は本当にやられましたね。わたしは女性らしく、おっとりしていました。
Q:須藤元気さんもすごいボケキャラでしたが、現場でもあんなキャラなんですか。
彼は、勉強家で常に本を読んでいてとてもしっかりした人。でも、元気くんの芝居はほとんどアドリブなんです。格闘家のイメージが強かったので、こんなにアドリブがきく演技ができる人なんだってビックリしちゃいました。

■アドリブにはアドリブで!
Q:観月さんはアドリブが多い方ですか。
相手がアドリブのときはアドリブで返します。臨機応変に!
基本的には、事前にアドリブを考えたりはしません。共演者の方の出方に合わせます。現場に入って考えるタイプですね。
Q:ドジないずみちゃん(「ナースのお仕事」)のイメージが強い観月さんでしたが、今回はバリバリのキャリアウーマンで見ごとな変身ぶりを見せてくれました。新しいキャラクターへの挑戦はどうでしたか。
仕事ができるOLの役なので、なるべくテキパキした感じを出すようにしました。なにが大変って英語のシーンが大変でしたね。いずみちゃんみたいな、だめなキャラは愛嬌で何とかごまかせたのに、できる女って大変なんだなってつくづく思いました。


                               
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■人生壁だらけ
Q:主人公の貴奈子は、冒頭から人生の大きな壁にぶつかってしまいます。観月さん自身もこれまで大きな壁にぶつかったことはありましたか。
ぶつかったことにも気づかないくらい、人生壁だらけなんで! 毎回違った作品にたずさわるたびに、壁にぶつかりながら前に進んでいくって感じです。
Q:デビューしてから、仕事に対する姿勢は変わっていきましたか。
自分自身はどこも変わっていないと思います。でも、デビューしたての時は、モデル出身っていうこともあってかクールな感じ、無表情なイメージが強くついていて、もらうお仕事もそういう冷たい感じが多かったんです。自然にしていても、逆に回りにそういうイメージをもたれてしまっていて、「冷たい」とか「不思議」って言われるのがつらかった。取材で「ありさちゃんは笑うの?」って聞かれたこともありましたね。それで、わざと明るい役ばかりを求めていた時期もありました。今はようやく、そんな風に力まずに自分の興味がある仕事ができるようになったんです。

■よく楽屋で泣いていました
Q:貴奈子が劇中で「泣かない! 泣いたら負け!」って言うシーンがありました。観月さんは、仕事中でも思わず泣いてしまうことはありますか。
グッ! と耐えます。あとで、家に帰ってからしくしくするタイプです。10代のころなんて、めそめそしてましたねー。よく楽屋で泣いていました。悔しいことが多かったから……。表にいる時は能天気に演じていても、裏ではけっこう細かいことを気にして泣いたりとか、すごく、くよくよしていましたね。
Q:コメディエンヌとしての素質は、昔からあったのですか。
昔から人を笑わせることは好きでした。逆に今の方が、興味ないかもしれない(笑)。でも計算が得意じゃないので、計算した面白さは出せないんです。逆につまらなくなるので。だから自分から自然に、ポッと生まれたものを、お客さんが見て面白く感じてくれればいいなって思って演じています。思い切りだけですね。人を笑わせる演技って、自分がためらっているとその感情がストレートに伝わってしまうので……その辺を気をつけています。それから、しつこく! 出来る限りしつこくします。つまらないことでも、3回くらい言われると面白いじゃないですか(笑)。
Q:CGの撮影で苦労した点は。
貴奈子が、初めて高層ビルの建築現場を訪れるシーンで、CGがあとから入るお芝居があったんです。高さもそんなにない所で恐怖の演技をしなくちゃいけなかったんです。貴奈子の怖がりっぷりも、立つ高さによって変化するので、今地上何メートルくらい、そこからさらに10メートル上がった演技って感じで段階を作って、自分で想像しながらやるのが大変でした。高さに合わせて、テンションを上げたり下げたりするのが難しかったですね。
■ガテン系とヒルズ系、好みの男性は……
Q:貴奈子は、ガテン系とヒルズ系の男たちの間で悩みますが、観月さんはどっち派ですか。
(笑)。それかーなり極端ですよね。あんまりガテン系で「おめえ! コノヤロウ!」って毎日のように怒られるのも嫌ですからねー。かといって、エリートじゃなきゃいやだっていうのもないですけどね。ハートが温かければどちらでもいいです!
Q:ナースやOL、お天気お姉さんといろいろな職業の女性を演じてきた観月さんですが、生まれ変ったらどんな仕事がしたいですか? やっぱり女優ですか?
女優とは違う人生を選びたいです。逆に撮る側の、撮影スタッフとか。違う目をとおして女優を見てみたい。好奇心が旺盛なので、いろんな職業を転々とするフリーターになってみたいですね(笑)。
Q:最後にこの作品の見どころをお願いします。
映像的にも斬新だし、ストーリーも面白いので全編楽しんで観てください! 世の中がハイテクな時代になっていく中で、わたしたちに必要なものって、本当はあったかい心であったり、一つのことにかける魂だったりすると思うんです。この映画を観て、心と心の触れ合いの大切さを感じてくれたらいいなと思います。

スタジオに現れた観月ありさは、その場にいた誰もが一瞬息を飲むほど光り輝いていた。場を一瞬にしてきらびやかな空間にしてしまう彼女の才能は映画の中だけではなかったようだ。本作では主題歌『セ・ラ・ビ』(9月28日 avex tuneよりリリース)でヒップホップにも初挑戦している。大きな瞳を動かさずに、相手をしっかり見つめながら話す姿が印象的だった。インタビューで語ってくれた、「数え切れないくらいたくさんの壁」を乗り越えて、強く知的な女優に成長した観月ありさの今後の活躍に大いに期待したい。

[ 本帖最后由 narcissusly 于 2008-4-3 13:05 编辑 ]
快乐时大笑,难过时痛哭

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 楼主| 发表于 2008-4-3 13:44 | 显示全部楼层

                               
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取材・文・写真:FLiXムービーサイト
ハゲ頭の哀川翔と、アフロ頭の浅野忠信の兄弟が、東京に突如現れたゾンビに柔術で対決していく……。そんな、ありえない映画が誕生してしまった。『東京ゾンビ』は抱腹絶倒の物語の中に、人間のきずなの大切さをテーマとして盛り込んだ作品。ハゲ頭のミツオ役を演じるかどうか決心するまで3か月もかかってしまったという哀川と、ハゲ頭の哀川を見て笑いをこらえるのに必死だったという浅野が、この奇妙キテレツな作品の楽しい撮影秘話を語ってくれた。

                               
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■抵抗をなくすのに3か月
Q:この映画に出演された、決め手はなんでしたか?
哀川:なんだろうね。やりたい気持ちが強かったのかな。やる、やらないっていうのは自分の意志なんだけど、作品を考えたときにこれは第三者として取り組みたいっていう気持ちが強かった。でも、やれるっていう気持ちを高めるのに時間がかかった。この役は、やってる本人に抵抗があると絶対にぶれるんで、抵抗をなくすために3か月かかったかな。
Q:原作そして原作者である花くま先生の印象を、教えてください。
哀川:原作はかなり面白かったよ。茶化しながらもメッセージ性がすごく高いように感じたし。すてきな作品だと思った。花くまさんは「バカじゃないの」ってくらい柔術が好きなんだよね(笑)。格闘家の人たちは気持ちが優しいから、厳しくはなかったけど。
浅野:原作はぶっ飛んでるんで、まさか自分がやるとは思いませんでした。花くまさんも口出ししてくるわけではないんですが、作品に対する強いこだわりを感じていました。

■なぜか哀川翔がハゲ
Q:カツラをかぶったお互いを見て、どうでしたか?
哀川:すんなりいってたんだよね。おれのハゲに関しては最初脚本もらったときに、どっちをやれって言われてなくて。でもどうみてもハゲ役はおれだろうって、勝手に導かれたっちゅうところはあったけどね。昔、おれの友達でアフロのヤツがいて、生え際の形状とか知ってたからまあ、アドバイスはちょっとしたね。
浅野:最初に監督が、メールで合成した写真を送ってくれたんですけど、ナマで見るとすごいなあって思いましたね。で、最初にこのお話を頂いたときに、やっぱり僕もなぜか哀川さんがハゲ役だって思っちゃったんですよね(笑)。これを哀川さんがやるなら、おれがやらないわけにはいかないだろうって気がしましたよ。


                               
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■ゾンビはお好き?
Q:この作品は本格的なゾンビ映画だと思いますが、お2人はゾンビ映画はお好きですか?
哀川:ゾンビは嫌いじゃないですよ。昔の『ゾンビ』にはハマッたね。
浅野:子供のころから、ジェイソンとかそういうのはホントに怖くなっちゃうんだけど、ゾンビってなにか逃げ道がある気がして。中学校のころに、友達と大勢で観たりしていました。やっぱり最初の『ゾンビ』は印象的ですね。
Q:女性ファンの目は気になりませんでしたか?
哀川:あんまり気にしなかったね。むしろ、自分の姿が見られるかどうかに重点をおいたね。実際やりだすと、ハゲ忘れちゃってました。たまに鏡で自分の姿見て、ビックリしちゃったりしたけど(笑)。

■哀川さんの顔が耐えられないほどおかしい
Q:哀川さんの姿を見て吹きだしそうになったりしませんでしたか?
浅野:何度も笑いそうになりましたよ。哀川さんが、まじめ顔でゾンビに変わっちゃうシーンがあったんだけど、むこうの方でスタッフがすっごい笑ってて、こらえるのに必死だったね。
哀川:監督がやれって言うんだもん。忠実にやりましたよ。あれは、自分じゃなくて演技指導の結果。でもさ、現場でああいう笑われ方することないからね。おれ、どう反応していいか分かんなかったんだよね。普通の顔してても、みんな笑うしね。テレとかより、もっと違う次元にいた感じがするね。"ヅラ"(かつら)もほんとうまいことできてたし。
Q:佐藤佐吉監督は普段は俳優としても活動してらっしゃいますが、一緒に仕事をしていかがでしたか?
哀川:俳優より監督してるときのほうが芝居がむちゃくちゃうまいんですよ。俳優のときそんな芝居してたっけ? ……ってくらい。
浅野:なんだかよく分かんなくなっちゃいました。真剣に考え込んでるわりにはスゴイおかしなこと言うんで。若いころどんな人だったのかなって思います。多分すごいこといっぱいしてきてる気がするんですよ。
哀川:確かに、子供のころの写真とか見たいですね。

■哀川さんのモノマネとかしていた
Q:共演する前と、現在のお互いの印象は?
哀川:これまでは、会うっていってもすれ違うぐらいしかなかったんだけど、彼の独特な世界観は不思議で、なかなかこういう俳優さんはいないとは思ってたね。実際、演技したらとてもナチュラルですごくすてきな俳優だと思いましたね。難しい演技を自然にやるという高度なことを、相手の芝居を受けながらさらりとやっちゃうところがとても好きでした。浅野くんには前から興味はありましたけど、共演は難しいかなって思っていましたから、この話はうれしかったですね。ハゲでしたけど(笑)。浅野くんが、オファーをうけたって聞いたとき、「僕も、ミツオにむかっている最中です」って言いました。片足突っ込んでるんだけどもう片足が出るまでに3か月もかかっちゃいましたから(笑)。
浅野:哀川さんは、自分が仕事始める前から、というか中学のころはマネとかしてたぐらいなんで、そのころから哀川さんに対するいろんなイメージがあったんですけど、実際、ハゲヅラやっちゃうとことか、はじけ方がすごいなって思いました。現場にいるとすごく面白くて、いろんなアイディアを考えちゃうのでビックリしましたね。
哀川:誰かと組んでやるっていうのはなかなか難しいけど、すごく楽しいんだよね。これからも彼とは年に一本ぐらいはやりたいなって思いました。

■またハゲになれって?
Q:完成した作品をご覧になった感想は?
哀川:とても楽しめました。やっぱり人と人のつながりに重点をおいて映画が進行していくところが、いいと思ったね。みんな笑うかもしれないけど、実際ああいうことになったら結構マジであんなことになるんじゃないかなって。第三者として楽しめましたね。
浅野:観てすっきりしました。自分がいつも出てる映画とは違うんで、どっかスッと抜けた感じがましたね(笑)。
Q:続編の予定は?
哀川:またハゲになれって(笑)? きっと出演を決めるのにまた、3か月くらいかかるかなっていうのはありますね。やっぱり映画化っていうのを考えた時に、原作を生身の人間がやることに壁はありますから……。でも面白いと思ったことに取り組むのは最高だと思いますね。
浅野:僕はアフロのヅラをスポッとかぶるだけなんで、翔さんがやるならいくらでもやりたいですね。
哀川:なんでハゲとアフロなのかは最後まで分かりませんでしたけどね。

哀川翔が「ハゲ」と言うたびに、撮影中の姿を思い出すのか吹きだしてしまう浅野。和気あいあいとしたインタビューで、2人の仲のよさがうかがえた。ちなみに、哀川翔のヅラは、候補が3回ほど変わって、結局あのヅラに落ち着いたのだそう。一度見たら忘れられない黄金コンビの今年最後の笑い納めは、哀川翔のハゲヅラに決定だ!




                               
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取材・文・写真:FLiXムービーサイト
明るいイメージの優香が、初めてその笑顔を封印して臨んだ映画『輪廻』が公開される。監督はハリウッドでも活躍している清水崇監督。本編が始まって3分もたたないうちに目を覆わずにいられないショッキングな映像の連続はまさに清水ワールド。優香は本作でじわじわと迫りくる自分の前世の恐怖に怯え、次第に精神の均衡をなくしていく難役を、まさに体当たりの演技で熱演している。そんな優香に、初めてのホラー映画の出演について語ってもらった。

                               
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■お化け役の人が隣でお弁当食べてるし!
Q:今回ホラー映画に挑戦された優香さんですが、ホラー映画はお好きですか?
はい! ちっちゃいころからよくお姉ちゃんやお母さんと一緒に見てました。結構苦手な女の子っていますけど、私は全然苦手じゃないんですよ。「怖い~っ」て思うのがすごい楽しくて!
Q:ではホラー映画ファンとして、出来上がった作品はいかがでしたか?
面白かったです。音がすごいので映画館で観るときっと迫力あるだろうなって思いました。自分が出ているシーンはどうなるか分かっているので、全然怖くなかったんですけど、私が出ていないほかの人のシーンではすごくびっくりしちゃうことが多かったです。
Q:撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?
現場はほんとに明るくて楽しかったです。監督も作品の中の椎名桔平さんみたいな鬼監督ではなくて、いつも私と同じ視線で見てくれました。椎名さんが演じられた監督のほうが怖かったですね(笑)。
Q:楽しすぎて撮影中に吹き出しそうになることはなかったですか?
何度もありました! ホラー映画の現場って、おかしなことがいっぱいあるんですよ。お化け役の人が隣でお弁当食べてるし(笑)。今回も、お化け役の人がいっぱいいて、顔が真っ白で青い線とかはいってるのに普通に歩きながら、「おいしいですね~」とか「暑いですね~」ってすごいフレンドリーに話し掛けてくるんです。面白かったなあ(笑)

■原寸大のセットで
Q:共演の小さな女の子も、恐ろしさ満点でしたが……
そう! 真っ白の顔のまま立ってるとちょっと怖かった(笑)。普段は明るくてかわいいんですよ! お菓子をいっぱいくれました。
Q:劇中作『記憶』という映画の撮影に絡みながら物語は進行していますが『記憶』の脚本はなかったんですか?
ありました! セリフもちゃんと書いてありましたよ。
Q:舞台になったホテルもとても気味悪かったですね。東宝のスタジオには原寸大のセットができたそうですが恐ろしくはなかったですか?
スタジオには二階建て部分が作られたんです。でも本当は3階建てなんですよ。もう使われてはないんですけど、実在するホテルなんです! ロケでは実際そこに行ってトイレのシーンを撮影しました。待ち時間の間ホテルの一室をメイク部屋とかにしてるんですけど、やっぱりちょっと空気が気味悪かったです。
Q:優香さんは霊感があるほうなんですか?
いえ、それが全くないんですよ!


                               
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■スタッフは霊を見たとか……
Q:撮影中に、怪奇体験はしませんでしたか?
スタッフの中には急に具合が悪くなったりした人がいましたね。私たちが撮影していたスタジオは、東宝スタジオの中で一番幽霊が出るところだったらしくて、見えるスタッフには霊がウヨウヨ見えていたみたいです。
Q:作中のリアルな叫び声が印象的でしたが、叫び声の練習はしましたか?
練習はしませんでした(笑)。リハーサルでちょっとやってみて、すっごい叫び声は本番にとっておきました。でも、主人公の渚はいつも怯えていて、いっぱい驚くところがあるのでそういう表情は研究しましたね。自分が生活してて声が出ないで驚くときもそうですけど、ほんとに「ワーッ」って瞬時に声が出ちゃうような驚きだったりとか、そういう使い分けは気をつけました。同じ驚き方だとつまらないんで。

■白目だと鏡で自分が見られない
Q:白目をむいてけいれんされてましたが女優として抵抗はありませんでしたか?
抵抗はまったくなかったですね! ただ見えないんですよ。最初監督に、「脚本に目をしばたたくって書いてあるシーンがあるから、それだけできるようにしてきてね」って言われてたんです。でもそれをやるにしても、鏡を見ても自分も白目向いてるから見えないんですよ。だからお母さんに、「ねえねえ白目になってる?」って聞いたりしてました(笑)。でもそれだけ練習したのに、あのシーン撮ったのそれからすごく時間がたってて、本番じゃすっかりわすれちゃってました(笑)。「あ! 今日しばたたかせる日だった!」みたいな。
Q:でもしばたたくどころの騒ぎじゃなかったような……
そうなんですよ! スタッフの人にも「カクカクしてください!」って言われました(笑)
Q:その姿をスクリーンで見たときはどう思われました?
すごい顔してると思っちゃいました(笑)。何回もやったんですよ、あのシーン。最初のタイミングが微妙にあわなくて……。でも何回もやってるうちにだんだんうまくできるようになりました(笑)。

■パスタが好きだから前世はやっぱりイタリア人?
Q:映画の中で女優役をするのは難しくなかったですか?
ほとんど意識せずにやりましたがデビューしたころの自分に似ている部分もあって共感できました。
Q:この作品は前世についての物語ですが、記者会見で自分の前世についてイタリア人とおっしゃっていましたね
はい、イタリア人(笑)。イタリアの雰囲気が大好きなんですよね。パスタ大好きなんで。自分の本当の前世もすごく知りたいですね。

■生まれ変わったら、なりたいもの
Q:ではもし生まれ変わったら今度はどんな人になりたいですか?
う~ん。なんだろう。あ、スポーツ選手がいいですね! 今の気分はスポーツ選手。国民的ヒーローになりたい! 個人競技で3連覇! みたいな。スポーツしたいんですけど、なかなかできなくて。フットサルしてるんですけどそれも最近は全然行ってないし(笑)。だから今度はスポーツ選手がいいです。
Q:共演された香理奈さんとはいかがでしたか?
それが全然会えなくて最初にみんなでやったお払い以来まったく会わなかったんです。熊本のロケでようやく会えたんですけど撮影は全然かぶらなかったし(笑)。でも一緒にご飯食べましたよ。


                               
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■『呪怨』は日本で一番怖い
Q:東京国際映画祭の時は、2人仲良く手をつないで登場されてましたね
そうなんです。すっごい緊張してて! 2人とも初めての体験だったので、どうしたらいいのか分からなくて、でもすごく楽しかったです。
Q:清水監督の作品はご覧になられてましたか?
はい! もちろん『呪怨』は観ていました。日本で一番怖いんじゃないかなって思ってましたね。それから、テレビで「怪奇大家族」っていうコメディーを清水監督がやられたんですけどそれが面白くてハマってました。
Q:本当に、ホラーお好きなんですね
はい。あ、でもあんまり大好きって言うと気持ち悪がられるんで、まあまあ好きってことにしておいてください(笑)。
Q:新人女優である主人公の渚との共通点はありますか?
自分をうまく出せない、前に出られない感じなんて、デビュー当時のわたしにかなり近いです。オーディションは一回しか受けたことないんですけど、撮影でオーディションのシーンがあってこんな感じなんだあって(笑)。緊張しちゃいました。私だったら、あの状況ではぜったい喋れないですね!
Q:渚は、まわりの女優さんにいじめられてましたが……
(大爆笑)。ないです! いじめはないですね!!

■デートでの抱きつきポイントは?
Q:今回の『輪廻』で新境地を開拓した優香さんが、これから挑戦したいことは?
どうしよう! 逆に教えてもらいたい(笑)。でも時代劇をまたやりたいかな。殺陣もかっこいいのでやってみたいです
Q:カップルにおすすめのだきつきポイントを教えてください!
じゃあ、私が観て「きゃっ!」て思ったところを教えましょう(笑)。図書館のシーン。そこは怖いので、図書館が出てきたらご準備を! 驚く練習して置いてくださいね

白目をむいて絶叫していたイメージとは大きく異なって、身振りを交えながら楽しそうに話す優香を見ていると、こちらまで楽しくなってしまう不思議なパワーの持ち主だった。これまで今時の若い子のようなイメージを持っていたが実際は素直でとても礼儀正しい印象を受けた。それでいて突然すごいおとぼけっぷりをつい披露してしまうのは優香独特の魅力なのかもしれない。これからの優香に大いに期待したい。



中村獅童&成宮寛貴
『あらしのよるに』

                               
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取材・文・写真: FLiXムービーサイト
オオカミとヤギの種族を超えた友情を描いた、ベストセラー絵本の映画化作品『あらしのよるに』。オオカミの声を担当した中村獅童と、ヤギの声を担当した成宮寛貴のツーショットインタビューが実現した。共通点が多いという若手人気俳優の2人が、お互いの印象やキャラクターに込めた思い、さらには子どものころの出来事に至るまで思う存分語り合ってくれた。
■誕生日が同じ2人
Q:お2人の声がキャラクターに違和感なくなじんでいましたが、お2人はご自身の声を聞かれていかがでしたか?
中村:普段と違って自分の声だけが聞こえてくるっていうのは……なんか感激でした。
成宮:あんなかわいいキャラクターを自分が演じるなんて、ちょっと恥ずかしかったですね(笑)。でもすごくうれしかったです。
Q:お2人は過去に同じキャラクターを演じられたり、お誕生日が同じだったりと並々ならぬ縁があるようですが、今回共演されたご感想は?
中村:以前に舞台で一緒に演じたこともあるんですよ。今回も身近に感じながら演じることができたので、うれしかったですね。
成宮:獅童さんは周囲を和やかにするムード作りを"毛穴"からできる人なので、僕はその雰囲気に引っ張ってもらっていました(笑)

                               
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■お尻が好き
Q:お互いが演じたキャラクターと、お互いの印象を教えてください。
中村:やっぱりチャーミングでかわいいですね。メイのあのお尻が好きです。
成宮:そうですね……ガブは一見怖そうなんだけど、実はすごくやさしいので見た目と中身が違うと思います。獅童さんも最初は「怖いんじゃないかな?」と思ったんですけど、実はすごく面倒見のいい方でした。
Q:例えばどんなことがあったのですか?
成宮:この間京都で撮影をしていたら、ちょうど獅童さんも近くで撮影をされていて……。
中村:たまたまね、同じ撮影所だったんだよね! 縁があるよね。
成宮:そしたら夜電話を下さって「飲みに行こうか!」って誘って下さったんですよ。でも「僕はご飯食べたいんですけど、いいですか?」って言ったら「大丈夫だよ、行こう!」って連れて行っていただいたんですけど……結局あまりご飯は食べられないお店でした(笑)。
中村:(爆笑)

■動物と人間の違い
Q:本作では動物を演じられたわけですが、人間を演じることと違いはあるのでしょうか?
中村:役を演じるという意味では特に違いはないですね。ただアニメーションの場合は、絵が動くタイミングに合わせる必要があるので、その点は心を込めて演じました。
成宮:そうなんですよね、タイミングを合わせて音を入れるというのは、テクニックと集中力のいる仕事だと思いました。
Q:アニメーション映画ということで、多くのお子さんが観られると思いますが、お2人はどのようなお子さんだったのですか?
中村:僕はヒーローのお面を付けて近所を走り周っていましたね(笑)スパイダーマンとか。
成宮:今と変わらないじゃないですか(笑)
中村:あと、すごく恥ずかしがりやな子供でしたね。ヒーローごっこをして遊んでいて、近所の人に「もう一回やって!」とか言われると、隠れちゃっていましたね。目立ちたがりやなんですけど、恥ずかしがりやなんですよ。

                               
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■性別はどっち?
Q:成宮さん演じるメイはかわいすぎてメスのようにも見えました。性別についてはどう思われますか?
成宮:そうですね……僕自身は男なんですけど(笑)。男だからとか女だからとかいうことでセリフの言い方が変わるわけではないんです。あとはもう観る人が決めていただければいいと思います。
中村:両方感じる瞬間があって、性別を超えた魅力がありますよね。
Q:2匹の信頼関係の意味することは?
中村:動物が主人公のアニメーションですが、大人の方も共感できると思います。例えばサラリーマンの方だったら、会社の組織を群れに置き換えて見るとか、いろいろな状況に重ね合わせることができるんじゃないでしょうか。人を信じる心、友情、愛情っていう誰もが持っている感情に訴えるんだと思います。
成宮:メッセージはいっぱいあると思いますが、普遍的な愛情、信頼が表現されているので、多くの人が感動できると思います。

オオカミ風のヘアースタイルで現れた中村は、真剣な表情でインタビューに答えていたかと思うと、手にしたガブのぬいぐるみで遊んでみるなど、まるでガブのようにおちゃめな印象を受けた。一方の成宮は、メイをイメージしたかのような白いスーツ姿で、中村が答えている最中にこやかにほほ笑むなど、メイそっくりの雰囲気を漂わせていた。劇中のガブとメイのように相性ぴったりの2人は、インタビュー中何度も顔を見合わせて爆笑していた。そんな2人のハマリぶりは、“一聞”の価値あり!



深田恭子
『天使』

                               
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取材・文 鴇田崇 写真 FLIXムービーサイト
人気漫画家の桜沢エリカの原作を映画化した映画『天使』。主演の深田恭子は『下妻物語』で見せたロリータファッション命のマイペース少女役から一転、言葉を一言も発しない天使役に挑み、表情としぐさだけで喜怒哀楽を表現する難役をキュートな魅力たっぷりに好演している。そんな不思議な役を演じた深田恭子に、天使役の感想や観どころなどを語ってもらった。
■テーマは“きまぐれ猫ちゃん”
Q:企画段階から天使役に興味をお持ちだったそうですが、実際に天使を演じてみた感想はいかがでしたか?
天使の役って、そうそうあるものではないと思いますし、天使って皆さんが好きな存在じゃないですか。天使が嫌いっていう人は、なかなかいないですよね。そういう役を自分で演じられてとってもうれしく思っています。
Q:その天使はセリフがまったくない役です。セリフがある役と比べて、どこが簡単でどこが難しいですか?
天使の役でセリフがたくさんあったら反対に不思議だと思うんです。セリフの多い少ないではなく、天使だからセリフがないものだと思ったので、まったく違和感は感じませんでした。
Q:そんな天使のように人間じゃない役を演じる時は、どんな準備をして撮影に臨むんですか?
体全体や目の動かし方には気をつけました。今回の天使の役からは“きまぐれ猫ちゃん”っぽい印象を受けたので、そういう風に演じられたらなぁと思っていました。ちょっと動く時もダラーって動くのではなく、猫っぽくパッと動く感じを意識していましたね。腕を動かす時もきれいに見える方がいいなと思ったので、衣装の生地もボテッとする素材じゃなく、軽やかに動く素材をお願いしました。あとは爪に花を付けたりと、あらゆる面で工夫しました。

                               
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■ワイヤーで宙を舞う
Q:深田さんご自身も天使役に対するアイデアをたくさん出されていたんですね。
そうですね。「動き方をこういう風にしたら天使っぽいかな」とかですね。そもそも正解はないのでイメージを膨らませるだけ、膨らませて、とりあえずいろんな動き方をしてみたり。思いついたことは監督に全部相談してました。
Q:天使の動き方を表現するために、鉄製のシーソーやワイヤーで宙を舞ったり、穏やかな演技からはまったく感じられない苦労が裏側にはありそうです。どんなエピソードがありましたか?
まったく苦労はなかったんです。わたしよりも、天使の動き方を映像で作っている方や、周りの俳優さんたちの方がよっぽど大変そうでした。皆さんは天使のわたしが見えていないようなお芝居や、触れられても何に触れられたか分からないお芝居をなさっているのに、わたしは自由に動き回ったり、自由に触れたりしていたので(笑)。
Q:桜沢エリカさんの人気コミック原作は、先にお読みになりましたか? 映画と比べてみてどうでしょう?
はい、読んでいました。ただ、原作の天使ちゃんそのままには伝わらないものじゃないですか。だから、原作ファンの方たちのイメージを壊したくないなって思いながら演じてましたね。

■天使と似ている部分
Q:監督の宮坂まゆみさんや原作者の桜沢さんとは、女性同士どんな話をしながら撮影しましたか?
宮坂監督は顔の角度や細かい仕草などを、とてもよく見ていてくださいましたね。カメラの角度も気にしてくれて、気を配ってくださいました。あとは監督も桜沢さんもわたしも猫ちゃんが大好き。猫好きの人たちが作った映画なので、猫に対する思いも観ている人にも伝わると思いますね。
Q:よく「天使のような○○」って言いますが、まさにすべての人を癒す天使の役。深田さんご自身にも今回の天使と似ている部分や、共通する性格はありますか?
気まぐれなところです。いつもそばにいるわけではなくて、あちこちウロチョロしていたり、何かを全部手助けしてあげるわけでもなくて、ちょっとだけ後押しするタイプです。と言っても、誰の後押しもできてないんですけどね(笑)。実は猫っぽくなりたいって願望があるんです。だから、人を寛大に受けとめる天使ではなく、今回の猫ちゃんっぽい天使のような、そんな存在になりたいですね。
Q:最後に映画で話せなかった分、言葉で直接伝えたいメッセージがあればお願いします。
とってもやさしい気持ちになれる映画ですし、天使って聞いてどんな映画だろうって皆さん考えると思うんですけど、天使がいても不自然じゃない雰囲気がある街のお話なので、違和感なく観られるんじゃないかな。この機会にメルヘンな世界に皆さんにも入ってもらって、この映画を楽しんでいただきたいなと思います。

                               
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インタビュー現場に映画の天使の衣装そのもので現れた深田恭子は、まさに天使降臨という表現がピッタリ! ふわふわとした不思議な雰囲気が流れる中、出演した映画への想いや天使役をどれほど好きになったかをフカキョン流で話してくれた。「とても素直な気持ちになれるのでデートにもピッタリですよ」と語るその口調からは、映画の天使と同じ優しさも感じられるほど。観る人すべての心を癒すフカキョン天使ムービーをお見逃しなく!



篠原涼子、佐藤浩市
『THE 有頂天ホテル』

                               
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取材・文:小林陽子 写真:FLIXムービーサイト
超豪華キャストで構成された三谷幸喜の映画監督第3作『THE 有頂天ホテル』がついに完成した。崖っぷちの代議士役を演じた佐藤浩市と神出鬼没のコールガール・ヨーコを演じた篠原涼子の2人に撮影秘話を聞くことができた。2人は今回初めて組んだパートナーとは思えない面白話が炸裂。篠原が佐藤に名づけた意外なあだ名など、ほかには見せない佐藤の素顔、撮影裏話などは思わず吹き出してしまうほど。盛り沢山なインタビューとなった。
■バランスのいい映画
Q:ワイワイと楽しい映画でしたね。撮影現場は楽しかったですか?
篠原:楽しかったです。前半、ずうっと佐藤さんと一緒だったんですけど、佐藤さんすぐに撮影終わっちゃったんですよ。だからそのあと1人残されて寂しかったです。
佐藤:ハハハ(照れ笑い)。そうなの?
篠原:撮影中や休憩中もずっと一緒にいたので、ほんとに寂しかったです。
Q:お互いの印象はどうだったのですか?
佐藤:今回、初めて会ったんですよね。テレビで見た印象そのものでおっとりした方……。和み系ですよ。
篠原:ありがとうございます。
Q:完成品をご覧になってみていかがでしたか?
篠原:重厚感もあって面白かったです。テンポもあったので2時間もあっという間に感じました。
佐藤:エンターテインメント性があっていいですよね。今まであったようで、ないスタイルというか。これだけの作品とキャストがそろってしまうところがスター映画という感じです。自分で言うのも何なんですが(笑)。俳優さんがたくさん集まってスクリーンの中でワイワイ見せてくれますが、それにともなって観客も一緒に楽しんでくれるというバランス感覚のすぐれた映画ではないでしょうか。

                               
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■三谷監督の魅力
Q:主役級のスターが勢ぞろいした訳ですが、「え! この人がこんな役やるの?」と思ったことは?
篠原:個性的な人が、みんな見たことないような役をやられていたので、全員見ごたえがあったと思います。
Q:一番楽しかったところは?
篠原:ツボにはまるところはたくさんありました……というか全部良かったです。
佐藤:皆さん役者として素晴らしい方ばかりなので、笑わせるツボは心得てらっしゃいますし、1シーンとも劣るところがなくたくさん笑わせて頂きました。西田さんの役は誰が見てもおかしいですしね(笑)。
Q:こういうスターをたくさん集めてしまう三谷監督の魅力はどんなところだと思いますか?
篠原:人間性です。
佐藤:いい意味で、監督がスター監督なんでしょうね。演出家としても素晴らしいし、現場でも一番目立っていましたから。こういう方がなかなか少ない中で、監督の回りに主役クラスの俳優さんが集まってくるというのは、当然だと思います。みんなが監督を尊敬しているのでね。
Q:演技指導はどんな感じだったのですか?
篠原:細かい指導で、初日から最後まで徹底的に教え込まれました(笑)。話し方から、身振り手振り、セリフのニュアンスや、喋るテンポまで指示してもらいました。なかなかこういう経験がないので、刺激があってよかったですよ。

■『プリティ・ウーマン』のジュリア・ロバーツ風に
Q:篠原さんのコールガールは『プリティ・ウーマン』のジュリア・ロバーツに重なるところがあってとってもセクシーでした。
篠原:三谷さんもおっしゃってたんですよ(笑)。ジュリア・ロバーツを意識していろいろ考えていたみたいなんですけど、実際に衣装とかメイクを完成させて三谷さんの前に見せに行ったら「うん」と頷かれて終わってしまったんですよね(笑)。きっと自分で描いてたものとは違っていたのかもしれません。でも、どうやったってジュリア・ロバーツは無理だよって思いましたけど(笑)。
Q:いや十分おきれいですよ。佐藤さんも篠原さんみたいなきれいなコールガールが来たら万歳ですよね(笑)?
佐藤:もー、それは、ハイ(笑)。
でも、篠原さんのやったコールガールは昔のような生活臭のあるイメージではなく、現実の中でしっかり生きてる1人の女性として見ることができたので、ネガティブな要素が一つもなくて良かったんじゃないですか。
篠原:あ、ありがとうございます。
Q:ところで佐藤さんはいつもクールでシブめのイイ男を演じられているんですが、有頂天になることはあるんですか?
佐藤:有頂天……。僕らは演者なので、演技を褒められたりしたら猿が木に登るほど有頂天になってしまいますよ(笑)。
Q:佐藤さんの有頂天になる姿がまるで想像できないです(笑)。
佐藤:ハハハ。
篠原:私も同じで「いい感じだね」なんて言われたら有頂天になっちゃいます。やっぱり褒められたらみんな有頂天ですよね。

                               
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■ずっと寂しかったんです(笑)
Q:ところで佐藤さんの演じられた武藤田さんと篠原さんのヨーコはあの後、どうなってしまったんですか?
篠原:多分、ヨーコは「また会いたいな」って思ったんじゃないかな。だって私も一人残されたあと佐藤さん戻ってこないかなって思ってましたから。佐藤さんがさっさと撮影終えていなくなってから今日のこのときまで、ずっと寂しかったですもん。だからヨーコも会いたいって思ってると思いますね。ね? ムッちゃん!(笑)。
佐藤:え? あ、ハイ(笑)。
Q:撮影中はムッちゃんって呼んでたんですか?
篠原:ハイ! 武藤田だからムッちゃんなんですよ。
佐藤:(照れ笑いで下を向いたまま)
篠原:ムッちゃん、そういえば髪型変えたでしょ? なんか分け目が違う。
佐藤:そうそう。逆にしてみたんだ。なんかぎこちないけど。
篠原:なんか久しぶりに会ったら、違うなって思ったの。あ、そういえば私も今日分け目変えてきたんですよ。どうですか?
Q:かわいいですよ。 佐藤さんと一緒でぎこちないですか?(笑)
篠原:ぎこちないかも(笑)。

■篠原さんのペース
Q:撮影中の佐藤さんはどんな感じだったのですか?
篠原:いっつも何か食べてるんですよ。子供みたいに食いしん坊で、ブドウだとか、お茶漬け食べたいだとか、バナナが食べたいだとか、かわいいんですよね。
Q:佐藤さん、なんだか完全に篠原さんにペース握られている気がするんですが……。
佐藤:ハハハ。まったくその通りですよ。でも、彼女にだいぶフォローされたし、見てのとおり撮影現場でもムードメーカーでした。
Q:では、最後の質問です。この映画のメッセージは「愛」と「夢」がテーマだったと思います。夢はかなうものだと思いますか?
篠原:かなうと思います。願っていれば必ず。
佐藤:僕はネガティブな人間なんで、夢とかそういうのはよく分からないです(笑)。でも人は1人では生きていけないんで、「愛」が大切ですよ。人は常に生かされてるんです。
篠原:ムッちゃん、いいこと言いますね~。ネガティブなんかに全然見えないですよ。あ、でもこういうギャップがいいんですよね、きっと。ポジティブそうでネガティブみたいな。
これが女性を惹きつける魅力なんだ(笑)。
佐藤:……(照笑)。

                               
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いつもクールな佐藤さんをここまでタジタジにさせてしまう篠原さんの魅力は計り知れない。インタビューの途中、三谷監督が顔を出すなどドッキリシーンもあったが、そんな中、終始楽しい雰囲気に包まれるなど、『THE 有頂天ホテル』の撮影現場がいかに楽しいかったかということが伝わってきたインタビューだった。



宮崎あおい、浅野忠信
『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』

                               
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取材・文・写真:FLIXムービーサイト
青山真治監督の最新作『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』がいよいよ公開される。青山監督のデビュー作『Helpless』以来の出演となり本作では自然界の音を集めて暮らすミュージシャンを好演している浅野忠信、暴力温泉芸者としてカリスマ的な人気を誇るミュージシャン中原昌也、この2人の奏でる音楽が、自殺病のウィルスを抑制するとされるのだ。そしてヒロインは『NANA-ナナ-』のハチ役でブレイクした宮崎あおい。作品のキーパーソンを演じる2人に『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』を語ってもらった。
■大ファンだった中原昌也との共演
Q:完成した作品をご覧になった感想はいかがでしたか?
浅野:(宮崎に)いかがでしたか?
宮崎:先に言ってください(笑)!
浅野:おれかあ……なんか中原さんの演技を見ているときにどんな風に映るんだろうってすっごく気になってたんですよ。それが映画になると意外にまともに映っていてびっくりしました。中原さんって実際はすごく面白い人なんで、現場にいると僕も中原さんにつられてリラックスしている自分がいたりしたんです。それで、どんなんなるんだろうって思って映画観たら、「あ、ちゃんとしてる」って(笑)。それにすごくびっくりしましたね。
宮崎:わたしは初めて観たとき監督の頭の中はどうなってるんだろうって思いました。頭の中をのぞいてみたくなりました。
Q:宮崎さんはレミング病という病気にかかる少女の役でした。架空の病を演じるのは大変ではなかったですか?
宮崎:逆に架空だったからこそ、すごく自由にやらせてもらっていたというのはありますね。『EUREKA』のときもそうだったんですけど、役について監督とたくさん話すことがあまりなかった気がします。二度目ということでプレッシャーというか、頑張らなきゃっていう気持ちはありましたけど、スタッフに『EUREKA』から知っている方がたくさんいらしたので、久しぶりにみんなに会えたことがうれしくて安心して演じることができました。

                               
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■男性コンビ
Q:浅野さんは『東京ゾンビ』では哀川翔さん、缶コーヒーのCMでは寺島進さんと男性とのコンビが続いていますが、2015年に世界を救うかもしれない音楽をつくるという中原さんとのコンビはいかがでしたか?
浅野:あ。確かにそうですよね。それ言われるまで気付きませんでした(笑)。中原さんは個人的にもともとミュージシャンとしてすごくファンだったんです。ライブにもよくお邪魔させていただいてたんで。でも、まさか共演することはないと思ってたんで本当にびっくりしました。初めてこの映画の話を聞いたときはうれしかったです。
Q:ライブシーンは圧巻でしたね。
浅野:草原に大きなスピーカーを思っていって演奏する状態を整えてもらって、見えないところに機材コントロール用の機械をたくさん置いてたんですよ。撮影するカメラも二十何台とすごい量を使ったんで、非常に面白い撮影でしたね。演奏した音も、実際の音源を使っているのでいろんな意味でチャレンジだった思います。演奏していてもすごく心地よかったですね。ああいう環境の中で、演奏するチャンスはなかなかないので、貴重な経験でした。
Q:宮崎さんは、そのスピーカーに囲まれて、まさに生演奏を聞かれたと思いますが、いかがでしたか?
宮崎:わたしは普段ライブに行かないので、ああいう風に大きなスピーカーでガンガン音を聞くことがなくて。音楽がすごく体に響くなかで音の中心にわたしはいて……なんだろう不思議な気分ですね。不思議な音がたくさん聞こえてくるし、とっても変な気分でした。

■10年後の日本
Q:この映画は近未来の2015年が舞台になっていますが、10年後はどんな日本になっていると思いますか。
宮崎:すくなくとも、レミング病は流行っていてほしくないです(笑)。
浅野:そうですね。2015年ってあと10年後ですごく近い未来なんですよね。平和で、幸せな世の中になっていてほしいですよね、やっぱり。自分の子供たちももう大人になっていると思いますし。戦争とかそういう争いがない世界になってほしいですね。
Q:中原さんと自然の音を拾ってるシーンは浅野さんも楽しそうでしたね。
浅野:そこはたぶん、撮影初日とかだったんですけど楽屋に行ったら、中原さんが「浅野くん、どうしようか!」っていうんですよ(笑)。いや、どうしようかって言われてもなにがですか……って言っていたら「いや、この映画どうしよう」って言って。そういう発想って、自分の中で忘れてたんですよね。当たり前のように、現場に入って撮影して終わってっていう繰り返しだったんで。そういう発想がすごくフレッシュだったんですよね。それで、「そうですよね!」ってなって。なんか面白いほうがいいよねって2人で話し合って、じゃあずっとニコニコしてましょうって決めたんです。それで比較的笑ってるんですよね。
Q:いろいろな“音”が登場しますが、どの“音”がいちばん気に入っていますか?
浅野:ほんとに、実験的にいろいろな音をつくったんですけどそのなかで洗濯機のホースをつかったおもしろい楽器とかが出てくるんですよ。それは美術の方が作ってくれたんですけど、あの音とかけっこう面白いですね。

                               
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■『NANA』のハチ役とはまったく違う雰囲気
Q:宮崎さんは『NANA』のハチ役とはまったく違う雰囲気でしたが、役の切り替えはできましたか?
宮崎:そうですね。わたしはあまり引きずるタイプではないので、切り替えは大丈夫でした。でも、自分のキャラクターはハチではないですね(笑)。かといって、この作品のハナも極端なので、その中間くらいってことで……。
Q:この作品の魅力を教えてください
浅野:僕が演じたミズイは自分がこれまで挑戦したことのなかった一風変わったミュージシャンだと思います。ライブシーンがとにかくすごいので、ぜひ劇場に足を運んで"音"を楽しんでいただきたいですね。
宮崎:ほんとうに今まで観たことのないような作品だと思います。たくさんの方に観てもらいたいです。

スタジオに入ってくるだけでその場の雰囲気が一気に変わるような独特のオーラを持つ浅野忠信と男性スタッフ全員がため息をついてしまうほどの美少女、宮崎あおい。ニコニコと話す宮崎を、優しそうに見守っている浅野の姿がとても印象的だった。ゆったりとした口調で静かに語る2人はなんとなく似ていて、そんな不思議な2人が今回の青山作品をさらに魅力的なものにしているのが分かった。本人も語ったとおり映画界のカリスマ浅野忠信のライブシーンは劇場でしかその迫力を味わえないはず!



永作博美
『好きだ、』

                               
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取材・文:鴇田崇 写真:田中紀子
前作『tokyo.sora』で高い評価を得た石川寛監督の最新作『好きだ、』が、いよいよ公開される。互いに惹かれ合いながらも一歩前に踏み出せないまま、17年という長い歳月を経て再会を果たす2人の男女。彼らの織りなす純粋な愛の行方を詩情豊かな映像で紡ぎ上げた石川監督が、昨年のニュー・モントリオール映画祭で最優秀監督賞を受賞したことでも話題の一本だ。そんな本作で17年後のヒロインを演じた永作博美にさまざまな話を聞くことができた。
■タイトルの"、"がポイント
Q:今回17年後のユウ役を演じることを決めた、最大の理由はなんでしょうか?
たぶんタイトルですね(笑)。惹かれますよね、こんなに直球なセリフを久々に見たなって思って。よく知っている言葉だけど、とても力強く見えてしまったんですよね。なんだろうこのエネルギーはって。最初の時点では脚本があったんですけど、やっぱり"、"がすごく多かったんですよ(笑)。
Q:確かにとても変わったタイトルですよね。
撮影後、石川監督や皆さんとお話する機会が増えてきた時に、『やっぱり"、"がなんだかいい』って話をしましたね。この"、"には、"好きだ"って言えた後に、そこから続く物語があるんだなって。その先は映画を観たそれぞれの方が、この"、"の後のストーリーを作っていくんだなって思ったら、うれしくなりますね。
Q:映画は17年前と17年後の2部構成的な展開ですが、17年分の説明はあったんですか?
特にないんです(笑)。17年前の2人の映像を石川監督に見せていただきました。西島さんにも西島さん用のVTRがあったんです。脚本にもとても雰囲気があるなぁって思いましたが、石川監督には『読んでもいいけど覚えないでください』って言われて(笑)。そういう演出の仕方も面白いと思いましたね。

                               
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■石川監督の独特な演出にビックリ!
Q:その石川監督はセリフを用意しないなど独特な演出法を取られますが、通常の作品と比べてどうですか?
あまりにも差がありすぎて、最初はいろいろ戸惑いました。いつもならセリフを覚えて最終地点に向かっていくんですけど、まったく組み立てられないので。この差はすごく大きかったですね。どっちが好きかってよく聞かれますけど、どっちがいいとか言い切れないのが不思議。あんなに苦労したけど苦労した分、愛着が生まれてますからね。どっちも楽しいです。
Q:相手役の西島秀俊さんとは、演じるうえでの相談はされましたか?
実は撮影に入るまで、西島さんとは話をさせてもらえなかったんです。それまでに大事なことを話されては大変だって監督が思ってたらしくて(笑)。本当に初対面の状態で、17年後に初めて会うシーンから撮影が始まったんです。カメラが回った瞬間、それがふたりが交わす最初の言葉でなかったらもったいないと。私自身も、気がつけばリアルさを求めようとしていたかもしれませんね。何も決まってない状態っていうのは何かを決めたくなるものですけど、始める前に最初に何かを話してしまうと何かが決まってしまうじゃないですか。だから何も決めずにそのシチュエーションに入ることが重要だったんです。
Q:ぶっつけ本番みたいな状態ですね。間の取り方とかも苦労されたのでは?
計算する余裕はなかったですね。必死に何を話すか考えていたので。2人には思い出がないところで思い出を話さなければいけなかったりするじゃないですか。体験していない事実を話すことが一番怖い。たわいない話はどうにか話していられるんですけど、思い出話をするのが怖いんです。だけど、それを話さなければ終らないシーンもあったので、とっても勇気が必要とされましたね。

■ユウは自分であって自分でない存在
Q:ところで石川監督には映画同様のエピソードがあったそうですが、永作さんご自身はどうですか?
みなさん持っているんじゃないですかね(笑)。今なら青春の忘れ物なんて面白く振り返ることもできますけど、昔は本気で悩んで言えなくって本気でもんもんとしていたことってあると思うから。絶対にみんなにもあると思います。
Q:そんな永作さんご自身は、高校時代を振り返ったりしますか?
私はないですね(笑)。それほど高校時代にすてきな印象が残っていないので。もちろんあの時は楽しく過ごしていましたけど、今の方がもっと楽しいと思うので、そんなには思い出すことはないです。ただ、懐かしいなぁと感じるぐらいですかね。
Q:演じられたユウとご自身を比較してみていかがですか?
「ユウの中に私が半分以上入っているんですよね。似てないとは思うんですけど、私が作り上げた34歳のユウってことになると、似ていないとも言い切れない。もっとリアルに言っちゃうと、全部自分じゃないかって気もするんですよね。自分の中から絞り上げて作り上げたキャラクターってことを考えると、100%ユウで100%ユウじゃないっていうか」

■2人の人生を一緒に体感してほしい!
Q:もし17年前の2人に直接会えるとしたら、17年後の立場から何かアドバイスをしてあげますか?
えー、言えないですね(笑)。なんか言っちゃいけない気がする。変えちゃいけない気がするんです。この2人の人生を(笑)。んーたとえば、17年前の時代に私がユウではなく違う人間として存在していたとしていたら、友達としてなにかは話したかもしれないですね。その人の受け持った運命を壊したくないんですよね。そのままの方がいい。
Q:意味深なラストシーンも、2人を応援したくなる気持ちにさせられますよね。
いろいろ結論付けているシーンとかいろんなパターンがある中で、石川監督はあのシーンを選んだんです。実は、違うバージョンの作品がいくつも作れるのではないかっていうぐらい膨大な量を撮っているんです。
Q:最後になりますが、これから『好きだ、』をご覧になる方へメッセージをお願いいたします。
「自宅でネット検索をしているとのと同じぐらい気楽に見られる作品ですので、ぜひ観に行ってほしいです。そして2人の人生をぜひ体感してみてください。こんなに近くで人の人生を見られることもなかなかないですし(笑)。一緒にドキドキしていただけたら最高にうれしいですね」

                               
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本作の繊細な映像美のように透明感のあるたたずまいが印象的な永作さん。質問のひとつひとつに言葉を慎重に選びながら受け答えする彼女の真摯(しんし)な姿勢からは、適切なセリフを自ら考えて口にしなければならなかった本作のユウを間近で見ているような気にさせられた。過酷な撮影の苦労をまったく感じさせない、自然でリアルな演技も要注目。「女優としていい経験をさせていただいた」と語る永作さんの今後の活躍が楽しみだ


織田裕二
『県庁の星』

                               
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取材・文:FLIXムービーサイト 写真:田中紀子
田舎町のスーパーを舞台に、織田演じるK県庁のキャリア公務員・野村と柴咲コウ演じるパートの店員との“官VS民”バトルをユーモアたっぷりに描いた『県庁の星』は、2月25日から公開される。『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』から3年、久しぶりの主演作となる織田は、現場主義の青島刑事とは正反対の、県庁に勤めるマニュアル命! 出世命! のスーパーエリート公務員を好演し、新境地を開拓した。「日本映画界のスーパーヒーロー」織田裕二が、本作にかけた思いを熱く語ってくれた。
■『県庁の星』は僕の図書館に入れておきたいバイブル
Q:本作はご自身にとってどんな作品になりましたか?
この1年ずっと「自分探し」をしてきた中で取り組んだ映画だったんですが、その答えが出たような気がします。その結論自体は「自分探しをする前」と変わりないかもしれないけれど。僕はあと2年で40代を迎えますが、この映画に取り組んだことで「これから先の10年をどうやったら幸せに生きていけるか」という身近な目標ができたと思います。
Q:「自分探し」の結論とは?
僕の「自分探し」の結論は、この作品の結論にも通じているんです。この作品をやったことで、多くのことに「気付かされた」ということです。台本もそうだし、この映画が完成して、形になったときに、なんだか自分の図書館ができたような気がしたんです。そこは僕が見つけた大切なものをしまっておく場所で、ここに来れば別の何かが見つけられるかもしれない。また、ここで見つけたものを今後の演技に生かせるかもしれない。この作品は僕にとっての人生のバイブルであり、人としての基本軸をしっかり身につけるための最良の教科書でもあるんです。でも自分探しに結論はないと思います。ずっと探しつづけるかもしれないですね。

                               
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■「気付く」ことが大切
Q:今回の地方公務員の野村という役を演じて感じたことは?
本作のキーワードは「気付くか、気付かないか」だと思います。上から偉そうに指示するだけでなくて、相手と同じ土俵に上がることで、相手のこともちゃんと思いやれると思います。このことは“県庁”と“スーパー”という「官と民」の間柄だけでなく、すべての立場や場面に置き換えて考えることができると思うんです。僕は、この役を演じたことによって本当に多くのことに気付かされました。
Q:たとえばどんなことを気付かされたのでしょうか?
自由と個性っていうのはとても大事で、僕自身大好きな言葉です。僕ももちろん謳歌したいし、楽しみたいという気持ちはあるけれど、それをはき違えると恐ろしいことになってしまいます。そのことに「気付く」必要があると思います。

■1つのイメージにはこだわらない
Q:本作の野村役を演じたことによって、「踊る大走査線」シリーズの青島刑事のイメージを崩せたと思いますか?
どうでしょう? 僕が今回演じた野村は、実は青島刑事に似たところもあると思います。その壁を崩せたかどうかは、僕ではなくご覧になった方の判断にお任せします。イメージについては常に新しくしていきたいです。演じたいものがたくさんありすぎて、間に合わないんですが(笑)。
Q:どのようにして役を選ばれるのですか?
たとえば、今の携帯はとても多機能ですよね。そんな時、携帯で何がしたいかという明確なものがないと、どの機種を選べばよいのか迷いますよね? 僕はこれがしたいから、こっちを選ぶとか。見た目ももちろん大切ですが……そういう風に毎回イメージを変えるようにして選んでいます。

                               
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■ハンカチがポイントです
Q:本作で演じた野村はどんな人物だと分析されましたか?
彼の人物設定として、野村は暴力に対して非常に弱い人物なんだと、監督から教わりました。演じる際にはそういう弱い部分を出すようにしたり、「ユーモア」という種類の笑いを加えてみたりしました。話していないときや誰も見ていないようなときの野村のしぐさに出ているので、それが観客の方に伝わればいいと思います。
Q:役作りでこだわった部分はありますか?
撮影に入る前に「申し訳ないけれど、ハンカチを用意してほしい」とお願いしたんです。しかも「黒、白、グレー」を用意していただきました。野村の気持ちをそのハンカチの色に合わせたんです。「このシーンの野村の気持ちは『黒』のハンカチ」とか。ハンカチにはかなり助けられましたね。
Q:細かいところで役の気持ちに入ったわけですね。
はい。ただ僕はアイロンがけが苦手なので、スタッフの方には面倒をおかけしました。すみません(笑)。

■柴咲さんの魅力はあの瞳
Q:共演者された柴咲さんの魅力を教えて下さい。
ストレートな強さと知的な雰囲気ですね。あと、あの力強い瞳は魅力的ですね。撮影現場で、座って小説を読んでいる姿が印象に残っています。
Q:柴咲さんが演じた二宮の魅力は?
二宮の魅力は「前を向いていること」だと思います。強さや理想は持っているけど、それを実現させる方法がわからない。でも野村と出会ったことで、皆と力を合わせて前進することの大切さに気付いたんではないでしょうか。

                               
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■この作品を通して伝えたいこと
Q:それはある意味野村にも言えることでは?
そうですね。いろいろな人に助けられていますね。ただ、自分がしっかりしていないと助けてはもらえないですよね。自分で気付いて、自分で歩かないと助けようがないというのが正直なところでしょうね。世の中の人がすべて無償の愛をくれる母親ではないですからね。
Q:この映画で一番伝えたいことは?
最初にお話した「気付く」ということです。映画の中のせりふで言うと「意識の改革」ですね。そのあとに続くせりふで「素直に謝る。素直に教わる。そして、何かを成し遂げるには仲間が必要なんだ」ということですね。

1つの質問に対して、自分の言葉で5分以上語る織田裕二はイメージ通りの熱い男。時折、冗談を言っては自分でゲラゲラ笑ってしまう、おちゃめで気さくな彼は、映画からは想像もつかないほど底抜けに明るい。常に変化を続け、人々のイメージを塗り替えていく俳優・織田裕二の魅力的な一面が見えた気がした。
【織田裕二オフィシャルサイト:http://www.yuji-oda.com


伊勢谷友介
『雪に願うこと』

                               
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取材・文:渡邉ひかる 写真:FLIXムービーサイト
東京での成功を夢見て起業するも、倒産という大失敗の末に故郷の北海道・帯広に戻ってきた青年が、ばんえい競馬の厩舎(きゅうしゃ)を運営する兄やその仲間たちとの交流を通して自己を取り戻していくヒューマンドラマ『雪に願うこと』。この作品で主人公の青年・矢崎学を演じた伊勢谷友介に、東京国際映画祭でグランプリ、監督賞など計4冠に輝いた本作の魅力についてや、学の兄・威夫を演じた佐藤浩市との共演についてをじっくり語ってもらった。
■これまでの経験を生かした演技
Q:このプロジェクトの何に最も魅力を感じて出演を決められたのですか?
根岸吉太郎監督の存在です。脚本も素晴らしいものでしたが、本当の素晴らしさに気付いたのは撮影が終わって完成作品を観てから(笑)。完成作品を観たとき、主人公である学の人物像がきちんと伝わってきて、それはすごくしっかりした脚本のおかげなのだろうとあらためて感じました。僕自身は確固たる演技プランを持って撮影に臨んだわけではなく、とにかく学の感情をリアルに表現しようと思って取り組んだだけなんです。
Q:学の感情をリアルにとらえられたのは、ご自身とリンクする部分があったからですか?
すごくありました。根岸監督に初めてお会いしたときに伝えたのは「僕も学のように調子に乗っている若者ですから、彼が東京で体験した生活は想像がつきます」ということです。学はそんな生活を経て大失敗をして絶望するわけですが、僕自身も自分の立ち上げた映画のプロジェクトを最後まで進められなかった経験があります。もちろん、絶望とまではいかないし、死のうとも思わなかったけれど、すごくショックなことではありました。そういった自分の経験をフィードバックさせて学を演じ始めた気はします。
Q:とはいえ、監督作(『カクト』)をすでに1本発表されていて、俳優としてもさまざまな作品に出演なさっていますし、地に足のついたイメージがあるのですが。調子に乗っている若者なんですか?(笑)
いやいや、何というか、お調子者という意味です(笑)。学の場合は、起業する責任の重さよりも勢いが前に出たと思うんです。若いうちに起業するって、そういうことなんですよね。映画監督として作品に対する責任は持ちますが、作品を世に出すためのビジネスプランにはかかわることはありません。そこが学とは少し違いますが、彼の勢いや挫折感を理解することはできます。希望を持って臨んだにもかかわらず、今まで構築してきたものが消え去ってしまうのは、ぼうぜん自失に陥ります。その部分は自分に照らし合わせて受け止められました。

                               
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■馬もイライラ?
Q:ばんえい競馬についてはご存知でしたか?
実際に見たのは初めてでした。「レースに勝てなければ馬刺しになる」というセリフがありますが、あれは冗談ではないんです。人間の業や性(さが)に通じるものを感じました。生き物がレースをして、勝てなければ死んでしまう環境は否定的にとらえられるものかもしれません。けれど、そこに愛情は存在するし、与えられる厳しさを乗り越えようとする馬の健気さに心を打たれるものはありました。実は撮影中にすごく気に入った牝馬(ひんば)がいたんです。すごくかわいくて、鼻に指を入れても気づかないくらいおっとりした子でした(笑)。けれど、再び会いに行った時には死んじゃっていて……。そういう子は生き残ることができない世界なんでしょうね。
Q:馬との共演は順調でしたか?
馬はまったく意識していないと思いますが、気持ちが通じたような振る舞いを見せてくれる瞬間がたまにあるんです。そのときはぐっときましたね。人間のようにテイク1から全力で挑んでくるわけではありませんし、こちらが真剣に演じても普通にシカトされる。けれど、そんな状況を経て3テイク目あたりで息が合ったときには、やはり感動しました。
Q:通じ合うものが生まれたんですね。
いや、馬は絶対に意識していなかったと思います(笑)。順調に撮影できたところもありましたが、やはり大変でした。普段、馬たちが寝ている時間に僕たちが馬房(ばぼう)で撮影していたのですから、馬たちもイライラしたでしょうね。でも、そういった大変さも含めて一緒に生活できたのが、作品にとっていい方向に働いたと思います。

■殴られるのは得意です
Q:佐藤浩市さんとの兄弟演技はいかがでしたか?
浩市さんは共演相手を成長させてくれる素晴らしい役者さんです。素晴らしいなんて、僕が言うのはおこがましいくらいですが、本当に尊敬しています。学と威夫の兄弟は心が離れてしまっている設定なので、僕と浩市さんの間にあった初対面の緊張感をリアルに生かし、物語が進むのと同じタイミングで徐々に近づいていきました。浩市さんが唯一笑顔を見せてくれるシーンが中盤にあるんですが、その光景は今でも目の裏に焼きついて離れません。あのときは役柄を飛び越えて、僕自身が感動してしまいました。
Q:学は威夫に相当ぶっ飛ばされていましたね。
殴られるのは『CASSHERN』で慣れていますから。結構得意です(笑)。
Q:完成作品を観たときの感想をあらためて教えてください。
「何かができた気がする」という手応えを感じることができました。2度目に観たときはその手応えがもっと強くなりましたね。とにかく初めての感覚をもらえた映画だったんです。その感覚は、もちろん撮影中にも感じられました。浩市さんに殴られるシーンを撮り終えたとき、浩市さんが何も言わずに握手を求めてくれたんです。実は僕も浩市さんと息が合った気がしていたので、「今、すごく重要な時間を過ごせたんだ」と実感しました。今後、映画に出演したり、監督したりするときの大きな指標となる経験だったと思います。

                               
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監督・伊勢谷友介の今後
Q:監督・伊勢谷友介として、根岸監督から学んだものはありますか?
それを言ったら、手の内を見せることになっちゃいます(笑)。ただ、根岸監督は役者に対して余計なことを言わないんです。シーンを撮る直前にいろいろ指示することもなければ、役者をパニックに陥らせるようなこともしない。本当にシンプルな方なんです。また、根岸監督は演じている役者をかなり直視されます。にらんでいるようにも見えるので、緊張感も生まれます(笑)。でも、それだけ見てくれていることがすごくうれしいし、監督を信じて演じればいいんだという気持ちになれるんです。
Q:今後も出演作の公開が続きますが、そろそろ監督第2作を期待してもいいですか?
今手掛けている脚本があるので、それが出来上がったら具体的なスケジュールが見えてくるかもしれません。来年撮ることができればいいなと考えているものもあります。それらに向けて、今年はいろいろなものを蓄える時期ですね。期待していてください。

しっかりと言葉を選びながらも、思いがあふれ出てくるかのようにテンポよく、次々と撮影秘話を語ってくれた伊勢谷友介。「何かができた気がする」と真剣な面持ちで力強く言い切る彼にとって、『雪に願うこと』は、まさに特別な作品になったと言えるだろう。今後も『嫌われ松子の一生』『笑う大天使(ミカエル)』『ハチミツとクローバー』と出演作が続々公開される彼の活躍に注目していきたい。



宮崎あおい
『初恋』

                               
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取材・文:鴇田崇 写真:秋山泰彦
日本犯罪史上最大のミステリーと言われ、いまだその実像が闇の中にある府中三億円強奪事件を題材にした『初恋』。実行犯が18歳の女子高生という大胆不敵なシチュエーションも話題を集めた中原みすずの同名小説が映画化された。原作者と同名のみすずというヒロインを演じたのは、『NANA』や『好きだ、』など出演作が相次ぐ宮崎あおい。原作を読んでヒロイン役を熱望していたという宮崎あおいに、衝撃的な犯罪ドラマに主演した感想などを聞いた。
■原作と同じく、映画も好き
Q:完成した映画をご覧になっていかがでしたか?
原作が本当に大好きだったので、観る前は不安でした。原作を上まわっていないと満足できないというか、想像以上のモノじゃないといい映画を観たって思えないじゃないですか。でも、今回の映画版も好きになれて、原作と比べることでもないような気がしたんです。原作は原作で大好きですし、映画は映画として好きになれました。原作のいい部分が、映画にプラスに現れている気がしたので安心しましたね。
Q:その原作で最も引かれたのはどこですか?
映画の中では描かれていないのですが、小出(恵介)さん演じる岸が自分には好きな女の子がいると、でもそれを伝えることはできないって話をする所ですね。みすずは、自分が伝えてあげるよって言ったりするんです。彼女は彼女で岸に子ども扱いされていることが嫌で、同じ立場で話をしたいんです。岸もみすずもお互い好きなはずなのに、それを相手には伝えられないもどかしい感じが好きですね。
Q:3億円事件についてはご存じだったんでしょうか?
一応は知っていましたが、詳しくは知りませんでした。この時代に関しても、映画を観てデモのシーンとか、あんな感じで当時の若い人たちが警察に立ち向かっていって殴られて……というのを、初めて映像で体感しましたね。撮影前に当時の新聞記事や資料は読んでいましたが、こんなに激しい時代だっていうことを、改めて映像で観ると強烈だったのでびっくりしました。現代からは考えられないですよね。

                               
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■物語は真実
Q:『初恋』は硬派なイメージと、10代のラブストーリーとを自然に絡めて描かれていますよね。
演じていても映画を観ても、初恋だけのお話だとは思わないし、事件のことだけのお話だとも思わないですよね。わたしが大事にしたいのは、みすずや岸の想いっていう部分。お金が欲しくてみすずは事件を起こしたわけじゃないと思うので、3億円事件と聞くとこれまでの報道を想像する方も多いと思いますが、そうじゃない映画になっていると思います。
Q:原作は仮説ですが、本当の話だと思ってしまうほど好きになってしまったとか。
そう思って演じていましたし、今でもそう思っています。撮影前に原作者の中原みすずさんとお会いした時に、いろいろお話も聞かせていただきました。もちろん最初に本を読んだときから信じていましたし、みすずさんとお会いしたことでもっと信じる気持ちが強くなりましたね。みすずさんは、本当だとは言われてませんでしたが、何か質問すればきちんとお答えになってくださいましたし、みすずの気持ちとかいろいろ聞いて、演じる上での参考にもなりました。

■中原みすずさんの思い出は壊したくない
Q:その中原みすずさんは映画を観てどんな感想を?
完成披露試写会のときにお手紙を頂いて、舞台の上で司会の方が読んでくださったんです。初めに会ったときは心配だったと書いてあったんですけど(笑)、完成版を観て本当に良かったと言ってくださったので、安心しましたし、とてもうれしかったです。映画化されるとなったとき、これはみすずさんの思い出でもあるわけですから、その部分を壊したくないなって思っていたので、だからこの言葉をいただけたのは本当にうれしいですね。演じられて良かったなと本当に思いました。
Q:そのヒロインであるみすずについては、最初はどんな印象をお持ちになりましたか?
初めは、どうして好きな男の子のために3億円を奪うという大きな行動に出てしまったんだろうって思ってました。あまり共感もしなかったし、その意味が分からなかったんです。でも自分が演じてみて、みすずがなぜ岸の一言で、行動に出たのか理由がよく理解できたんです。最初に原作を読んだときよりも、自分が演じてからの方がみすずの気持ちがよく分かっていった感じですね。
Q:それはやはり「人に必要とされるうれしさ」に共感されたからでしょうか?
この『初恋』の話は、そこから始まっていると思うんです。みすずは今まで誰からも必要とされていなかったけど、お前が必要なんだって言ってくれる人が目の前に現れて……。ただ、その人のそばにいたくて、その人のために何かをしたくて行動を起こすんです。誰かを想う気持ちって大きいじゃないですか。みすずは、とても芯のある、強い子だなぁって思いましたね。

                               
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■必要とされるなら大胆な行動も……
Q:人に必要とされるなら、3億円を盗むかはともかく、あおいさんも大胆な行動に出るタイプですか?
出ると思います。その人が喜んでくれるのなら……。その人だけでなく、周囲の人もハッピーになることなら、わたしはやりたいと思うし、やれる人でありたいと思いますね。だから気持ちの中では一番大事なことかもしれないです。誰かに何かをお願いされたりとか、困っている人や泣いている友達がいたら、どれだけ自分が眠くても、どれだけ疲れていても、そこに飛んでいってあげられる人でいたいと思っています。そこで起こるパワーって、何ものにも変えられらないぐらい大きいと思うので大事だと思いますね。
Q:そんなみすずは劇中で「大人になんかなりたくないっ!」と叫びますが、あおいさんは?
わたしはゆっくり大人になりたいと思っているタイプで、早く大人になりたいと思うこともほとんどなく20歳になりました(笑)。いつかは大人になっちゃうんだから、子どもでいられる時間を大事にしたいと思っています。20歳なのでもう子どもではないんですけど(笑)。ただ、大人になりたくないとは思わないんですが、みすずの立場であんな大人たちを見てきてたら、わたしは大人になんかなりたくないって思っていたかもしれないですね。わたしの周りにはすてきな大人がたくさんいて、こうなりたいと思える人がたくさんいたので、みすずとは違いますね。
Q:10代を振り返ってどうですか?
10代後半は特に充実していたと思います。お仕事も本当に楽しくできるようになりましたし、やりたいことを自由にできるようになったので。
Q:楽しく仕事をするためには、あおいさんにとっては演じる役を好きになれるかも大事なんですよね。
大事ですね。それが例えば二股とかかけているような悪い子の役でも、好きになれれば楽しいですね。感覚とか勘ですよね。みすずの場合は、ほかの人が演じたら悔しいと思うほど好きでした。例えばわたしの友だちがみすずを演じるなら何とも思わないんですけど、これが自分とはまったくつながりのない人だったら悔しいと思います(笑)。だから、今回『初恋』に出られたことは本当にうれしかったんです。どの年代の方が観ても楽しめる作品になったと思います。3億円事件の話だけじゃなく、その裏には初恋の話があるし、登場人物の目線で観ても面白いと思うので、ぜひ映画館で楽しんでほしいと思います。

スタイリスト:横田勝広「D&N PLANNING 」
使用ブランド: F i.n.t/KALASSE/Jota

質問に言葉を選びながらゆっくりと答える宮崎あおいは、20歳になったばかりとは思えないほどの落ち着いたたたずまいが印象的だった。大きな瞳を輝かせながら今回の『初恋』に賭けた想いを熱く語る宮崎あおいの姿からは、劇中で演じたみすずが、自身にとって特別な役だったことがひしひしと伝わってきた。これまで「映画に愛された少女」と言われてきた宮崎あおいの、その愛される理由が分かった気がするインタビューとなった。



高島礼子
『バルトの楽園(がくえん)』

                               
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取材・文:FLIXムービーサイト 写真:田中紀子
たくさんの女性から「大人の女」として憧れを集め、男性からは「1番癒されたい美女」として、絶大な人気を誇る高島礼子。そんな日本を代表する女優である彼女が、映画『バルトの楽園(がくえん)』で、松平健ふんする主人公・松江豊寿の妻・歌子役に挑戦した。自ら「恩師」として敬愛している松平の相手役を大切に演じたという高島に、本作の魅力や撮影秘話を語ってもらった。
■ロケ地の鳴門の皆さんのおかげで、頑張れました
Q:まず、この脚本を最初に読まれた感想を聞かせてください。
実際にあったことですよね。今まで教科書にも載っていないんで知らなかったんですけど、こんなことがあったんだ! っていうことにびっくりしたことと、それから日本人を見直しましたね。戦争時代の話になると、日本人って結構苦しい話題が多いじゃないですか。でも、このお話を読んでなんだかうれしい気持ちになりました……。
Q:鳴門に作られた板東収容所のセットはいかがでしたか?
セットは本当にとても立派で……、立派というのはきれいとかそういうことじゃなくて、細部にまで気を使っていて、これ全部本当にカメラに収まるのかな? というくらい収まらないところまでとても細かく仕上げてありました。
Q:ロケ地の鳴門では、地元の方々がすごく盛り上がっていらっしゃったようですね。こういう心強いサポートのある撮影というのは、楽しいですか?
はい! 板東の方たちや鳴門の人たちは、いわゆる、おじいちゃん、ひいおじいちゃんの時代の祖先がその時代に生きていた方たちだったので、こんな素晴らしい人たちの末裔(まつえい)だったというような誇らしい気持ちがあるように感じられました。ですから、とても過酷なスケジュールだったんですが、徳島弁の行きかう中、エキストラとしてとても楽しんでお芝居に協力してくださったのがうれしかったです。皆さんのおかげで「頑張ろう!」って気持ちになれて、なんだかその時代にタイムスリップしたような感覚で、とても気持ちよくお芝居ができました。

                               
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■歌子との共通点? まったくないです(笑)
Q:高島さんが演じられた松江の妻、歌子はだんな様を影で支える女性ですが、どんな人物だと思いますか?
いわゆる古き良き、素晴らしい女性だと思います。何が起ころうと、家は私が守ります! という歌子の姿勢は、とてもかっこいいと思いますね。
Q:高島さんとの共通点は?
共通点はね~。ない!(笑) 本当に。でも、歌子のようになりたいかというと、私には結構、難しいというか……。自己主張できないしね(笑)。でも、目に見えないところで、心の中の面では共通点があったらいいなと思います。
Q:歌子を演じる上で気をつけたことはありますか?
歌子の出番はそれほど多いわけではないんですけれども、それだけにインパクトの強いせりふが結構あって、ちょっと間違ってしまうと説教くさくなる可能性もあったんです。子供を亡くしていない歌子が、お子さんを亡くした人に対してかける言葉も、ちょっと言い方を変えると、ただの余計なお世話に聞こえてしまうせりふもあったんです。でも、歌子の優しさや思いやりを大切にして、余計なお世話にならないように、気をつけました。監督は芝居に注文を多くする方ではなくて自由にやらせてくれました。なので、一度芝居をしてみて、気になるところは監督とちゃんと話し合いましたね。
Q:松江所長のような男性は?
すてきな方だと思います。とても苦労を強いられて、厳しい幼少期を育った方なのに、優しい心を持っているから。子供に対しては、眉間にしわを寄せて……というイメージはあるんですけれども、それは怖いというより、堅い感じなんです。その中に真面目な幼さがあるという、魅力的な男性ですね。

■ドイツ人俳優との撮影
Q:ドイツ人の俳優がたくさん参加していましたが、ドイツの俳優の方々との交流はありましたか?
私は、板東収容所の最後のオーケストラの場面でご一緒しただけでしたが、皆さんとてもフレンドリーですね。向こうの方たちは語学の習得能力が高いのかな? せっかく日本に来たんだから日本語を覚えようという気持ちが高いのか、私が合流したときには、結構日本語をしゃべれる方が多くなっていて、日本語でコミュニケーションをとってくれるんです。私のほうは遠慮したところがあったんですが、皆さんのほうから話しかけてくれました。
Q:ラストシーンでの生の「第九」はいかがでしたか?
あれは鳥肌が立ちましたね。ちょうど風の強い日だったんですが、音楽が風に巻き込まれるような。私は野外でクラシックを聞いたのは初めてです。もちろん、歌子も初めてだったんですが、リアクションがないんですよね、あまりの感動で。本当だったら、もっと「エッ!」ってオーバーリアクションがあっても良かったんでしょうが、あまりにも素晴らしすぎて、幸せな気分になって、初めて聞く歌子にしても、高島にしても心地よく聞くことができたんです。

                               
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■国境、人種を超えた愛情
Q:収容所というと、たとえば、イラクでアメリカ兵が虐待していたりとかそういうイメージが強いですよね。板東収容所のような温かい収容所が実在したということは本当に驚きですね。
ねー! いいですよ、本当に。実際に自分の子供たちとかだんなさんが戦死しているような状況下で、人を許すことができる、優しくしてあげられるという感情は素晴らしいと思います。もちろん、それに応えているドイツ人の方たちがいて、戦争中だからこそ、言葉を超えたというか、温かいきずなみたいなものを感じることができました。
Q:歌子は、志をちゃん(ドイツ兵の父と日本人の母を持つ少女)をまるで我が子のように温かく接するじゃないですか? あの当時の普通の女性はあそこまでの態度は取れないんじゃないですか?
そうですよね。しかも、父親がドイツ人っていうのは当時とても珍しいし、あの時代では、現実にはなかなか受け入れられなかったと思うんです。でも、歌子は幼くして戦争の重みを背負った子をかばってあげなくちゃ、いえ、かばってあげるべきと感じたんでしょうね。

■理想の女性を演じる
Q:松平さんと共演されていかがでしたか?
松平さんは、私が女優の道を歩むことになった機会を築いてくださった方なんで、そういう方とこんな素晴らしい作品で共演できるということで、とても緊張していたんです。でも、こんなにいい映画だからこそ、私がちゃんと歌子を演じて、お客さんにこの映画の素晴らしさをきちんと伝えることが、松平さんへのお返しになるんだと、緊張を振り払って大事に演じました。
Q:第一次世界大戦を題材にしている映画はなかなかないですよね。映画でも第二次世界大戦の話はよく観るんですが……。
そうですよね。それに戦争映画というと、ボロボロになって……ってそんなイメージですよね。本当に悲しくて悲しくて大泣きしちゃうという戦争映画のイメージが定着していますよね。けれども『バルトの楽園(がくえん)』は、優しい戦争映画。本当に大泣きとかそんなのは期待しないでくださいね(笑)。でも心が温かくなる、優しい気持ちになる戦争映画です。
Q:高島さんが、女優としていつも心にとめていることはありますか?
いい人を演じようとするとあざとくなっちゃうので、そこに一番気をつけています。まさに、今回演じた歌子は本当にすてきな女性なんですよ。だから、それをあまりにも強く表現しすぎてしまうより、これは素直に私自身の理想の女性を気持ちで演じればいいのかなと考えました。後は、映画を観てくださる方が歌子の気持ちになって、自由に想像してくださればいいのかな? 映画って「ながら」で観るものでなく、お金を払って観てくださるものだから、観てくださる方に自由な見どころを作っていただきたいですね。

                               
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高島礼子というと、どこか色っぽくて、物静かな女性というイメージを描いていたが、インタビューで「私と歌子とは正反対」というほど、高島は明るく朗らかだ。おかしいときは大声で笑い、カメラには冗談半分におどけた顔でポーズをしたり、気さくで楽しい彼女は、一瞬にして場を楽しい雰囲気にしてしまう不思議な魅力の持ち主だった。そんな高島が、大正時代に生きる優しく、強い母を演じた『バルトの楽園(がくえん)』。この優しい戦争映画で、温かい感動を感じてほしい。
快乐时大笑,难过时痛哭

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 楼主| 发表于 2008-4-3 16:51 | 显示全部楼层
YUI、塚本高史
『タイヨウのうた』

                               
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取材・文:FLIXムービーサイト 写真:秋山泰彦
『タイヨウのうた』で切ない恋を演じた塚本高史とYUIが、2人一緒にインタビューに応じてくれた。取材部屋に、スタッフと一緒にゲラゲラ笑いながらにぎやかに登場した塚本と、緊張しながらも静かに入ってきたYUIは、まさに映画の中の“孝治”と“薫”のキャラクターそのもの。そんな2人が、本作での撮影秘話や“孝治”と“薫”の切ない恋について語ってくれた。
■現場を楽しむ主義
Q:まず、この『タイヨウのうた』の脚本を最初に読まれたときの感想をそれぞれお2人にお願いします。
塚本:僕は設定上、高校生というのがあって、まず、そこで大丈夫かな? というのがありました(笑)。お話的にはXP(色素性乾皮症)っていう障害があったりとか音楽がベースになっていたりとかするんですけど、なんかね……湿っぽくない、淡いラブストーリーっていうイメージが全体を通してあった感じです。
Q:YUIさんは?
YUI:ハイ、今(塚本さんが)言われたような感じですね。
塚本:同意見ですか?
YUI:あっ、ハイ(笑)。
Q:では、撮影前のお互いの印象はどうでしたか?
塚本:ミュージシャン「YUIちゃん」という感じだったので(笑)。でも、地元の方で路上(ライブ)をされているというお話を聞いていて、僕もギターとか弾くので親近感はありました。音楽が好きで、ギターの好きな女の子っていうイメージでした。実際に会って、撮影に入ってからは、イメージが変わったというより、いろいろな感性を持っている子という感じでしたね。
YUI:わたしはお会いする前に、雑誌を読んだり、インタビューを読んだりしていたんですが、「現場を楽しむ主義」みたいなことが書いてあって……。実際に撮影が始まってからも、面白いことを言ってリラックスさせてくださったりしましたね。

                               
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■自然体が印象的
Q:初めての演技だったYUIさんに、塚本さんから緊張をほぐすために掛けてあげた言葉はありますか?
塚本:いや、特にないですね。僕は、現場を楽しんでくれればいいなっていう感じで、勝手におチャラケていました(笑)。(YUIちゃんは)緊張していたという感じはなくて、すごい集中していましたね。まあ、初演技ということもあるだろうし。僕は僕で勝手に楽しんで、YUIちゃんは横で集中しているって感じでしたね。
Q:先輩の役者さんとして塚本さんの演技はいかがでしたか?
YUI:塚本さんが演技している姿を初めて見たのが、出会いのシーンだったんです。あのとき、もっと“演技演技”しているんだろうなって思っていたんですが、塚本さんがすごく自然体だったんです。それがすごく印象的でした。
Q:出会いのシーンでは、塚本さんがYUIさんに「ドーン」って突き飛ばされていましたが、大丈夫でしたか?
塚本:いや、結構力強くやりましたよね。
YUI:あの、リハーサルは本番ほどやらなくてもいいと思わなくて……。ずっと、リハーサル中も(本番のときくらい)押していたんです。それが申し訳なかったです。
塚本:いえいえ、ぜんぜん。熟年の人たちは(リハーサルのときは)手を抜いたりしますから(笑)。いいですよね。若さがあってそういうの。テストから本番の気持ちで……。
YUI:すみませんでした。
塚本:いえいえ(恐縮)、ぜんぜん大丈夫でしたよ。

■片思いのドキドキ
Q:踏み切りは薫と孝治の2人の思い出の場所という感じでしたね。
塚本:そうですね。踏み切りは、バス停の近くにあって、そこに孝治はいつもいて、薫はそこにいる孝治の顔を毎日見ていて。あそこで出会って、あそこで分かり合って……、ああいうキスシーンとかもあったんで、大切な場所ですね。
Q:「キュン」となる思いがすごく伝わってくる映画でしたが、演じていて実際に高まってくるというか、ドキドキしてしまうシーンとかありましたか?
YUI:走っているシーンですね。(笑)
塚本:え! それは「動悸(どうき)」ってことですか?(笑)
YUI:いや、薫としては、もう孝治と話しているときから、もうずーっとドキドキです……。付き合った後よりも片思いのときの方が、「あー、どんな人だろう?」ってドキドキしていました。
塚本:僕は、もう! あれですね。告白するシーン。あれはもう、高校生っていう設定ですけど、僕が実際、高校生や中学生のころでもあそこまで淡いことしたこともないし、名前を言って、趣味言って、付き合ってくださいってみたいなのは絶対なかったから、いろんなことを想像しつつ、ドキドキして告白しましたね(笑)。
Q:2人の恋は、どんな恋だったと思いますか?
塚本:悲しいラストですけど、孝治は薫の歌を残そうと一生懸命、頑張りました。ラストの表情を見てもらえれば、孝治が何かをまっとうした思いでいることが分かってもらえると思います。
YUI:薫にしてみれば、孝治っていう優しい人と恋ができて、幸せだったな……と。家族や、友達、恋人、いろんな人に囲まれて、やり切ったという感じがありましたね。本当に幸せだったと思います。

                               
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こちらの質問に、ポンポンと答えが飛び出してくる塚本と、ゆっくりと言葉を選びながら話すYUIの間には、なぜかとても心地のよい温度差があった。他人と他人とが出会って、恋に落ちるとき、自分が持っていない相手の温度に近づこうとする……。塚本とYUIの間に流れる温度差からは、そんなドキドキが伝わってくる。その温度差こそが、『タイヨウのうた』を観ているときに、スクリーンに流れていた特別な空気のように感じられた。写真撮影のときに「目を合わせてください」と言われて戸惑うYUI。そして、そんな彼女に対して「おれ、こっち見るから、YUIちゃんはおれのほう見れば、視線あってるように見えるよ!」とさりげなくフォローする塚本。そんな2人は映画同様、頼りがいのある“コージ”と優しい彼に守られる“薫”の姿だった。



瀬戸朝香
『BLACK NIGHT ブラックナイト』

                               
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取材・文:福住佐知子 写真:田中紀子
Jホラーのハリウッド進出に加えて、アジアンホラーが世界の注目を浴びている中、香港、日本、タイによるオムニバス形式のホラー映画が作られた。現在アジア7か国、200館以上で順次公開中だ。日本編「闇」でヒロインを演じた瀬戸朝香に、撮影秘話や、女優、そして1人の女性としてどのような日々を過ごしているかを聞いてみた。
■心理的な演技が求められる難役
Q:心に闇を持つという難しい役を演じられましたが、役作りで大変だった点は?
小さいころに経験した出来事がトラウマになって、それ以来、架空の生物を作りあげてしまい、大人になってからは悪夢を見続けるという役でした。心理的な感情を表現するのが難しかったですね。
Q:絶叫するシーンが多かったのですが、何を考えて演じたのでしょうか?
最終的に出てくる架空の生物はCG合成になるのですが、亡くなったお母さんの幻覚を見てしまうシーンでは、実際に髪をぬらして顔を白く塗ったお母さん役の人が現場にいて、独特の雰囲気がありました。「いたら怖いだろうな」という自然な感じで「キャーッ」と絶叫することができました。
Q:小さいころヒロインのように、イマジナリーフレンド(架空の友達)を作った経験はありますか?
上に兄と姉がいて、姉とはお人形遊び、兄とはクワガタを採りに行ったり、サッカーボールをけったりして両方の遊びに付き合っていたので、1人で遊ぶということはなかったですね。悪夢も見ていません(笑)。
Q:本作は香港、日本、タイの3か国のホラーがオムニバス形式で製作され、世界公開されるわけですが、このような試みをどう思われますか?
最初は企画自体に魅力を感じました。今までにないスタイルですし、ぜひやりたいと思って出演を決めました。ホラーというテーマが国内外でも注目されていて、面白いものができるんじゃないかなという確信もありました。

                               
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■ホラー映画は観るより作る側専門
Q:ホラーへの出演が続いていますが、瀬戸さん自身、怖いのは大丈夫ですか?
観るのは得意ではないのですが、作る側としては平気です。最初、台本を読んだときはさすがに怖かったのですが、どうやったら怖くなるだろうかとか考えながら演じると楽しかったです。でもホラーは表情のお芝居になるので、目力の強さだとか、ポイントポイントでは難しかったですね。
Q:独特な映像で迫る秋山貴彦監督とは、初めてお仕事をされたわけですが、どんな方でしたか?
監督自身が服装なども含めて独特な感じを持っている方でした。最初、衣装合わせでお会いしたときに、こういうシーンではこういうイメージで、このシーンはこういう感じでとこだわりを持って細やかに説明してくださいました。現場に入ってからは、意外と自由にやらせてくださって、撮影自体はすんなりいきました。CGの得意な監督なので、撮影が終わった後は「仕上がりを楽しみにしています」とプレッシャーをかけてしまいました(笑)。
Q:婚約者役の柏原崇さんの印象はいかがでしたか?
柏原さんは「撮影に入ると結構集中しちゃうんだ」と言われていました。30分ちょっとの映画なので、撮影期間が短くて1週間ぐらい、仲良くなる前に終わってしまいましたね。

■美の秘訣(ひけつ)は自分だけの時間を持つこと
Q:普段女優して気をつけていること、女性として興味のある事を教えてください。
(「なんだろうな~」と大きな瞳をくるくると動かして魅力的な表情で少し考えてから)
そうですね、美容関係にはまっています。わたしくらいの年齢になってくると、いいプロポーションを保つために、結構気を付けているんですよ。
Q:身長168センチ、すらりとしたスタイルを保っている瀬戸さん、やはり日々の努力があったんですね。どんな時間を過ごしている自分が好きですか?
自分の時間を自分なりに使って、ゆったりと過ごすのが好きです。オフの日はのんびり独りでいることがほとんどです。友人と会ったりもしますが、独りの時間を楽しむのが好きです。
Q:ドラマ・舞台・映画と多方面で意欲的に活躍中ですが、性に合っているお仕事は?
それぞれが楽しくて、お芝居することについては変わらないのですが、かける時間や作り方は違ってきます。3、4か月、スタッフや共演者の方たちと毎日顔を合わせるドラマでは後半になって時間に追われて撮って出し状態になったりもしますが、あわただしい緊張感があって、それはそれで好きです。映画は何か月かの時間をかけて、テストもみっちりやって、本番も何パターンも撮ってみたり、じっくり時間をかけて撮るのであとで、後悔することが少ないですね。
Q:多くの人たちと一緒に作品を作り上げていくことが好きなんですね?
好きです! 最初は慣れなかったんですよ。たくさんの人の中でお芝居するのが恥ずかしかったし、自信もないので不安を抱えながら演じていると、なかなか思うような演技ができなくて……でも、最近はだいぶ自信もついてきました。わたしより年下の子も増えてきたので、その子たちがリラックスした現場に来られるような環境を作ってあげたい……なんて考えていますね。わたしは人見知りだったんですが、なるべく自分から話すようにしています。女優になって自分自身すごく変わったと思います。

                               
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■今までとは違った新しい役への挑戦
Q:今後やってみたいと思う役はありますか?
今まで、わりと芯の強い女性の役が多かったので、なんか笑えちゃうようなコメディータッチの作品をやりたいと思っています(笑)。年齢とともに母親役とかも増えてくると思うので、そんな役もこなせればいいなと思います。
Q:最後に観客の皆さんへのメッセージをお願いします。
この作品は3か国のホラーが一度で楽しむことができます。テンポの速い香港から始まって、日本は心理的に怖いし、タイはちょっと考えさせられ、後で盛り上がるような仕上げになっていてバランスよく観られると思います。ホラーが苦手な方も、得意な方と一緒に観て楽しんで欲しいと思います(笑)。

すらりとしたスタイルに、色白の肌、くるくると表情を変える大きな黒目がちの瞳。女性なら誰もがあこがれる美ぼうの持ち主である瀬戸朝香だが、彼女の素晴らしさはその外見だけではなかった。しっかりとした意見を持ち、はきはきとインタビューに答える姿や、後輩への気配りをうかがわせるエピソードなど、まさに“姉御”という言葉がぴったりだ。これからもキレイでかっこいい=“キレカッコイイ”女優として、女性たちのあこがれの的であり続けて欲しい。


長澤まさみ、妻夫木聡、土井監督
『涙そうそう』

                               
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取材・文・写真:FLIXムービーサイト
森山良子が、他界した兄を思い作詞した名曲「涙そうそう」をモチーフにした同名の映画ができあがった。「涙そうそう」は「なだそうそう」と読み、「涙がぽろぽろとこぼれ落ちる」という意味。そのタイトル通り、妻夫木聡と長澤まさみが切ない兄妹愛を演じる。沖縄が梅雨明けしたばかりの6月24日、映画のクランクアップを前に妻夫木聡が一足先にすべての撮影を終え、ヒロインの長澤まさみから花束を受け取った。その妻夫木聡と長澤まさみ、土井監督が2か月間の沖縄での撮影についてや、お互いの印象などを沖縄・伊是名島で語った。
■長澤、妻夫木、2か月沖縄に滞在
Q:沖縄に長く滞在して撮影されたそうですね。
土井監督:2か月間、スタッフと妻夫木、長澤と沖縄で過ごしました。現地のスタッフともふれ合って、自然に囲まれて、現場にはいい空気が生まれました。その結果、いいものが撮れたと思います。撮影に入った最初は梅雨だったので、天候もあまりよくなかったけど、ポイント、ポイントできちんとしたものが撮れたと思います。
妻夫木:2か月間こっちにいてまだ、終わっていないような気がするな。毎日充実していたと思います。長澤さんや地元の人たちとふれ合えて温かい映画ができたと思います。
長澤:温かい映画になっていると思います。ひとつの場所に2か月もずっと一緒にいて、みんなで合宿のように過ごせたのがすごく楽しかった。作品も温かい愛に包まれた映画になったと思います。わたしは以前から、男女を問わず年上の人が好きで、本当のお兄ちゃんもいるけど、妻夫木さんがお兄さん役で、本当にもう一人お兄ちゃんができたみたいでした。
Q:本作では兄妹愛を描いていますが、ご自分の本当の兄妹と比べていかがでしたか?
妻夫木:僕は妻夫木家の末っ子で……ずっと弟か妹……特に妹がほしかったんですが、親が頑張ってくれなくて(笑)……(土井監督から「家族の頑張り」とかじゃなくて、自分自身のことでしょ! とつっこみ入る)。今回の映画は兄妹愛がテーマだったので撮影前から楽しみで、早く長澤まさみちゃんに会いたいとずっと思っていました。でも、たまに僕が弟みたいになっていることがあったかな(笑)。

                               
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■夜は酒を飲む監督と妻夫木
Q:長い期間に渡っての撮影でしたが、休日は何をして過ごしていましたか。
妻夫木:夜、酒を飲んだくらいですかね。僕は仕事でどこかリゾート地へ行っても、遊ぶ気持ちにならないんですよ。
長澤:休日はマネージャーさんと出かけたりしていました。水族館に行ったり、なんとなく満喫していました。
監督:夜は酒を飲んでいました。今回は現場がすごく楽しかったので、ほかに何をするでもなくそれで十分でした。
Q:監督はどんな人でしたか?
妻夫木:監督とは「オレンジデイズ」からのお付き合いですが、一緒にやっていて心強い監督です。とても信頼しているので、すべてを預けても大丈夫な人だと思っています。
長澤:わたし、最初監督に嫌われているのかと思っていました。だって冷たかったので……(笑)。目を合わせてくれなかったし……。でも、そのうち、用事はないけど、なんとなく、そばに行きたくなるような人だと思い、何気なくそばにいました。とても安心感がある方です。
監督:まさみちゃんとは年が違いすぎるので、あんまりなれなれしくして、変なおじさんと思われるのも嫌だったから……。
妻夫木:お互い人見知りだからじゃないの(笑)……。始めのうちは(僕とも)目を合わさないんだもん(笑)。

■沖縄ではマイペースでいられる
Q:気温が暑いなかで大変だったのでは?
妻夫木:あんまり大変だとは感じなかったです。もちろん、暑さは今だって感じていますけど、来る前からそれはある程度は予想していたし。それに暑いほうが自分は沖縄にいるんだと役に入り込めて気分も盛り上がったと思います。
長澤:大変は大変だったけど、リラックスをしているときは楽しかったので。自分としてはオンとオフがはっきりしていたように思います。とにかく現場が楽しかったですね。
Q:沖縄の印象を教えてください。
妻夫木:沖縄には修学旅行で来ただけなのでよく知らなくて、もっとハワイのようなリゾート地かと思っていました。でも、実際は想像とぜんぜん違っていて騒々しくないし、マイペースで時間を作っていけてすごく居心地よかった。
長澤:1年に1度は仕事で来ていて、前にも宮古島で撮影をしたことがあるので第2のふるさと、という感じです。温かい雰囲気の場所で、何度も来たくなります。

                               
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■毎日一緒にいられて楽しかった
Q:撮影を通して感じたことは? 特に印象に残ったことがあったら教えてください。
長澤:みんなの笑顔(笑)。19歳の誕生日が撮影中にあったことも印象に残っています。
妻夫木:まさみちゃんとはずっと前から共演したいと思っていました。だから、毎日まさみちゃんと一緒にいられることがすごく楽しかった。そして想像したとおりの人でした。
監督:前からこのコンビで一緒に仕事がしたかった。彼らがどうやって自由に動けるかがテーマでした。そして、期待どおり2人とものびのびと動いてくれて、とてもいい結果につながりました。
Q:この2人で別の設定で撮るのはどうですか?
監督:いいですね。ぜひ、撮りたいです。
長澤:夫婦がいいかな。
監督:恋人じゃなくて?
長澤:うん、夫婦。
妻夫木:くっついたり、離れたりしなくていいんだ(笑)。いきなり夫婦で!

■すばらしい役者
Q:最初に合ったときのお互いの印象と今の印象を教えてください。
妻夫木:僕が演技のことをどうこう言える立場じゃないけど、彼女の演技はすばらしいです。すばらしい女優さんでした。心でぶつかってきてくれるんです。
長澤:妻夫木さんとは、ずっと共演したいと思っていました。妻夫木さんに対して、テレビやいろいろなところで感じていたのは「役者はおれの生きる道だっ!」って全身で表現しているようなイメージがありました。この世界で、すごく生き生きとしている俳優さんだとずっと思っていました。共演してみて、やはりその通りで、わたしが思い切りぶつかっていって、もきちんと受け止めてくれる役者さんでした。
Q:この映画を楽しみにしている人たちにメッセージをお願いします。
妻夫木:森山良子さんの作った曲がモチーフになっているのですが、今日こうやって撮影を終えてみてまたあらためてこの曲を聴いてみようと思いました。新たに心に伝わってくるものがあると思います。映画と同時にこの曲の世界観も楽しんでいただきたいと思います。
長澤:そばにいる人にやさしくしたくなる映画です。世代を問わずに楽しんでもらえると思います。そして、温かい気持ちになれると思います。
監督:ポピュラーソングがモチーフになっている映画なので、広い世代の人に受け入れてもらえると思います。そして、男と女の微妙な愛情にも注目してください。

                               
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いろいろなイケメン俳優と共演している長澤まさみだが、妻夫木と2人で並んだときに、いままでのどの俳優といるよりも自然で、一番似合っているという印象を受けた。見た目の美しさでバランスがとれているのはもちろんだが、流れている空気感のようなものが共通しているからかもしれない。「楽しい現場だった」と監督や長澤が言うようにクランクアップの日の現場もカメラが回っているときの緊張感をのぞくと、なごやかな雰囲気に包まれていた。監督がコメントを求められ言いよどんでいるときに「じゃあ、僕が先に言います」とさりげなくフォローする妻夫木のムードメーカー的な存在は大きい。その妻夫木に「全面的に信頼されている」土井監督と「すばらしい女優」と言われる長澤と、3人の強いきずなが見えた取材だった。




オダギリジョー
『ゆれる』

                               
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取材・文:FLIXムービーサイト 写真:田中紀子
動画 [ 再生(1Mbps) | ご利用ガイド ]
家族の崩壊と再生をシニカルに描いた『蛇イチゴ』で注目を集めた西川美和監督の最新作、『ゆれる』が7月8日より公開される。主演はオダギリジョーと香川照之。信頼していた兄にかけられた殺人の容疑。自分の中で次第に深まっていく兄への疑惑にとまどいながらも必死に信じようと苦悩する弟を、オダギリジョーが繊細な演技で観客の心を"ゆらす"。男として、弟としての揺れる心を、見事に演じ切ったオダギリジョーが監督や、息の合った演技を見せた共演の香川照之について語った。
■非の打ちどころがない、完璧な脚本
Q:オダギリさんが演じられた“猛”という役柄のどんなところに引かれて出演を決められましたか?
役に引かれた部分もあったんですが、監督と脚本に引かれた部分も大きくて……。言葉が簡単すぎて申し訳ないんですが、脚本の完成度が本当に高くて非の打ちどころがない本だったので、これはぜひやりたいと思いました。
Q:西川監督は、脚本もご自身で書かれていますが、既存の脚本を使った監督とはどのような違いがありますか?
すでにある本で監督をするというシチュエーションの場合は、どの部分を監督がどう感じて、それを作品にしたいのかということが、まず入ってくると思うんです。それに対して、監督自身によって書かれた脚本は、監督がその世界を1番分かっているので、役者の方にも委ねられる。だから作品を選ぶときは、基本的に、監督が自分で書いたという脚本を選んでしまいますね。

                               
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■ひとりっ子だからこそある、兄弟へのあこがれ
Q:女性監督ならではの描き方と思われたところはありましたか?
脚本の時点でたくさんあったのですが……多分、僕の勝手な憶測なんですが(笑)、 きっと、西川監督が過去にお付き合いされた男性像っていうのが、猛に入っているのかもしれないなあ……と。だからといって、監督自身が、真木さんが演じた智恵子みたいな存在だったかは分からないですけど。智恵子が料理を作ろうとして冷蔵庫を開けたら、傷んだ野菜ばかりが残っているとか、「猛くんが嫌いなのって、しいたけだよね?」って昔の彼女からそう言われることは、やっぱり男からしたら怖いわけですよ。そういうところは、改めて女性的だと思う反面、とても男心が分かっているなあと思いましたね。
Q:本作『ゆれる』は兄弟の微妙な関係を描いた映画ですが、オダギリさん、兄弟はいらっしゃいますか?
いえ、ひとりっ子なんです。でも、兄弟がいないからこそ、兄弟に対するあこがれもあったし、理想や希望もありましたね。実際、兄弟の関係性を想像したときに、僕はなんとなく気持ち悪く感じたんです。流れている血の似ている人が、もう1人いるっていうことがなんか怖い気がして……。希望や理想の反面、恐怖とまでは言わなくても、どことない居心地の悪さ、不思議な感覚でしたね。ですから、兄弟を演じた上で一番大切だったのは、友達でもなく、親でもなく、深いのか浅いのか、そんな関係性を作り出すということでしたね。

■香川さんは大切な支え
Q:香川さんとの共演はいかがでしたか?
大先輩ですからね。いつか共演させていただきたいと思っていた方なんで、それがほかの作品ではなくて、この『ゆれる』で兄弟役をやらせていただいたことが、本当に意味があったと思うんですよ。自分から見ても、香川さんと僕の兄弟はタイプがぜんぜん違うように見える。だから観ている方に最終的な落としどころとして「兄弟なんだな」って思ってもらえるか……不安でもあったけど、そこにすごく期待していました。僕は、普段から香川さんの作品を観ていて、作品に対しての思いを毎回感じ取っていけたし……香川さんが持つまじめさ、情熱、誠実さに引かれていたので、すごく一緒に仕事がしたい方だったんです。実際、香川さんは、現場でも周りをよく見ていて、たとえば、僕との関係性の作り方とかも、香川さんがいろいろと考えてくれて、現場も香川さんが1番張り切って、引っ張ってくれていた気がします。香川さんなしではこの作品が、完成しなかったんじゃないかと思うくらい大切な支えでしたね。

                               
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■ゾクゾクするシーン
Q:お2人だけのシーンで、1番白熱したシーンはどこでしょうか?
家に帰ってくると兄が洗濯物をたたんでいるシーンがあるんです。そこで、お互いを探り合いながら話すんです。そこは、台本を読んでいるときから1番好きなシーンだったので、香川さんがどんなふうに演じてくるのかなって、とても楽しみだったんです。現場でも監督や香川さんと盛り上がりながら撮影していったので……。あのシーンは本当に、ぞくぞくするようなシーンでしたね。

『メゾン・ド・ヒミコ』『ビッグ・リバー』など、オダギリジョーの作品選びには、いつもセンスのよさが感じられる。彼の持つ独特のセンスに共鳴した役者、監督が、彼に引きつけられるように集まって、個性的な作品が続々と生まれているのではないか……オダギリジョーの話を聞きながら、そんなことが頭に浮かんだ。『ゆれる』、そして秋に公開される『パビリオン山椒魚』と色の濃い作品が目白押しのオダギリジョー。俳優として、作品を選ぶ力も、監督の期待に呼応する演技力も着々と伸ばし続ける彼に、大いに期待していきたい。


上野樹里
『笑う大天使(ミカエル)』

                               
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取材・文:平野敦子 写真:FLiXムービーサイト
『スウィングガールズ』『亀は意外と速く泳ぐ』『サマータイムマシン・ブルース』と立て続けに話題の映画に出演し、すっかり売れっ子になった上野樹里。そんな彼女の最新作『笑う大天使(ミカエル)』は笑いあり、感動あり、そしてぶっ飛びのアクションありのスーパーエンターテインメント作だ。本作で彼女は、訳あって超お嬢様校・聖ミカエル学園に転入した主人公史緒を元気いっぱいに演じている。せりふとは別の“心の声”を関西弁で語り切った彼女に、本作での苦労話などを聞いてみた。
■夢はエステとジャグジーのお風呂
Q:ごく普通の女の子がいきなり大金持ちのお嬢様になるという役でしたが、もし自分が実際にそうなったら何をしたいですか。
わたしはまだやったことないのですが、エステとかジャグジーのお風呂とか、めっちゃ入りたいですね。
Q:上野さんの関西弁の独白がすごく面白かったのですが、標準語のせりふと関西弁ではどちらがやりやすいですか。
周りがみんな標準語を話していて、その中で独り関西弁を話すというのは、周りもつられるし、こっちもつられるので大変ですね。みんな関西人という役だったら簡単なんですが。
その中で関西弁を話すというのはある意味難しいですね。
Q:関西の人は、アクセントが残ったりするんですが、上野さんはあまりないですよね。
でも、仕事でずっと関西弁を話していると、今でも無意識に関西弁が出ていることがあるから。こっちに来てから標準語を話すようにはしましたけど、けっこう調子に乗ってしゃべりだすと関西弁が出てきたり、怒っているせりふとかでも途中から関西弁になったりします。
Q:せりふでNGはなかったんですか。
平愛梨ちゃんが同じ兵庫県出身なんです。わたしが関西弁で話しかけると、方言につられて標準語が分からなくなっちゃうときがたまにあって、申し訳なかったって思っています(笑)。

                               
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■庶民派の上野樹里
Q:映画では一般庶民の子が“お嬢様”になったという設定ですが、ご自身は庶民派なのでしょうか。
庶民派なんだと思いますね。高級食材とか、高級マンションとか、ブランドとかもぜんぜんこだわらないので。気に入った物があったら買う……みたいな。なので庶民派だと思います。
Q:伊勢谷友介さんが大金持ちのお兄さん役で、2人の息がすごく合っていてよかったのですが、彼との共演はいかがでしたか?
そうですね。ルックスもわたしはちょっと田舎っぽい古風な感じがあって、伊勢谷さんは美男子で、かっこいいので(役に)ぴったりだと思います。待ち時間のときなんかはすごく面白い方なんですけど、本番になると急にガラッと変わって一臣になりきるので、「すごいなぁ~」と見ていたんです。キマってるんですよね、すごく。
Q:好きなシーンとか、ここは絶対に観て欲しいというシーンはありますか?
アクションは楽しくて、かなり面白かったですね。3日間だけで短い付き合いだったけど、ワイヤーもたくさん使わせてもらって。それはもう自分って「やればできる!」と思わせてくれるんです。

■体を張ってアクションに挑戦!
Q:運動神経はいいほうなのですよね。
昔、陸上部でしたけど、そんな……もう何年経っているか! でも体を動かすのは好きですね。ただ、決められた動きをしないといけないし、自由に暴れていいわけじゃないから(笑)。振り付けしてもらって、それを覚えてすぐ「アクション!」です。
Q:ケガとかはしなかったんですか。
気付いたら青たん(青あざ)がいっぱいできていたりとか。全身が筋肉痛になっていました。朝から夜中までずっとスタジオでブルースクリーンをバックに撮っていたんで体が痛かったですね。
Q:危険なシーンはなかったのでしょうか。
危険ですよ。ワイヤーなしでやる芝居で、「朝一で明日撮るから、今日はもう0時回っているし、リハーサルだけやって帰ろうか」ってことになって。よーい、スタートでスタントの人が見せてくれるんですよ、。もう、どういう仕組みになってそうなったのかがよく分かんないんですよ。一応相手の腰をつかんで自分が逆さになって倒立して、足をこう首に引っ掛けて振り回されてぐいーんとなると言われたんですけど。最後は首がグキッとなって、なんか一瞬呼吸ができなくなってしまって……怖かった。「危ない、この技」と思いました。でも谷垣さんをすごく信頼しているし。わたしにできる範囲の技をそこで作ってくれたんですね。絶対やりたいからもう一度やってみて、できました。相手の方がプロの方なんで、自信を持ってやれて楽しかったです。

                               
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■自分自身の可能性については意外と……。
Q:コメディー作品への出演が多いですが、今後恋愛映画などへの出演もあるのでしょうか?
そうですね。まぁ、そろそろ20歳にもなりますしね。これからそういう映画との出会いもあるのか!? 分からないですけどね。まぁ、これだけやっていきたいというのも特にないですし。いろいろなものをやっていきたいです。
Q:まだまだ可能性はいくらだってありますよね。
いやぁ~、ヤバいんじゃないですか、このままやっていたら。可能性は広がるのか!? いや、広げないといけないんです。けっこうネガティブになるんですよ、こうやって考えていると。病んでいくんであまり考えないようにして……。
Q:では、最後にこの映画をご覧になる観客の方に一言メッセージをお願いします。
なんて言えばいいんだろう! 急に分からなくなるんだよね。あぁ、じゃぁこれ読みます! 「フツーの女子高生が、ウルトラスーパーお嬢様学園に入学!?」(とポスターの宣伝文を読み上げる)。ここからいろいろ始まっていく訳ですけれども、今までにないジャンルっていうか、ひとつにはくくれない、なんか絵本の世界とかファンタジーみたいな、メルヘンチックな。これを男の人が撮ったのかとか思うぐらい、すごくかわいらしくてあったかくて優しい作品になっています。その中にコメディーもあれば、ほろっと切ない兄妹愛っていうかそういうのが描かれていて、いろんな要素が入っていて、最後にアクションがあって。後半からどんどん展開が面白くなっていくという気がします。本当に映像はきれいなのでぜひ観ていただきたいです!

とてもかわいらしいルックスとは裏腹に、自分の言葉で元気に受け答えする上野樹里。負けん気が強く、とてもがんばり屋なのが言葉の端々から伝わってくる。今後も『出口のない海』や『幸福(しあわせ)のスイッチ』など次々と公開作が控え、女優としての可能性は未知数だが期待度は高い。にもかかわらず、いろいろと悩んでしまうあたりが彼女の魅力だ。これからも自分らしさを失わず、型破りな女優、上野樹里として新たな成長を遂げてもらいたい。


角川春樹、反町隆史
『蒼き狼 地果て海尽きるまで』

                               
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取材・文・写真:シネマトゥデイ
松竹映画史上最高となる製作費30億円を投じた超大作『蒼き狼 地果て海尽きるまで』が、2007年3月3日より公開される。モンゴルの英雄チンギス・ハーンがモンゴル帝国を築くまでを描いた本作は、主演のチンギス・ハーン役に『男たちの大和/YAMATO』の反町隆史、監督は『時雨の記』の澤井信一郎、プロデューサーには角川春樹を迎え、壮大なスケールで撮影中だ。モンゴル政府からの全面協力を得て、すべてモンゴルで行なわれている撮影現場を取材した。
■松竹映画過去最大規模のモンゴル取材を敢行
角川春樹事務所と配給元の松竹が、大規模な撮影現場訪問を敢行した。7月14日(日本との時差なし)から2泊3日のスケジュールで行なわれた取材には、マスコミと関係者を合わせた総勢約200名が招待された。
撮影はモンゴルの首都ウランバートルからバスで1時間半ほど離れた、ウンドルドフ(即位の丘とも呼ばれる)と呼ばれる大平原で行なわれた。辺り一面緑が茂る大地が広がり、馬や羊の群れ、ゲル(遊牧民が住む移動式の住居)が点在する広大な風景は圧巻。標高1300メートルの高地だけあり、雲が低く、澄みきった青い空がとてもまぶしかった。
今回取材したのは、クライマックスとなるシーン112で、チンギス・ハーンがハーン(皇帝)の称号を授かる戴冠式のシーンだ。このシーンには、反町隆史、若村麻由美、菊川怜、袴田吉彦のほか、モンゴル国軍兵士とモンゴル国民2万人がエキストラで参加し、日本映画史上類を見ないほど大規模な撮影となった。

                               
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■“エンペラー角川春樹”見参!
戴冠式のシーンを撮影する2日間に限り、澤井監督に代わり、角川春樹自らが監督を務めた。角川は27年前にモンゴルを訪れ、なぜだか「おれはチンギス・ハーンの生まれ変わりだ」と感じ、いつの日かチンギス・ハーンを題材にした映画を撮りたいと切望していた。
作品への並々ならぬ思い入れと、過去に『天と地』で大規模な戦闘シーンの撮影を成功させた経験から、「この壮大なシーンを撮影するには、技術的な力だけでは解決できない。必要なのは気迫だ! できるのはおれしかいない!」と自信満々に語った。監督やプロデューサー陣も「モンゴル人のエキストラ2万人を統率できるのは“エンペラー角川春樹”しかいない!」と話し合いで決定したそうだ。
当日は、上下カーキ色の服にサングラスと帽子をかぶった姿で撮影に臨み、照りつける日差しの下、しきりにモンゴル語の通訳に向かってエキストラたちへの指示を出していた。セットの一番高い位置から、すべてのキャストやスタッフたちを把握しつつ撮影を進める姿は、まさに“エンペラー角川春樹”ここにあり! といった印象を受けた。

■過酷極まる撮影現場の様子
現場にいる撮影スタッフは、30度近い気温と夜10時近くまで落ちない日差しに照らされ、男性スタッフは真っ黒に日焼けし、女性スタッフは帽子に長袖と完璧な日焼け防止対策を余儀なくされていた。さらに現場を過酷にしている要因は、気温だけではなく、平原中に散らばっている馬糞(ばふん)にもあった。乾燥した気候により乾いた馬糞(ばふん)が、馬の走行や風によって巻き上げられ、その空気を吸うことでノドの炎症を起こすスタッフやマスコミが続出した。その症状はスタッフの間で“馬糞症”と名付けられていた。
見渡す限りの大平原に戴冠式のセットが建てられ、“蒼き狼”と描かれた青いスタッフTシャツを着た撮影クルーたちが見守る中、何度も何度もテスト撮影が繰り返された。大天幕に設けられた金の玉座の前には、白いカーペットが敷かれ、その両脇にチンギス・ハーンの家族や親衛隊の兵士、太鼓奏者や踊り子、本物のモンゴル国軍兵士ふんする騎馬隊が陣取った。取材クルーたちは撮影の邪魔にならないよう、少し離れた場所からの取材しか許されないほど、現場にはぴりぴりとした緊張感が漂っていた。

                               
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■2万人のエキストラがいてこそ実現した迫力の映像
2万人のエキストラは “デール”と呼ばれる民族衣装を身に着け、朝の10時ごろからバス140台とミニバン450台によって次々と現場に到着し、2万人すべてがそろうまでにおよそ3時間かかった。
撮影されたシーンは、反町ふんするチンギス・ハーンが戴冠式のために集まった家来や群集たちに向かって、高らかと即位宣言をするシーン。反町が「モンゴルの夜明けに旅立つ蒼き狼の行方をー!」と叫び両手を空に掲げたのを合図に、エキストラたちが一斉に「ホエラー(=バンザイの意)、チンギス・ハーン」と合唱した。大合唱が大平原に響き渡る様は、本物だからこそ味わうことのできる臨場感にあふれ、圧巻の一言に尽きる撮影風景だった。
撮影を終え、角川は「反町にもわたしにもチンギス・ハーンが乗り移ったような感覚を覚えた。満足いくシーンが撮れた」と撮影に関わったスタッフに向けて感謝を述べた。反町も「チンギス・ハーンの偉大さをより一層感じることができた」と感激した胸の内を語った。撮影後、水を配るトラックにエキストラ群がり、一時現場が騒然となる一幕もあったが、大事件に発展することもなく大成功のうちに幕を下ろした。

■自然に抱かれながら開催された記者会見
取材に訪れたマスコミ向けのミニ記者会見が、モンゴルの青空と緑の大平原をバックに行なわれた。ホテルの会場で行なわれる会見とは違い、作品同様にスケールの大きい会見となった。会見には、角川春樹監督のほか、キャストの反町隆史、若村麻由美、菊川怜、Ara、袴田吉彦、野村祐人が撮影衣装のまま参加した。
人間味あふれるチンギス・ハーンを演じたいと熱く語る反町は「角川さんに『おまえ前より成長したな』と言われました。褒めてもらえたのはうれしいけど、実感はありません」とチンギス・ハーンの威厳たっぷりに語った。
女性陣に対しては紫外線対策についての質問が集中し、若村が「サンバイザーの上からUV仕様の布をかぶっています」と万全な日差し対策法を明かすと、角川が「鉄火面みたいだよな(笑)」と率直な感想を述べ、その姿を見たことのあるキャストやスタッフから笑いが起こった。

                               
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過酷な撮影状況の中、スタッフ、キャスト、モンゴル人、日本人すべての人々が一丸となり、全力で撮影に臨む姿を目の当たりにして、この映画に寄せる人々の思いを肌で感じることができた。戴冠式のシーンについては、映画史に残る名シーンとなることを確信するとともに、映画の成功を予感させる圧倒的な世界観を垣間見ることができた。

鈴木京香
『男はソレを我慢できない』

                               
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取材・文:シネマトゥデイ 写真:田中紀子
下北沢を舞台に、地元の人気者で自称DJのタイガーを演じる竹中直人が、ハイテンションに暴れまわるスーパー・コミカルな作品『男はソレを我慢できない』。『男はつらいよ』シリーズをほうふつとさせるこの作品で、浮世離れしたヒロインを演じたのは、鈴木京香。『陽気なギャングが地球を回す』に続き、個性的な作品に挑戦している彼女だが、本作では初めて歌も披露。色っぽいスタンダードなジャズナンバーを歌い上げた彼女に、撮影中の楽しいエピソードを語ってもらった。
■東京・下北沢が舞台
Q:作品への出演が決まった経緯を教えてください。
竹中さんがメールをくれて、「インディーズで小さな、かわいらしい作品を撮る監督がいるんだけど、出ませんか?」って誘ってくれたので出演を決めました。
Q:脚本を読まれた感想はいかがでしたか?
本当に小さなお話だったから、下北沢の“町が主役”の話かな? と思ったりして。いろいろな方がお出になるから楽しみでした。
Q:豪華キャストで、びっくりしたのですが、いろいろな世界のアーティストの方であったり、お笑いの世界の方であったり。現場はどういう感じでしたか?
なんだか、すごく面白かったです。下北沢にある神社の一角を借りて、撮影が始まるまで準備をしたり、待ったりしていたんですけど、夏休みの地区ごとにある子ども会みたいな感じでしたね。畳の部屋にみんなで集まって、思い思いに時間を過ごしているって感じで(笑)。

                               
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■下北沢でオールロケ
Q:鈴木さんは、下北沢にはよく来られるんですか?
前に、『ざわざわ下北沢』という映画にも出させてもらったんですけど、普段はあまり来ないのに、なぜ縁があるのかなって、不思議な感じがしましたね。
Q:オールロケで、大変なことはなかったですか?
普段の撮影では、ロケ先までロケバスで移動したり、自分たちの車で移動したりするじゃないですか。でも、下北沢って本当に道が細くって、とってもかわいらしい町だから、なかなか車を止めるところがないんですね。一方通行とかも多かったりして。結局、信藤監督の事務所からロケをするところまでみんな徒歩で……(笑)。そのとき、結構「暑いなぁ」と思ったことぐらいでしたね。ほかに大変なことってなかったですよ。
Q:鈴木さん、竹中さん、小池さんなど、キャストの方々が普通に道を歩いていたら、やじ馬もすごかったのでは?
(笑)下北沢の人は「あ、ロケしているのね」っていう感じで温かく見守ってくれて。そんなに……なんて言うのかしら? 撮影を見に来る人がいると、中断せざるを得ない状態になったりするんですが、そういうことがなかったので、協力のしてくれ方とか、見守り方が優しかったので、ありがたかったです。
Q:実際に、下北沢の商店街の方とお話しする機会はありましたか?
ありました。撮影の合間に行ったラーメン屋とか、回転すしとか、カレー屋とか、雑貨屋とかその都度おしゃべりしました。

■竹中のアドリブ
Q:竹中さんに以前インタビューをさせていただいたことがあって、そのときに竹中さんは、ほとんど脚本を読まないで撮影に入るとおっしゃっていたんです。今回もアドリブは多かったですか?
ええ、アドリブはすごく多かったです。
Q:それに対応するのは大変でしたか。
おかしいから、笑うのをこらえるのが大変でした(笑)。本当に、「台本いらないですよね」ってくらいの感じで。みんなそろって、大笑いできたから楽しかった。一度笑ったら止まらないのが目に見えているから、笑わないように必死でした。もしくは、万が一笑ったとしても「こっそり」笑っていましたね。
Q:先ほど、鈴木さんに竹中さんからメールが来たとおっしゃいましたが、映画の中での竹中さんと、普段の竹中さんとは違うんですか?
全然違いますね。竹中さんのタイガーっていう役は、テンションをすごく高くしなくてはやれない役でしょうし。でも、竹中さんは、普段は本当に楽しいんだけど、基本的にシャイな方。だから、そのシャイな竹中さんがちょっと照れながら、面白がってやっているっていうのが、ご一緒してみてそれが楽しいんです。本当に映画が好きなんだって感じが伝わってくるんで、竹中さんにこうやってお声をかけていただいたら「あー、やらなきゃ」とか「やりたいな」って思いますね。

                               
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■特殊なヒロイン?
Q:さつきというキャラクターは、寅さんでいうところのヒロイン役だと思いますが、ちょっと特殊なヒロイン役を演じられていかがでしたか?
そうですね。ヒロインといってもいわゆる正統派な感じではないので、ただただ、楽しくしていればいいかな? という感じでとっても気楽でした。だから、のびのびできたような気がします。緊張したり、悩んだりということとは無縁の映画でした。
Q:“さつき”というキャラクターを竹中さんはどういう風に見ているのでしょうか?
いやいや、さつきも相当変ですからね(笑)。なんか一番自分だけがまともなフリをしていますけれども、実は、一番危ないような気がしますから(笑)。だから、後半は本気で「タイガーさんってすてきだわ」って思っていたと思うんです。本気で。

■自由にのびのびと演じた
Q:信藤監督はミュージックビデオなどで、すごく活躍されている監督ですが、監督の現場というのはどういう感じでしたか?
本当に自由にやらせてくださるし、「こういうことしちゃ駄目」とか、「あー、そういうのはいらない」とは決しておっしゃらないんですね。「どうぞ、どんどん、やってみてください。」って感じで、すごく懐が大きい感じがしますね。きっと、監督の中では、自分がその後の編集の段階でいろんなものをこういう形で足していこうとか、ここはこういう技法を使って映像にしようとか、いろいろ考えていて、わたしたちが、いくらふざけても「ドンと来い!」っていう感じでしたね。
Q:出来上がった作品をご覧になって感想はいかがでしたか。
すごく驚きました。こんなふうになっているとは思わなかった。

                               
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■下北沢の有名バー「レディージェーン」での撮影
Q:松田優作さんが常連だった「レディージェーン」という、下北沢では有名なお店が使われていましたが、あそこでの撮影について聞かせてください。
わたしは、お芝居を観に行った後に何度か行ったことがあります。下北沢にあるほかのお店は行ったことがなかったんですが、優作さんがいらしてたということのほかにも、ご主人が演劇のこととか、映画のことに造詣が深くて、俳優たちの理解者ってイメージがあるんですよね。そういう方がオーナーだから、撮影にもこうやって貸してくださったのだと思い、ありがたかったです。撮影中はオーナーがいらっしゃらなかったので、ごあいさつができなかったんですが。

■皆さん、申し訳ありませんでした
Q:映画の中で鈴木さんは、歌を披露されていましたが、いかがでしたか?
歌は難しいです。 今までも歌については、「出しませんか?」と言われても丁重に断っていましたし、これからもお断りすると思いますが、まさか、映画の中でソレを披露することになろうとは。まさかソレがイヤだからと言って、この映画を断ることもできないので、皆さんには申し訳なかったんですが……。 本当に申し訳ありませんでした(笑)。
Q:すごく、すてきでした。
あれに関してはもう謝るしかない(笑)! もう少しうまく歌えると思ったんですが……。下手だけど、練習すれば、少しはうまく歌えると思ったんですけどね……。
Q:実際、歌われて気持ちよかったですか。ステージの上で、きれいな衣装を着て歌って。
いいえ、気持ちよくはないですよ(笑)。緊張しただけです。

■作品選びについて
Q:最近たて続けに『陽気なギャングが地球を回す』から『男はソレを我慢できない』と鈴木さんはいろいろな役に挑戦されましたが、これからどんな作品に挑戦していかれたいですか?
どうしてもやりたい役でも、やれないタイミングのときがあるから、体さえ空いていれば何でもやりたいと思います。目の前に来て、自分がやれるスケジュールが作れるときは、それはやるべきことかなと。そんなに選ばないで、これからも楽しんで、タイミング最優先でやりたいと思います。

                               
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世の中にこれほど完璧に美しくて、魅力的な女性がいるのだろうか。鈴木京香の表情は、笑っていても、考えていても、真剣な表情のときも、どれも「凛とした」女性らしさがある。「歌は本当に苦手なんです」と話す彼女だが、「映画のなかで歌わなくてはいけないシーンがあるならやるのみです」ときっぱり言った表情からは、女優の仕事に対しての真剣さを感じさせられた。多くの俳優や、監督から引く手あまたの鈴木京香が、これからどんな顔を見せてくれるのか。わたしたちの期待はまだまだふくらむばかりだ。
快乐时大笑,难过时痛哭

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 楼主| 发表于 2008-4-3 17:10 | 显示全部楼层
中谷美紀、大沢たかお
『7月24日通りのクリスマス』

                               
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取材、文、写真:シネマトゥデイ
昨年の大ヒット作『電車男』の村上正典監督が、同作の脚本を手がけた金子ありさと再びタッグを組んで描くロマンチック・コメディーの『7月24日通りのクリスマス』。主演を務めるのは、中谷美紀と大沢たかお。『電車男』では主人公のあこがれの女性を演じた中谷が、本作では打って変わって、大沢演じるあこがれの男性に恋をする、地味なOL役に挑戦する。長崎で行われた本作のロケに密着した。
■長崎ロケは、悪天候との戦い!
7月から始まった長崎での撮影は、まさに悪天候との戦い。記録的豪雨が九州地方を直撃している中でのロケ。毎日の天候チェックは、スタッフたちの欠かせない日課になっている。この日も曇りの中、雨が降ったりやんだりのいやな天気。加えて、やたらと蒸し暑い! そんな厳しい状況にもかかわらず、スタッフは汗だくになって働いていた。
しかし、暑さよりなにより、1番の悩みは雨! 撮影は、シーン順に撮っているわけではない。同じ日の撮影で、雨が降っていたり、晴れていたりするとつながらなくなってしまうため、天気にも細心の注意をはらわなければならないのだ。古い歌にもあるように、「雨の長崎」でスタッフたちは大苦戦! 事実、取材日の翌日は、またも豪雨。朝の5時から撮影スタッフたちは撮影現場を室内に変える打ち合わせをしており、まさに攻防戦ともいえる天気と撮影隊とのバトルが、繰り広げられていたのだった。

■超地味OLに中谷美紀が大変身!
『7月24日通りのクリスマス』は、地味で妄想の世界に理想の人を描いているOL、本田小百合が、あこがれの男性である奥田聡史との出会いで、美しく変身していくラブコメ風のシンデレラ・ストーリー。
主演の小百合を中谷が演じ、彼女のあこがれの男性、聡史役を大沢たかおが演じる。
この日、作品の舞台となる長崎で行われたロケに登場した中谷は、ぼさぼさの髪に、ロングスカートという超地味スタイル。中谷自身も完全に“地味な小百合”役に入り込んでおり、存在感すら消し去りながら、まるで陰のようにスーッと現場を移動していた。
その徹底した地味ぶりは、沿道の人どころか、取材陣でさえも、目の前にいる地味な女が中谷と気付くまで時間がかかるほど……。
さらに撮影に入れば、小百合が驚きの声を上げるシーンでは「ひぇあっ!」という奇声を発し、男にもてない度200%の小百合を熱演する中谷に、取材陣からも驚きの声が上がっていた。

                               
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■大沢たかお、ゆかりの地、長崎にカムバック!
中谷の恋のお相手役である大沢たかおは、『解夏』以来の長崎ロケに、終始うれしそうな笑顔を見せていた。中華街に、路面電車、日本と欧米が混在するこの町が、大沢は大のお気に入りだという。「あら、大沢たかおだー。この間の『解夏』でもロケに来てたよねー」と覚えている地元の人びとにも大人気。ロケを見守る沿道の人の数はだんだんと増えていき、長時間の撮影にもかかわらず、最後まで帰らず見学していく人がほとんどだった。
季節設定が冬のため、大沢はなんと皮ジャン姿。梅雨明けが遅れているとはいえ、長崎の7月はもはや夏! あまりに暑そうな姿に、見守る人びとからも「かわいそう~」と同情の声がもれていた。普通の人は、「あちい~!」のひとことや、ふたこと、絶対に出してしまうような状況。それでも大沢の集中は途切れることなく、1人でのカットも淡々と進め、見事にシーンを撮りきった。「まちがいなく暑い!」という状況のなかで文句ひとつ言わずに、笑顔で撮影をこなしていく大沢たかおに、見学していた女性たちはメロメロになっていた。

■佐藤隆太は、みんなの人気者!?
この日の撮影には、小百合の幼なじみ、森山を演じる佐藤隆太も参加。『木更津キャッツアイ』シリーズなどの出演で、若者に大人気の彼は、現場でもっとも追っかけられていた人ナンバーワンではないだろうか。佐藤自身も、現場に来ていたワンちゃんとたわむれたり、隣にいるスタッフと気軽に話をしたりと、とにかく社交的!
撮影現場のめがね橋は、修学旅行などで学生たちがよく訪れる観光地でもあって、現場には女子高生がいっぱい。「どこ!? 佐藤隆太どこ!?」と目を血走らせながら佐藤を探す女子の姿も見られるほど。佐藤が現われると、周囲はまるでアイドル出現状態。キャーキャー言いながら握手を求める女子に、笑顔で握手する佐藤。子どもが「アイス食べる?」と自分のアイスを差し出すと、「おっ!」と言って、一口食べて返す……。ナチュラルな彼の行動ひとつひとつが、ファンを大喜びさせていたが、撮影が始まると、そんな気さくな顔も一変。小百合にひそかに思いを寄せながらも、小百合と聡史を複雑に見守っている森山を切なく演じていた。

                               
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■もうひとりの主役、撮影スタッフたちの努力!
集中力を保ちつづけている中谷、大沢、佐藤がベストの演技を見せられるようにと、現場のスタッフも必死にがんばっていた。天候のほかに彼らを悩ませていたもの。それは、屋外ロケ特有の“音”だった。音声担当のスタッフは、マイクが雑音を拾っていないか、常に集中している。
スタジオで撮影していれば悩まされることもないはずだが、観光地、長崎でのロケということもあり、なんでもない“音”のひとつひとつが邪魔者になってしまう。 車の音、バイクの音、人の話し声、路面電車……。1人のスタッフが車を止め、1人のスタッフが、見物人たちに指示を出す。それでも音はどこからかやってくる。「向こうのほうで、工事してないかな。ドリルの音がかすかに聞こえる……」
音を完全に消し去るため、スタッフはレシーバーを持ってとにかく走る。本番中は、これらすべての音を消さなければならない……。ベストなコンディションになるまで根気よく待ちながら、撮影を進めていくスタッフたち。彼らのアツイ夏は、まだまだ終わらない!
汗だくで、走り回っているスタッフたちも、まちがいなくこの映画の主役のひとり。大沢たかお、中谷美紀をはじめとした役者魂の固まりのようなキャスト、スタッフ陣が一丸となって作品を作っている『7月24日通りのクリスマス』はそんなたくさんの人の思いがつまった、すてきなラブストーリーになりそうだ。

~こぼれ話「記者は見た! あっくん(仮名)のすてきな夏休み」~
母親と一緒にロケを観に来ていたひとりの男の子あっくん(仮名)。まだ、7歳で小学校に通っているという彼は、「大沢たかおかっこいい!」となかなか渋い好みの少年。ロケを見ながら始終大はしゃぎのあっくんは、どうしても、大沢に握手をしてほしくて仕方がないようで、常に大沢が近くに来るチャンスをうかがっていた……。
様子をうかがい続けること、なんと2時間……。撮影はなかなか終わらないし、大沢の周りにはオトナがいっぱい。なかなか声を掛けられずに、泣き出しそうなあっくんに、最後のチャンスがやって来た! 大沢がゆっくりあっくんのいるほうに、歩いて来た!
ダッシュで、大沢たかおに突進していくあっくん。でも、彼を追い越していくのは、100倍は強そうな女子高生のねーちゃんたち……。
負けるなあっくん! がんばれあっくん! あっくん、なんと声を掛けるのも忘れて、思わず大沢の手をつかんじゃった……。「あのバカ……」隣で、おかんがつぶやく。
それでも、そんなあっくんに気付いた大沢は、とても優しい笑顔で握手。「ありがとうね」と、くしゃくしゃっと頭をなでてくれたのだ!
満面の笑顔で戻ってきたあっくん! お母さんはさっそく頭をなでて、大沢たかおとの間接なでに成功していた。あこがれの役者さんに握手してもらったあっくんは、目を輝かせてお母さんと仲良く帰っていきましたとさ。



谷村美月
『ユビサキから世界を』

                               
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取材・文 福住佐知子 写真・シネマトゥデイ
『世界の中心で、愛をさけぶ』や『春の雪』など、話題作を次々と手掛けている行定勲監督が、「何かを変えたいなら、まずは自分でできる小さなこと=『指先』から始めよう」というメッセージを込めたアンダーグラフの楽曲「ユビサキから世界を」に強く共感し、全国で無料上映される作品を作り上げた。平凡で退屈な毎日を送る5人の女子高生たちを主人公に、死とは何か、希望とは何かを問いかける。ヒロインの1人を演じた谷村美月に、高校生として過ごす日常や女優としての日々について語ってもらった。
■ありのままの自分で受けたオーディション
Q:この映画の話を聞いたときにどんな感想を持ちましたか?
話の内容があまりよく分からないままオーディションを受けました。最初、ウタの役のセリフを読んでと言われたのですが、明るい役だったので、かなりテンションを上げなければならなくて、「難しいな」と思っていたら、監督にリンネ役をやってみてと言われました。普通に読んだだけなのですが、受かったと聞いたときはうれしかったですね。
Q:同世代の役を演じましたが、ヒロインたちのように突発的に「死のうよ、死のうか」みたいなことはあると思いますか?
あると思います。普通は「何言ってんのー」で終わると思うんですが、ノリで「うん分かった。何時集合ね」とか……ということもあるのかもしれないです。

                               
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■行定監督の質問は「死のうと思ったことは?」
Q:行定監督はどんな方でしたか?
第一印象は「この人が行定監督かぁ」と思って、まるで芸能人を見るかのような目でずっと見ていたんです(笑)。オーディションが一番最後だったんですが、監督がみんなに聞いていた質問が「死のうと思ったことありますか?」ということでした。大阪から東京に出てきて、初めて一人暮らしをしていたとき「しんどいな~。何でこんなことしているんだろう……」と思ったことがあって、そんなことを正直に話したんです。死にたいなと思ったことがある子は多いらしくて、思ったことが無いと言った子は少なかったと監督もおっしゃっていました。
Q:撮影中、監督との関係は?
撮影中もプライベートな話なんかを普通にしていて、逆に映画についてのお話は何もしませんでした。最近の携帯の機能がスゴイなんて話しとか(笑)。役柄についての話はほとんどなくて、土に埋められるシーンについて「本当に埋めるから」と言われて「はい分かりました」と答えました(笑)。
Q:ほかのヒロインたちとの関係はどうでしたか?
山形で撮影が始まって、わたしは少し後で参加したんですが「5人かあ」と思って、最初は緊張していたんです。わたしは人見知りをするんですが、いつの間にか自然とうち解けていましたね。まずタマ役の永岡真実さんと仲良くなりました。1人ずつコテージのお部屋をいただいていたんですが、そのうち、わたしの部屋に3人くらいがいて、シングルのベットで仲良く寝たりしていました(笑)。

■本当に土に埋められた
Q:リンネはみんなで死のうと約束した学校へ向かう途中に交通事故に遭い、タクシーの運転手に死んだと思って土の中に埋められてしまいますが、あの衝撃的なシーンはどうやって撮ったのですか?
山奥に行って、桜の木のそばに埋められました。正直辛かったですね。時間もかかりました。とりあえずやってみようということになって、深い穴に投げ込まれて、土もかけられたんです。監督がなかなかカットをかけてくれなかったんですが、わたしも負けず嫌いなところがあるので粘りました(笑)。苦しくなっても、もうちょっといけるかも……と(笑)。監督の「カット」とわたしがほんとに苦しくなって我慢できなくなったのとが同時だったんです。辛かったですが、いい経験になったと思います。
Q:学生時代の友だちって特に大切ですね。友だちとの約束って重いものですか?
大切にしたいですね。わたしにもいい友達がいます。この仕事をしていると、どうしても学校を休みがちになるのですが、友だちが応援してくれるので助かっています。ダンスの部活に入っているんですが、部員の5人で9教科分のノートを書いてくれるんです!
Q:今後はどんな女優を目指していますか?
まだ特にこれというのはないですが、映画がとても好きなので、映画中心にやっていけたらいいなと思っています。役的にはリンネのような暗い、言葉の少ない役が好きです。やりやすいですしね。でもやりやすい方向に走ってしまうと偏ってしまうので、コメディーチックな役柄にも挑戦しています。好きな女優さんは蒼井優さんや宮崎あおいさんです。

                               
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■わたしが始めた“ユビサキから世界を”変えること
Q:『ユビサキから世界を』このタイトルからイメージすることは?
“ユビサキ”から変えられることっていろいろあると思うんです。私は人見知りするんですが、この映画に出てからエレベーターなんかで自分が先に乗ったときは、ほかの人が乗ってきたら積極的に「何階ですか?」と聞くようになりました。「あ~『ユビサキから世界を』だなあ、と思っています(笑)。自分ができる小さなことからコツコツと……です。
Q:この映画で特に観てもらいたい点はどこですか?
自殺の映画ということでテーマが重いと思われがちですが、監督は結構コメディーチックに描いたとおっしゃっていました。わたしは悩んでいる人を「いろんな人に支えられて前に進むことができるんだよ」って勇気づけられる映画であったらいいなと思っています。ラストも意外な感じで終わっているので。ぜひ観ていただきたいと思います。よろしくお願いします。

さわやかな笑顔からは、伸びやかで優しい性格が感じ取れた。まだ16歳になったばかりで、将来の可能性は未知数だが、自分の将来について話す瞳には女優魂が輝いていた。今後の出演予定作品は、ユースケ・サンタマリア主演の『酒井家のしあわせ』やホラー小説を映画化した『リアル鬼ごっこ』など、話題作がめじろ押しだ


北村一輝
『花田少年史 幽霊と秘密のトンネル』

                               
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取材・文・写真:シネマトゥデイ
三池崇史監督に名付けられた「北村一輝」という名前を背負い、10年以上もの間、映画界で個性派俳優として活躍し続け、ブラウン管に登場しても圧倒的な演技力で視聴者の視線をくぎ付けにしている北村。8月19日より公開される、少年と幽霊たちの交流を描いた『花田少年史 幽霊と秘密のトンネル』でも特別な存在感を放っていた。役のためなら自分の歯でさえも抜いてしまうという、筋金入りの「役者魂」を持つ彼が、作品のことや「映画」への思いを語った。
■悪役を演じるときは、「悪」のバックボーンを作る
Q:本作ではCGを使ったシーンが多く見られましたが、撮影はいかがでしたか?
ブルーバックの撮影って、想像力の世界で行われるんで、すごく難しいんです。「ここで撃たれます」って言われても、何も分からないわけじゃないですか。「はい、撃たれた」って言われて、「ウギャーッ」て芝居するわけだから、難しいし、それに……恥ずかしい(笑)。ワイヤーで吊られるのは、遊園地みたいで、いいんだけど(笑)。グリーンバックは細かいカット割をして、撮影していくので、役者としては地道な戦いですね。でも、これからCGを使う映画も増えてくるだろうから、いい経験になったと思います。
Q:演技をする上で、北村さんが気を付けていることってなんでしょうか?
僕はいつも、作品のカラーに合わせるようにしています。ただ、お芝居を一生懸命やるってことと、観た人が楽しめるとは別問題だと思うんです。今回のようなエンターテインメント性の強い作品で、観てもらう人に分かりやすく、楽しんでもらうように演じるときもあれば、逆にリアリティを求めながら演じているときもある。それは、ケース・バイ・ケースで、ピピッピピッと変えていますね。
Q:今回の役柄を例にとると、いかがでしょうか?
彼は目先の欲ばかり、自分のことばかり考えている。そういう人は、絶対にいつか後悔が残る。ただ、それを真剣に演じようとすると、重くなるんで、軽めに演じました。そうしたら、映画ではありえないくらい、コントみたいな芝居になっちゃいましたね(笑)。
Q:悪役を演じる機会が多い北村さんですが、心から悪い人間と、表面だけが「悪」の人間とは違うと思います。北村さんのなかでの「悪」の位置付けを聞かせてください。
それについて聞かれるのは初めてだけど、実は役者をする上ですごく大事なことだと思います。悪役を演じるとき、僕はその「悪」のバックボーンを、必ず作るんです。「なぜ、そうなったか。なぜ、そういうことをしてしまうようになったのか」と。そうすると、ひとつのしぐさをする上でも、納得した動作が生まれる。もちろん、映画の中で、そういう説明があればとても分かりやすいのですが、それがなくても観客の皆さんに伝わるように「悪」の根っこの部分を、どこかで見せるようにしていますね。

                               
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■花田少年くらいの年ごろが人生のピーク
Q:花田少年くらいの年ごろ、北村さんはどんなお子さんでしたか?
10歳くらいのころ? あ~、これちょっとみんなの前で言うのは、なんだけど、「イケてたよっ」。みんな、すっごい、うつむいちゃったけど、もう一回言おうか~? 「イケてたよっ」。あのね、これほんと! 多分、僕の人生のピーク! モテたし! もう、そんときがピークだったね。子どものころって単純じゃないですか? 運動神経良かったり、頭良かったり、目立ったり、強かったり。そういうのでモテるでしょ? 大人になるにつれて、人間の深い部分を見られるようになっちゃって、そうしたら、だんだんダメになっちゃったんだけど(笑)。昔は、頭良かったし、運動神経良かったし、強かった。一路(花田少年)には負けないね(笑)!
Q:花田少年を元気に演じていた須賀健太くんは、いかがでしたか?
須賀健太はすごいですよ! 一番すごいのは、人の話をちゃんと聞くってこと。監督や僕が何を言おうとしているかを、すごく理解する力がある。彼とは年が離れているのに、やけに気が合うんです。空き時間もキャッチボールしたりして、実はメル友ですよ! ときどき、あいつが大人なのか、僕が子どもなのか分かんなくなっちゃうんですよね。ほんと、普通に会話しています。
Q:花田家は、とても楽しい家族ですよね。北村さんが描く、理想の家族像を聞かせてください。
この家族は最高だと思います。親と子どもの距離が近いから、何でも言い合えるし、腹割って話せるし、戦えるし。この家族って、昭和の匂いがしますよね。今、日本の家族が失っているものがこの映画にある。まっすぐ進むだけが人生じゃないってことを描いている。このお母さんは最高だって思いますね。

■すべての世界を知った上で、「映画が好き」と言いたい
Q:最近は、ドラマでも活躍中の北村さんですが、映画界からテレビ界に進出したことで何か感じることはありますか?
最初は映画の世界にいて、何十本と出演していました。そのころに思っていたのは、どんなにそこで、がんばっても、大きい映画や、いい映画、大きいチャンスは名前がある人に取られる現実がある。最初テレビに出たころに、いろいろ言われたこともありました。でも、それって大きなお世話で、自分が望んでやっていることだから。これは、誰の人生でもない、僕の人生なんです。今、ちょうど久しぶりに三池組でやっているんですけど、映画はいつだって戻れる「心のふるさと」。10年くらいやっていたから、良い意味で映画に気を使っていないんですよね。僕は、役者としてプロであり、職人でありたい。テレビ、舞台、映画すべての世界を知った上で、「自分は映画が好き」って言える立場までいきたいんですよね。
Q:「ドラマを見て好きになった」という女性ファンには、どんな作品を観てもらいたいですか?
それこそ、無名時代に出ていた作品がいいんじゃないかな? だって、そういう時代があって、今の自分があるから。なかには、セクシー路線の作品もあるかもしれないけど、作品に必要とされたカラーだったから、いやらしく演じただけだからね。かっこよく映るのが僕らの仕事じゃないから。テレビドラマって、どっかでそういう部分があるから、かっこよく見えるように、かっこよく演じているけど、僕はもともと変態とか変質者とか、精神異常者とか、そういう役がほとんどだったんですよ。そういうのを、いっぱい観てもらって、逆にそういうキャラクターを演じた自分を気持ち悪いって言われたら本望なんですね。
Q:普通、そういう過去って隠したがりませんか?
そりゃあ、プロフィールにも書いていない、変な映画もいっぱいある。あまり脱ぎすぎていて、ちょっとこれ人に見せるのどうなの? みたいなのもね。間違いなく、僕と仲がいいスタッフは、僕の全部の裸、知っていますからね。もう見飽きたってくらい! だって、休憩中もフルチンで歩いているような状況で撮影していたし。でも、こういうことを、隠すつもりなんてない。今こうやって言うこともまったく抵抗ないし。むしろ誇りに思っています。いろんな経験があるから、今がある。常に進化していきたい、変わっていきたいんです。“モビルスーツ”みたいに(笑)。

                               
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■誇りを持ち続けていたい……
Q:『キル・ビル』にも出演された北村さんですが、本格的なハリウッド進出は考えていませんか?
ハリウッド映画に出ている人は多いけど、自分からは行かないな。媚びる気は一切ない。呼ばれるようにがんばる。夢が、憧れと違うところって、夢って、段階を踏まなきゃつかめないものでしょ。夢をつかむためにはそれなりの努力と準備が必要だと思うんです。そして今の自分は、その段階じゃないのは分かっているから、やれませんね。今は、自分のやっているコトに誇りを持ちたいし、日本映画がああだ、こうだって言う前に、だったら日本映画を変えればいいじゃんって思うんですよね。

「あのころの自分がいるから、今の自分がある」。無名時代の話も隠すことなく笑顔で話し、そしてハリウッド進出については、まだ時期じゃないと言い切る。北村一輝の人気の秘密は、まさにこの男気ではないだろうか。彼の自分が出演した作品すべてに対する深い愛情は、役者としての誇りを持ちつづけているからこそ出ているように感じられた。多くのことを、経験し、吸収し、どんどん進化をとげている北村一輝。“モビルスーツ”のような(?)進化する俳優として、これからの活躍を楽しみにしたい。

                               
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ケラリーノ・サンドロヴィッチ&奥菜恵
『おいしい殺し方 -A Delicious Way to Kill-』
突然キレるキャラクターで、自分がイってしまうのが楽しい

                               
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取材・文・写真:シネマトゥデイ
動画 [ 再生(1Mbps) | ご利用ガイド ]
演劇界でカリスマ的な人気を誇っている演出家ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)と、舞台女優としても着々とキャリアを積み上げている奥菜恵。その2人がタッグを組み、大反響だったインターネットオリジナルの長編ドラマ「おいしい殺し方」。お料理教室を舞台にした本作が、多くのリクエストを受けて、ついに劇場公開される。料理が天才的に下手な主演の消崎ユカを演じた奥菜と、監督のケラリーノ・サンドロヴィッチに話を聞いた。

■ビジョンが明確な演出家
Q:奥菜さんとKERAさんの出会いは、いつだったのでしょうか?
KERA:2人が、どうやって結婚に至ったかと言うことですか(笑)?……あれは確か「ドント・トラスト・オーバー30」のお芝居をしたときですね。
奥菜:そのときでしたっけ?
KERA:一緒に仕事をしてもいいか、奥菜さんの事務所で審査を受けました(笑)。その前に僕は奥菜さんの「キレイ」を観ていて、すごくよかったですね、ほんとに。
Q:多くの演出家とお仕事をしている奥菜さん、KERAさんはどういう演出家でしょうか?
奥菜:気持ちというか、感情の流れをすごく丁寧に説明してくれるので、分かりやすかったと思います。あと多分、KERAさんの中でイメージができているんですよね。ここはこうやったほうが面白いっていう……、そういうビジョンがすごく明確にある演出をされると思います。
KERA:融通がきかない演出ってことだ。
奥菜:いやいや、じゃなくって(笑)。もっとここをこういう風にやったほうがいいっていうのを的確に教えてくださるので、そういう意味では、すごくありがたいですよね。

                               
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■一言の演出で、メーターが振り切れる
Q:今回、奥菜さんを主演に決められたのはどうしてですか?
KERA:いや、なんかスケジュールが空いているし(笑)。というのはうそで、映像でやってみたかったんですよね。奥菜さんは、舞台のときにも感じたことなんですけど、ちょっとした一言の演出で、メーター振り切るとこまでやってくれるというのがすごく気持ちよくて。僕の中の奥菜さんは、世間一般でいう彼女のイメージとは違うのかもしれないっすね。もっとクールなイメージがあるでしょ、きっと。でも、僕の中では、全然クールじゃないんですよ、ふふ(笑)。もし僕が彼女でシリアスなものを撮るとしても、クールなポジションでは、それは見尽くした感じがあるから。ん~、なんだろな、エモーショナルなキャラクターの方が僕は見たいですね。
Q:奥菜さんのキレた感じが楽しかったんですが、エモーショナルな役柄の方が演じていて楽しいっていうのはありますか?
奥菜:はい。KERAさんに会って、自分の未知の部分をすごく引き出してもらっている感覚はあります。実際、すごく楽しいです。
Q:かわいくない役柄に、女優として抵抗はないんですか?
奥菜:全然ないですね、はい。その方が、逆にとても楽しいです。
Q:お料理がすごく下手だという役柄でしたが、奥菜さんご自身、料理は?
奥菜:料理は普通にしますし、下手ではないと思いますが……センスはあると思います!
KERA:それって「わたしきれいでしょ」って言っているのとあんまり変わらないよね(笑)。

■テレビにも、映画にもない作品
Q:KERAさんは、なぜ今回料理教室というめずらしい舞台を選んだのでしょう?
KERA:最初に世代も境遇も違う3人の女性を、どこで結びつけるかっていうことを考えてみて、まぁ、会社の上司と部下っていうのもつまらないし、学校だとか、学校の中だけの話とかいろいろ考えたんですけど、殺人劇が起きる場所が料理学校というのは面白いかなと思ったんです。料理が下手でっていうのは悲しいじゃないですか。料理が原因でいつも男にフラれている女と、自分は一生懸命作っているのに、旦那にいつも自分の作った弁当を、こそこそ隠れて捨てられている女が料理教室で出会うっていうのは、悲しくておかしいと思ったんです。
Q:舞台と違って面白かったことはありました?
奥菜:あんまり違いは感じなかったんです。ひとつのシーンをそのまま始めから最後までワンカットで撮影することが多く、細かくカットして……っていう感じではなかったですね。
Q:舞台をそのまま映像にした感じだったのですか?
KERA:時間がなかったということもあるんですけど、今回に関しては、ワンカットでいけるならそれに越したことないかと思いました。芝居のテンションが、グーっと上がっていったのに、そこでカットかけて、またその上がっているところから始めてくれって言われてもなかなかできないでしょ。
Q:舞台を見たことのない人たちに楽しんでもらいたい部分はありますか?
奥菜:そうですね、やっぱりKERAさんの舞台でもそうですけど、舞台を観に来る方ってすごく限られた人たちじゃないですか。それをこういう風に、映像でいろいろな人に観ていただくというのは、うれしいですね。本当にいろいろな人に観ていただきたい作品ですね。テレビでも、映画でも、観たことのないような作品に仕上がっていると思います。

                               
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■普段のテンション越えちゃってる
Q:KERAさんの舞台の中ではよく消崎ユカというキャラクターが出てきますが、何かこだわりがあるんですか?
KERA:こだわりなんてほどのものではないですけど、消崎ってなんか面白いでしょ、名字が。ネガティブなのか、ポジティブなのか分かんない名前で(笑)。消すっていう文字が名字に入っているってすごいでしょ。ちょっと言いにくそうだったけど(笑)。
Q:奥菜さんが、本作で一番楽しかったシーンはどこでしたか?
奥菜:キレるシーンが結構あったんです。テンションが異常に「ウワーッ!」みたいな(笑)。喜ぶにしても怒るにしても、自分の普段のテンションを越えちゃってる、すごいハイテンションのところに自分がイってしまう。それがすごく気持ちよかったです(笑)。ほんとうに楽しくってユカっていうキャラクターは大好きです!
Q:お仲間の2人はいかがでしたか?
奥菜:3人それぞれの個性というか、3人が集まるとなんかひとつに……なっているのか、どうなのかは、分からないですけど(笑)。それがすごく面白かったです(笑)。

■今度は“くっだらない”ホラーを!
Q:今度、奥菜さんと、作品を作るとしたらどういう作品を作りたいですか?
KERA:今回みたいなハイテンションなキャラを演じてもらうのも、もちろんやりたいんですけど、彼女のパブリックイメージを逆手にとって、一人二役をやっていただくのも楽しいと思うんですよ。たとえば双子の姉妹で性格が正反対だとか、分裂症とか、相反するキャラクターを交互に出せるようなのって面白そう。あと、彼女はホラーも出ているし、ホラー顔なので、“くっだらない”ホラーやりたいですね。「そんなところで怖い顔して驚くなよ」っていうような。全然、何でもないシーンで後ろで首が飛んでいたり、血がいらないほど噴き出していたり……そんなの(笑)。
奥菜:KERAさんのそういう観点っていうか、センスが面白くって大好きです(笑)。

本作で奥菜の隠れた魅力を引き出した天才演出家ケラリーノ・サンドロヴィッチ。彼の発言に、大笑いしながら話す奥菜恵。舞台同様、最高のせりふ回しと、空気感を映像で作り出した2人は、「芝居」の楽しさを映像という新しい世界で、新鮮に楽しませてくれる。それは、彼ら自身が「芝居」の魅力を誰よりも一番理解しているからではないだろうか。「演劇界」と「映画界」を突っ走る2人の才能から、まだまだ目が離せない。


大塚愛、松本莉緒、真木よう子、小林麻央
『東京フレンズ The Movie』
今の夢、それは女に磨きをかけて“イイ女”になること

                               
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取材・文・写真:シネマトゥデイ
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「東京ラブストーリー」など多くのヒット作を手掛けた永山耕三監督が、昨年DVDドラマという形で発表した「東京フレンズ」。カリスマ的な人気を誇るアーティスト大塚愛がドラマに初主演した本作は、現代に生きる若者たちの等身大の青春を描き大ヒット。そして今年、ついに待望の映画化を果たした『東京フレンズ The Movie』が8月12日より公開された。4人の“東京フレンズ”を好演している大塚愛、松本莉緒、真木よう子、小林麻央に話を聞いた。

■子どものころの夢、そして今描いている夢……
Q:「いちばん最初に描いた夢を、あなたは今も覚えてる?」という大塚さんのセリフがとても印象的な本作ですが、この作品のテーマである夢についてうかがいます。皆さんが覚えている一番最初の夢はなんですか?
大塚:最初の夢は水泳の選手でした!
松本:わたしの夢はデザイナーと歌手でした!
小林:覚えているのはケーキ屋さんかな。
真木:(小声で)かぶっちゃった……。
大塚:かぶったって(笑)。
小林:ん? かぶった? じゃあ、お花屋さん!(一同笑)。
真木:最初の夢はケーキ屋さんと色気のある看護婦さんです!
Q:それでは皆さんが今描いている夢を教えてください。
大塚:今描いている夢はイイ女になること! 女盛りは27、8と聞くので、あと3、4年がんばって女を磨きます!
松本:デザイナーになる夢があったんですが、それは叶ったので、今はそれを自分なりに突きつめていきたいと思っています。
小林:今の夢はインテリアショップを開くこと。でも、それは40歳くらいに実現すれればいいなあと思っています。
真木:松田優作さんみたいになることです!

                               
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■“女ともだち”について……
Q:劇中では4人の女ともだちの友情を描いていますが、皆さんにとって“女ともだち”とはどういった存在なんでしょうか?
大塚:友だちは一緒にいて疲れない人!
松本:この取材の前にも、メールでやりとりしていたんです。つねに連絡を取っていて、「緊張してるんだ~」とか、自分の気持ちも素直に伝えています。友だちからは「がんばってね」っていつも励ましてもらっています。頻繁に会っていないと自分の中のエネルギーが満タンにならないから、どんなときも励まし合っている存在ですね。
小林:一番仲のいい女友だちは、気付いたら本当に長い間一緒にいたなって人ですね。そういう友だちってすごく大切な存在なんですけど、そんなことを考えずにさりげなく一緒にいられる存在ですね。
真木:わたしは相手のことを「お前」って呼べたら、もう友だちです。

■全員が豊富なアルバイト経験あり!
Q:居酒屋「夢の蔵」でのアルバイトが、主人公4人をつなげている舞台になっています。皆さんのアルバイトの経験について教えてください。
大塚:いろいろやっていたんですけど、イベントスタッフをやったことがありますね。お酒を配っていただけなんで、ぜんぜん大変じゃなかったです(笑)。
松本:中華料理屋さんと洋服屋さんと小料理屋さん。けっこう、たくさんしていました!
小林:わたしもけっこうたくさんバイトしてて……駄菓子屋さんやケーキ屋さん、家庭教師なんかもやってました。
真木:電気屋さんとラーメン屋さんとレジと……あ、ウェイトレスもしてました。

                               
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■夢に向かって頑張る女子たちへ!
Q:『東京フレンズ The Movie』の主人公たちのように、夢に向かって頑張っている女の子に向けて、皆さんから一言ずつメッセージをお願いします。
大塚:女は根性!
松本:女は度胸!
小林:女は愛情!
真木:……。
大塚:あるじゃん、ホラッ。
真木:女は色気っ!

マイペースな大塚愛、しっかり者の松本莉緒、おっとりしている小林麻央、そして、きっちり“オチ”をつけてくれるアネゴ肌の真木よう子。『東京フレンズ The Movie』の中での4人の女の子たちが繰り広げる楽しい光景が、そっくりそのまま広がっているようなインタビューだった。それぞれの夢を“女優”や“アーティスト”という形で実現させた23歳の女性4人には、まだまだつかみたい夢がいっぱいのようだ。どうやら4人全員に共通しているらしい“イイ女!”という夢に向けて、まだまだ走り続けて欲しい。




田中麗奈
『幻遊伝』
ワイヤーで落ちるとき、それは本当に怖かったです

                               
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取材・文:シネマトゥデイ 写真:亀岡周一
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映画を中心に活動を続けている田中麗奈が、初めての台湾映画『幻遊伝』で主演を務めた。本作は、現代の台湾に住む女の子がふとしたきっかけでタイムトリップしてしまうというアクション大作。ワイヤーアクションにも果敢に挑戦した田中が、アジア映画の魅力とアクション撮影の大変さを語ってくれた。

■3年前から勉強している中国語
Q:田中さんご自身は、アジアのカンフー映画はお好きだったんですか?
好きですね。中国の映画ってジャンルが多いですよね。素朴な映画というか、アクションでなくても、友情とか両親との関係をすごく繊細に描いているものとか、素朴な中に生命力を感じるような中国映画も好きなんです。でも、『グリーン・デスティニー』や『HERO』みたいな、すごくきれいな中国映画も好きで、香港のアクションも好きです。楽しいですよね。
Q:アジアに目を向けている女優さんって新鮮ですよね。プロフィールにも「中国語が堪能」とありますが、田中さんはいつごろからアジアに興味をお持ちになられたんですか?
3年くらい前から中国語を勉強し始めました。21歳のころにアジアに行く機会があって、そのとき、わたしが出演した『はつ恋』という映画がアジアの国でも観てもらえていたことを実感して、すごくうれしかったんです。日本以外の国でもこうやって自分の作品を観てくれる人や感動してくれる人がいるんだと、言葉を越えて作品で伝わることは、本当にあるんだと気付いたんです。だから、自分の映画をもっとたくさんの国の人に観てもらいたいとそのときに思いました。

                               
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■アジア進出への決意
Q:田中さんはチャン・ツィイーの大ファンとうかがいましたが……。
はい。『グリーン・デスティニー』を22歳くらいのときに観たんです。映画館ですごく感動して、「うわあ、ああいう映画に出演してみたいな」と思ったんです。それから、中国の映画をたくさん観るようになって、チャン・ツィイーを好きになって、コン・リーを好きになって……。本当に魅力的な役者さんがいっぱいいるんだってことに気付いたんです。中国の映画がこれから発展していくだろうって話も聞くようになって、「やってみよう」と思ったんです。
Q:女優として観た中国映画は、また違いますか?
そうですね。魅力的ですよね。観ただけで出演したいって思っちゃいますから(笑)。もちろん日本映画も大好きで、ここで女優をやっていきたいって本当に思っています。でも日本にはできない、中国独特の世界観を見せつけられたときに、自分もあそこに行きたいって思いました。それはもう止められないというか(笑)、インスピレーションなのか、それがアジア進出への決意になっていった感じです。


                               
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■恐怖のワイヤーアクション!
Q:そんな田中さんの念願もかない、『幻遊伝』に主演されましたが、撮影はいかがでしたか?
本当に、スタッフが温かくて、共演者ともすごく仲が良かったんです。撮影場所は上海撮影所がメインで、ホテルもみんな同じで、一緒にご飯を食べたり、プライベートも一緒に過ごす時間があったりしたので、とても楽しかったです。国が違ったり人が違ったりするだけで、やっていることは大して違わないと思います。ただ、ひとり日本人が来ているってことで、みんなすごく気を配ってくれていたと思うし、優しくしてもらったので、わたしはお芝居で返していかなきゃっていう気持ちでした。「みんなが『田中麗奈とお仕事して良かったよ~』って思ってほしいな」という気持ちで毎日演じていました。
Q:ジャッキー・チェンの映画の撮影現場などでは、女優さんにもワイヤーアクションをどんどんやらせると聞きましたが、今回の監督はどうでしたか?
そうそうそう! そうなんですよ。「じゃあ、段取りしまーす」みたいな感じで、こっちから彼が来る、それでこっち来て、こう動いて、こう行って、はいアクション。みたいな感じはありましたね。注意点をちょっとあげて、まぁ気をつけようみたいな(笑)。わたしは初めてだったので動揺する部分はあったのですが、周りの方はそれが日常茶飯事だから、驚くほうが変なんだろうなここの場ではと思って普通にこなそうとしていました。
Q:怖い思いはされなかったですか?
やっぱりワイヤーで落ちるときは怖かったですね(笑)。何メートルの高さから落ちたんだろう? すごい怖かったんですよ(笑)。みんなの頭とか木のてっぺんとかも見えたし、夢の中にいるみたいな「これ現実?」って感じで、うわぁぁーっていう感覚は覚えていますね(笑)。落ちるときも、一瞬じゃなくてゆっくり落ちるので「まだ? まだ?」っていう自分がいて、それは本当に怖かったです(笑)。でも今後こういう経験はなかなかできないかもしれないと思ってがんばりました。

■キョンシー役はすごく大変
Q:キョンシーとの共演はいかがでしたか?
久しぶりに見たキョンシーは、わたしが小さいときからなじんできたキョンシーと違って、現代風になっている感じはありました。共演してみたら、キョンシーの動きって難しそうなんですよ。キョンシー役はすごく無理なことを言われていたみたいです。「キョンシーは息をするな」とか「息を吸うと身体が動くから息を止めてろー」とか(笑)、それが1分以上続いたりしていたみたいです。あと、ジャンプするときは足を曲げないでジャンプするとか……。大変だな~って。
Q:今回は、チェン・ボーリンさんとの恋も絡んできたと思いますが、異国の映画で、異国の言葉を話して恋に落ちるというのはどうでしたか?
彼女は、タイムトリップしたことで、素直になれたり、生き甲斐を見つけたりしたんですよね。でも、それがトリップした先の時代だから、帰らないといけないという……。すごく切ないな~と思いましたね。

                               
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■表情を大きめに出す努力
Q:表情の出し方とかも、アジア向けに練習されたりしましたか?
シャオディエもああいう性格だし、感情表現とか気持ちが分かりやすいほうが子どもも分かるだろうし。なんか向こうの映画を観たとき、みんなのお芝居が少し大振りだと思ったんです。それで……、ちょっとわたしもやってみようかと思って、ちょっとやってみたんです。アハハッ(笑)。なじんだという感じはありましたね。
Q:もうひと役の、チンティーズーのときはアクションが結構派手だったじゃないですか。
彼女はやっぱり何よりもかっこよく余裕があって強いっていう風に見せたかったので、必死な感じに見せたくなかったです。だから倍練習が必要でした。
でも、本当にアクションは数秒だから何回、何十回、何日間もかけて回し蹴りを練習しても、映像では2秒とか……。「あっ! ほら観て! 終わっちゃった! あー、観てた? 観てた? わたし、いま回し蹴りしたんですけど!」っていう感じですよね(笑)。何回か友達と『幻遊伝』を観たんですけど、いちいち大騒ぎしながら説明していました(笑)。「ここーっ!」って言っても、そんなの関係なくテンポがパパーッっていくので積み重ねなんだなって、これがプロの世界かって感じです(笑)。


                               
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■女優、田中麗奈のこれから……
Q:女優としてのこれからのスタイルは?
わたしはそんなに器用な方ではないので、たくさんのことはできないんですが……。でも、ひとつひとつに魂を込めてやっていきたいタイプなので、今の映画にウエイトをかけたスタイルでやっていけていることは本当に幸せで、一番自分らしいと思っています。それでアジアに自分の興味が広がっていって、自分らしく世界をちょっとずつ開けてきていると思うから、このままこのスタイルで自然に広がっていければ、自分らしく、ひとつひとつ作品を大切にしながらやっていけると思います。

何を質問しても、期待していた言葉よりも3倍以上の答えを返してくれる田中麗奈。彼女が持っている人一倍の好奇心があってこそ、アジアへの進出が実現したのではないだろうか。乙一作『暗いところで待ち合わせ』でも、共演するチェン・ボーリンとは、撮影中に日本語や中国語を教え合うなど、すっかり意気投合していたそう。2人の息もピッタリな痛快アクション『幻遊伝』で、田中の新しい魅力を満喫してもらいたい。
快乐时大笑,难过时痛哭

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 楼主| 发表于 2008-4-3 17:16 | 显示全部楼层
中谷美紀、豊川悦司
『LOFT ロフト』
ひとりの人間として楽しく豊かに生きたい

                               
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取材・文:シネマトゥデイ
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常に新しい役に挑戦し続けている俳優、豊川悦司と、『嫌われ松子の一生』で女優として新境地を開いた中谷美紀。日本映画界を背負う2人の役者が、ホラー界を代表するカリスマ監督、黒沢清とタッグを組んだ『LOFT ロフト』 。3人の才能が、“ミイラ”そして“永遠の愛の呪い”という非日常的な物語を描き、スクリーンの中で見事に調和した本作。演技のことや監督についてなど、主演の2人に話を聞いた。

■日常的に見せながらも、非日常的な感覚
Q:現実に起こりえない物語と、現実に起こりうるリアルなストーリーとでは、演技の面でも違いが出てくるのでしょうか?
豊川:具体的な違いはないですね。相手役の方と普通の感情で演技しながら、今回のように、目に見えないものが見えたり、体験したことがないものを体験したりするというのは、自分の想像でやらなければいけないところがあって、すごく難しかったですね。
中谷:この作品は、CGを使ったり、音でものすごい恐怖感を与えたり、カット割を早くしたりとかで演出している作品とは違って、割とローテクで、一見、日常的に見せながら、でも非日常的な感覚なんですね。現実と非現実、その割合というのが、どこまで演じていいのか、わたし自身がよく分からなかったんです。たまたま撮影の前に、青山のお寺で、人工的に作られた漆黒の闇のなかに、竹やぶや芝生が作られました。そこを杖で、視覚障害者の方にご案内いただきながら進むという催しに参加したんです。
中谷:目に見えない闇のなかで、何かを感じる力や、人を信じる力、あるいは人を信じたいと思っている感情だったり……むしろ見えないからこそいろいろな真実が見えてきたり……。そういった感覚を撮影の直前に味わうことができたので、それをほんの少しだけ、自分の演技にとり入れることができました。

                               
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■恐怖のなかに、高級感を感じさせる演出
Q:感覚的な恐怖や、視覚的な恐怖、さまざまな恐怖が不思議に交錯している本作ですが、お2人が1番恐ろしさを感じた部分はどこでしたか?
豊川:やっぱり、ミイラと戦うところですね。ミイラと戦ったことなんてなかったんで(笑)、けっこう怖かったですね。リアルでしたしね。また、ミイラ役の女優さんが、すごく不思議な方だったので、実際に戦うと……怖かったです。
中谷:台本を読んでいて、一番恐ろしかったのは、ラストシーンですね。永遠の愛や、永遠の美をテーマにした作品ですが、やはり、永遠なんてものは手に入らないという、はかなさを表した切ないシーンだったんですが、同時に恐ろしさも感じましたね。
Q:ミイラについて、お2人はどんな印象をお持ちですか?
豊川:僕はミイラは包帯を巻いているタイプが好きですね(笑)。かわいらしくて……。今回の『LOFT ロフト』に出てくるミイラはどちらかというと、アジア系のミイラだと思うんですが、そのまんまミイラで……、けっこういやでしたね。ただ、黒沢さんの映画ってすごく不思議で、怖さを出す演出が違うんですよね。品があって、"チャッキー"(『チャイルド・プレイ』)みたいのとはぜんぜん違う。心理的に恐怖心を与えるシーンでも、そこに品があるというか、高級感をすごく感じさせるんですね。それが黒沢さんならではの恐怖なんだと思いますね。
中谷:幼いころに観た『八つ墓村』の即身仏(そくしんぶつ)が本当に怖くて、二度と観たくない映画ナンバーワンだったんですけど、豊川さんが最近されたんですよね(笑)。でも、本当に怖くて怖くて……。割と大きくなってから、山形の即身仏(そくしんぶつ)を観に行ったんですが、あまり気持ちのいいものではなかったです。

■若いスタッフに敬語で接する黒沢清監督の魅力
Q:黒沢監督とのお仕事はいかがでしたか?
豊川:独特でしたね。言うことを聞きたくなるような不思議な魅力を持っていらして、面白かったなあ。不思議な人なんです。口ではうまく表せません、一度会っていただきたいですね!
中谷:黒沢監督の持っている力ってものすごいんですね。決して声を荒げたりなさらず、すべてのキャスト・スタッフをとりこにして、おまじないでもかけたかのように、いつのまにか導いていってしまうという力をお持ちですね。照明部の一番若いスタッフにも、敬語でお話しになったり、わたしたちキャストにも敬語でお話してくださって、すべてのスタッフが“黒沢教”の信者のように、監督を愛してやまないんです。みんなが黒沢さんの見ている同じ方向を見ながら進んでいく感じがしましたね。

                               
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■感性とリアリズムのバランスがとれた女優
Q:お2人が初共演というのは意外だったのですが、役者としてのお互いの印象を教えてください。
豊川:それまでの中谷さんの仕事から感じたイメージと違いはなかったですね。この女優さんは、こういう風にアプローチするんだろうなというのが、そのままだった。感性とリアリズムのバランスがとれた女優さんだと思いましたね。
中谷:黒沢監督と同じように、そこにいるだけですごいエネルギーを感じるオーラをお持ちの方だと思いますね。最初に台本を読んだときに、半ば一目ぼれに近い形で、吉岡に引かれていく玲子が理解できなかったんです。でも、現場に立ったときの距離感というか……古い洋館に自分が立ち、向かいの建物にたたずむ豊川さんを見たときに、この映画的なシチュエーションでは、誰もがこの場で豊川さんに恋に落ちるんじゃないかって思えるぐらい全身で放ってらっしゃる雰囲気がある。存在しているだけで説得力がある、すばらしい方だと思います。
Q:吉岡と春名が恋に落ちていくまでの、恋愛感情の変化についてはどうですか?
豊川:あまり深く考えずに演じていたというのが、正直なところなんですが、本当にそのシーンごとに、中谷さんは玲子でした。玲子を見ていくうちに、吉岡を理解していくというよりは、自分が特殊な環境にいてもいなくても、この女性に引かれていく、奪われていくという気持ちが自分の中でしっくりしていたんです。だから、あまり自分でどうこうしていこうというのはなかったですね。
中谷:初めて黒沢監督とお会いしたときに、「人は理由がなくても、行動するんです」っておっしゃったんですね。それがすべてを表していたというか、自分自身が理解できなかったこと、不安に思っていたことがすべてクリアになったんです。この作品だけではなく、あとの作品すべてに影響した言葉でしたね。この言葉はきっと、わたしの中で一生大切な言葉になっていくと思います。そして、この言葉は、玲子の吉岡に対する気持ちにも言えることで、特別な理由がなくても、恋に落ちてしまったと思うんですね。

■楽しく豊かに生きていきたい
Q:これから、役者としてどのような道を歩んでいかれようと思っていますか?
豊川:ここ何年かは、割と初めての監督さんとお仕事することを、テーマにしていたんです。俳優だけど、やっぱりひとりの人間として楽しく豊かに生きたいじゃないですか。そのために、仕事をしていると僕は思うから、初めての人と触れ合うこと、いろいろな人と組んでいく機会を、たくさん作っていきたいんです。それはスタッフでも共演者でも言えることですが、そういう大切なチャンスをつぶさないように、どんな役でもどんどん受けて、初めての人と、一緒に作っていく、時間を共有していくことをこれからのテーマにしていきたいと思っています。
中谷:特に考えたことなかったんですが、今、豊川さんがとてもすてきなことをおっしゃって、非常に感動しています。本当におっしゃるとおりだなと思うのは、自分がひとつの枠の中だけで生きていくと、可能性が小さくなっていくような気がします。その枠を広げてくれるような出会いを作っていきたいと思います。

お互いが話す間、その言葉に静かに耳を傾けて、うなずきあう豊川と中谷。2人の間には、誰も入り込めない不思議な時間が流れていた。誰の言葉も真剣に聞き、それを自分にどんどん吸収していく2人の姿からは、作品ごとに新しい演技を見せる、魅力的な演技者であり続けていられるわけが分かったような気がした。役者にとって、大切な気持ちをいつまでも持ち続けている2人と、誰に対しても敬語で話す黒沢監督。そんなすてきな人たちが作り出した『LOFT ロフト』の魅力をぜひ劇場で確かめてほしい。



柳楽優弥
『シュガー&スパイス 風味絶佳』
追いつめられて、自分の限界を超えました

                               
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取材・文・写真:シネマトゥデイ
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『誰も知らない』でカンヌ国際映画祭最優秀男優賞を受賞してから2年、16歳になった柳楽優弥が恋愛映画『シュガー&スパイス 風味絶佳』で初めてのキスシーンに挑戦した。スクリーンに映った柳楽は、まだ少年っぽさが残っていた『星になった少年 Shining Boy & Little Randy』より、一段と男らしい青年へと成長していた。初めての恋を覚えて、大人への階段を登っていく主人公の志郎を等身大の演技でさわやかに演じた柳楽に、撮影現場での様子をはじめ、演技のこと、恋の話、そして初めてのキスシーンのことまでたっぷりと語ってもらった。

■限界を超えて自分が変わる
Q:この作品は柳楽さんにとって初めての恋愛映画でしたが、いかがでしたか?
難しかったです。どこが難しいと聞かれると困ってしまうんですけど、最初、志郎の気持ちになれるかどうか、すごく不安でした。でも乃里子と、初めて心が通じ合う雨のシーンの撮影をきっかけに変われた気がします。冬だったからすっごい寒いじゃないですか? 沢尻さんもびしょびしょに濡れているのに、「もう一回」って言われる原因はすべておれなんですよ。すごい追いつめられて、自分の限界を超えました(笑)。
Q:そのとき主人公の気持ちをつかめたんでしょうか?
はい。そこから……。撮影しながらもうだめだって思ったんですけど、それを耐えたことで「おれはここまで耐えられる!」って思えるようになりました。それまではやり方がつかめてなかったんです。志郎はこういうときどうすんだろうとか、考えてばかりだったんですけど、そのシーンの後からは、「ああ、こういうときはこうするな」って分かるようになりました。
Q:すごいですね!
いや……、そんな感心されるほどは、できていないです(笑)。
Q:その雨のシーンは何テイクぐらい撮ったんですか?
めちゃめちゃやりました! ほんと、かなり泣きそうでした。でも逃げ出すわけにはいかなかったので、がんばりました。
Q:逆に楽しかったことはありました?
共演の木村了さんや濱田さん、みんな年が近かったので現場は楽しかったです。

                               
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■“かっこいい”沢尻さんとのキスシーン
Q:沢尻エリカさんの印象はいかがでしたか?
最初は、ぜんぜんしゃべれなくて……。マジックのシーンで、すごくしゃべれたんですけど、いや、そんなにしゃべってないか……(笑)。「かっこいいなあっ」って思っていました。
Q:かっこいい? かわいいとか、きれいじゃなくてですか?
かわいいのもあるんですけど……大人っぽくてかっこいいです。
Q:沢尻さんは高校生の間でもすごく人気だと思いますが、共演が決まって、周りの反応はいかがでしたか?
周りの男友だちに、めちゃめちゃ言われました。「いいなあ」って(笑)。
Q:ご自身では、沢尻さんとキスシーンがあると聞いてどう思われましたか?
「おれ、キスシーンやっちゃうんだあ」って(笑)。
Q:キスシーンの撮影はいかがでしたか?
緊張しまくりでした。
Q:一度、志郎は彼女にキスを拒まれますよね。あのシーンは、男としてかなりつらいと思うのですが……。
すっげーショックですよ、あんなこと。

■夏木マリさんの一言に大ショック!
Q:グランマ役の夏木マリさんとは撮影中何か話をされましたか?
「いま、彼女いるの~?」って聞かれました(笑)。「い、いません」って……(笑)。
Q:演技の面で、何かアドバイスはありましたか?
ガソリンスタンドのシーンで「セリフに感情がこもってなくて、気持ちが伝わってこないよ」って言われて、泣きそうになりました。でも、もっと気合いを入れてがんばらないとダメなんだと思い知らされました。
Q:もし志郎と同じ立場で彼女がほかの男と会っているのを見たら……。志郎は見ないふりをしていましたが、柳楽さんだったらどうしていました?
おれも見ないふりするかな……。分からない。かなりショックですよね。「誰あいつ!?」ってなっちゃうかも。あ、やっぱり言うと思います(笑)。
Q:彼女の心が決まるまで待ったりはしないんですか?
おれできないです、たぶん。
Q:実生活でも、女の子は映画のように分からない部分ってあります?
分かんないことだらけです。
Q:じゃあ、恋に関しては疎いほうですか?
かなり! 友だちの恋愛相談とか、全然分からない。ほんと無理ですね。この映画とは、遠い世界ですね。志郎みたいに、本当の恋がしたいです。

                               
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■私生活ではロックが大好き!
Q:本作にはOASISが楽曲を提供していますね。ロックは好きですか?
この映画をやる前は知らなかったんですけど、この映画をやってからOASISを聞くようになりました。ロックは好きです。ロックのジャンルってどんなものがあるんでしょう。
Q:パンク、ヘビメタ、グランジ……
もっとリンキン・パーク系のジャンルは?
Q:ミクスチャーですか?
あ!! それそれ! そういうのを聞いてます。
Q:ガソリンスタンドで働いている志郎ですが、何かやってみたいアルバイトはありますか?
あ、あのフィルムを現像するところあるじゃないですか、そこでアルバイトしてみたいです。おれ、写真の現像したいんですよ。で、1回マジで考えたことがあります。
Q:なぜ写真屋さんなのですか?
現像したいなあ……って。いま、カメラに興味があるんですよ。友だちの写真を撮ったりしています。家で現像する機械を買おうと思ったら高くて……「無理だぁ」ってなっちゃいました。

■年上の女性との恋愛には憧れる
Q:この恋みたいに、年上の女性はどうですか?
年上の女性はいいですね。かわいい人がタイプです。
Q:年上って何歳まで?
19歳かハタチまで。
Q:いま、年下ブームらしいですよ。
あ、そうなんですか!? スゲエ! 年下ブーム……。え、それブームで終わっちゃうんですか?
Q:大丈夫なはずです……では、映画の中の志郎みたいに早く本当の恋をしてくださいね!
はい、したいですね。でも失恋は、できることなら一生したくないです(笑)。

現場のことを聞くと、「本当に大変だったんですよ!」と饒舌(じょうぜつ)に話すのに、女の子の話になると急に静かになってしまう柳楽は、スクリーンでの志郎とはまた違った印象を受けた。「おれ、女子に嫌われているから!」という思春期まっさかりな発言はまさに16歳! この映画のような年上の女性との恋愛は「おれには、まだまだ遠い話」と語る柳楽が、真っ白な気持ちで演じた初めての恋愛映画『シュガー&スパイス 風味絶佳』。少年から青年へ……、そして役者としても大きな変身を遂げた柳楽のこれからの成長に期待していきたい。


市川海老蔵
『出口のない海』
戦争を知らない人たちに生きることの大切さを伝えたい

                               
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取材・文・写真:シネマトゥデイ
市川海老蔵の初主演作品『出口のない海』が、9月16日より公開される。今年29歳になる市川が海老蔵を襲名したのは、ほんの2年前。しかし、襲名直後に父・團十郎が白血病で入院し、海老蔵はたった1人で襲名披露をやり遂げた。そして、それから半年も経たないうちに彼が踏んだのは「映画」という新しい舞台だった……。新之助時代からの多くのオファーを断り続けてきた海老蔵が、ようやく主演を決意した『出口のない海』。28歳まで、スクリーンへの挑戦を待ち続けた理由、 そして、初めての主演映画への思いは……。「日本人が、知っておかなければいけない事実」を伝えるため、人間魚雷“回天”に命を賭けて乗り込む青年を熱演した市川海老蔵に話を聞いた。

■映画初主演作に悲しくてつらい作品を選んだ理由
Q:本作の前にも、多くのオファーがあったと思いますが、市川海老蔵として映画デビューする時期をここまで待ったのはなぜだったんでしょうか?
初めての試みなので、きちんとした作品に参加したかったんです。確かに、これまでもいろいろなお話をいただいていましたが、これはやっぱり縁とタイミングで、結婚みたいなものですね。たまたま、すべてのタイミングがうまく合っていたんです。
Q:『出口のない海』を、デビュー作に決めた理由を教えてください。
やっぱり、最近の僕たちの世代って戦争を知らない人が多いですよね。もちろんそういう若い人に限らず、戦争という事実は、日本人が知っておかなきゃいけないことの1つかなと思うんです。確かにエンターテインメント性があって楽しい作品もいっぱいあるし、きれいな作品もいっぱいあります。そういう作品もゆくゆくは演じていきたいと思っていますが、戦争というつらい現実を生きざるを得なかった若者がいたということを、自分の演技を通して伝えたかったので、出演を決めました。
Q:実際に回天を目にして、どんな印象を持たれましたか?
棺おけ……、ですね。「これ、人が乗るの?」って思いました。僕は意外に体ががっちりしているほうなので、狭いんですよ。回天は、中からは絶対に開けられない構造になっているので、ふたをと閉められると「どうしようこれ、ほったらかしにされたら……。」と怖かったですね。でも、並木たちはそんな“回天”に乗らないと戦局は逆転しないと言われたんですよね。それでも「逆転なんてできないんじゃないか……」って心のどこかで思いながら乗っていったんじゃないでしょうか。複雑でしたね。

                               
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■初めて“普通の人間”役に挑戦
Q:役作りをする上で、一番大事にした部分はどこですか?
これまで演じてきた役は、個性の強い役や人間離れしたような役が多かったんですが、今回はいたって普通の人間なんです。それが僕の中で、一番大きかったことですね。
Q:戦時下に生きる若者“並木”を演じてみていかがでしたか?
演じているときは、とにかく普通でいようと思っていました。たとえば武蔵を演じたときは、口調であるとか、いろいろな部分を強調していたんです。でも、今回の場合は逆にそういう強調する部分をカットして演じました。戦争中という状況に関しては、逆に意識しませんでした。あのころに生まれていれば、戦争に行くことは当たり前で、空軍に行くか、海軍に行くか、自分で決めて、そして赤紙がくれば行くという……。だから、彼らに迷いはないんですよ。僕たちの視点で見ると、戦争に行くことってすごいことなんじゃないの? っていう風に考えてしまうと思うんですが、彼らの視点で見れば、当たり前のこと。変に気負うことで余計なものが映りそうな気がしたので、なるべく自然に演じるように心掛けました。
Q:並木は赤紙を待たずに、自ら海軍に志願していきました。あの行動は、理解できましたか?
彼の取った行動というのは、本当にいろんなことが重なった結果だと思います。野球部の友だちが出征していったり、周りの環境も「行く」ようになっていたり……。どちらにせよ、いつかは戦争に行かなければならないですからね。彼の場合は戦争が終わるギリギリだったから、演じていてとても切なかったです。でも、そんな状況なんて、彼には分からなかったですもんね。
Q:主人公・並木の死について、どう思われましたか?
「僕は回天を残そうと思う」という言葉にあるように、彼はこの兵器を残すために死んだと思うんです。記念館などに行きますと、いろいろな手紙や資料が残っていますよね。彼の場合は、自らが回天に入って、いつかこの兵器を知ってもらうため、ある種のタイムカプセルに入るような気持ちで、死んでいったのではないのかな……と思います。

■山ごもりで鍛え上げた精神力
Q:海老蔵に襲名して2年、こうして映画でも主演デビューを果たされたわけですが、役者としてのご自分に変化はありましたか?
襲名前、これは父が襲名したときにも、同じことを体験したそうなんですが、大峰山で修行をしたんです。どんなことをしたかというと、縄を背中に巻いて崖から落とされるんです。ただの縄なんでちょっと手を離すと落っこちちゃうんです。しかも、命綱は人が2人で持っているだけで、結構おっかない(笑)。やはり、あの経験をするのとしないのとでは、違うと思いますね。武蔵を演じていたときに、剣を教えていただく方に「いちばん大切なことは、平常心」と聞いたんです。例えば5メートルの幅の道を歩くのはなんら怖くはないけれど、その道の両側が絶壁だとしたら誰も歩けない。でも、5メートルの幅という気持ちを自分の中で持っていれば、渡れるんですよね。あの修行で自分の平常心がとても鍛えられました。並木を演じる上では、この精神はあまり役に立ちませんでしたが(笑)、役者として舞台に立ったり、カメラの前に立ったりしたときにとても大切なことを、あの経験から学べたと思います。
Q:話は変わりますが、並木の野球部時代の投球フォームが完ペきでしたね。野球の練習はされたんですか?
フォームがきれいなのは、先生が良かったんだと思います(笑)。僕は野球をあまりやったことがなかったので、撮影の1か月前から西武の鹿取投手にコーチしていただいたんです。本当は右利きなんですけど、左のほうがうまく投げられたりして……、よく分かんないですよね(笑)。左の関節のほうが柔らかかったみたいです。でも映画では、ちゃんと右で投げていますよ。
Q:では、この映画で野球に興味を持たれましたか?
あっ、甲子園(高校野球)は見ました。斉藤くんと田中くんの試合を見ました。ゆうちゃんね! いや、高校野球って、ぜんぜん見てなかったんですけど、あの試合は見ましたね。映画の撮影の前に見たかったなあって思いました。

                               
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■未来のためにきちんと生きることが大切
Q:それでは最後に、本作に込められた思いをお聞かせください。
僕たちは、彼らの時代に比べれば、恵まれています。彼らの時代は、ご飯粒ひとつ食べるのが本当に大変だったんですよね。そんな時代があったからこそ、今の僕らがこんな風にありがたく日々を生かされている。そういうことを、やっぱりわれわれは認識せずに自然に生きている部分があると思うんです。今後日本はどうなるか分かりませんが、少なくとも今はいい方向には向かっていない。だから、自分たちの子ども、孫が幸せに人生を歩めるような日本にするためにも、僕たちがちゃんと生きることが大切だと思うんです。映画を観ていただいたことで、そういう気持ちを見つめ直すきっかけになればいいと思いますね。

“歌舞伎界のプリンスの初主演映画”、聞くだけで華々しい映画が想像されていたにもかかわらず、彼が選んだのは、つらく悲しい歴史を描いた作品だった。しかし、日本人が忘れがちな歴史を伝えるために出演を決めた、海老蔵の決断に迷いはなかった。歌舞伎界の未来を背負っている男だからこそ、彼はこの作品を選んだのかもしれない。自らが語った通り、いつものアクの強い演技を抑え、静かに死を受け入れる青年を熱演した彼は、新之助時代には見られなかった自信にあふれていた。歌舞伎という舞台に、幼いころから立ち続け、常に平常心で演じ続ける成田屋11代目市川海老蔵。彼にとって、役者人生とはまだ始まったばかりなのかもしれない。


松雪泰子
『フラガール』
何度も壁にぶつかり、挫折を味わいながら演じた

                               
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取材・文:平野敦子 写真:亀岡周一
『子ぎつねヘレン』に引き続き『フラガール』に出演。堂々と主役を務め、見事なタヒチアンダンスも披露してみせた松雪泰子。昭和40年代に都会から炭鉱の町にやって来た、モダンで鼻っ柱の強いプロのダンサーを熱演した彼女に、ハードなダンスレッスンから役作りに至るまで、本作の魅力について思う存分語ってもらった。

■1日6時間から8時間のハードなダンスレッスン
Q:フラダンスのシーンが圧巻でしたが、どれぐらい練習されたのでしょうか?
撮影に入る前に2か月集中して練習しました。最低でも6時間、多いときには8時間ぐらいレッスンをしました。
Q:ケガをしたり、体を痛めたりはしなかったですか?
それはなかったですが、ひざを曲げた状態で腰を低くして動く民族舞踊なので、かなり下半身が鍛えられました(笑)。わたしが踊ったタヒチアンダンスというのは、連続して下半身を回したり、細かく揺らしたりするので、けっこうハードでした。
Q:もともとダンスを習っていたのでしょうか?
小学校1年生のときにバレエを1年ぐらいやっただけなので、ほぼ経験のない状態でした。
Q:途中でつらいと感じたことはありましたか?
あります、あります(笑)。プロのダンサー役でしたので、技術も高度なものを要求されていて、そういうプレッシャーはありましたし、踊りを覚えるだけではなく、プラスアルファの表現力も必要という大変さはありました。ある程度のところまではいくんですが、その先伸び悩んでしまったり、何度も壁にぶつかったり、挫折を味わいながら演じていました。
Q:今回一番難しかったシーンはどこでしょうか?
蒼井優ちゃん演じる紀美子に愛情を持ってレッスン場で怒るシーンですね。笑いたくなくても笑わなくてはいけないというつらさを自分も十分に分かっていながらも、あえて強く言うところです。難しかったのは、変化していく細かい心情の部分を、そのたたずまいや表情の変化という行間の芝居で見せることでした。
Q:ソロで踊る重要なシーンがあったので、プレッシャーもかなりのものだったのではないでしょうか?
あのシーンは、やる気もなく自暴自棄な状態で炭鉱の町にやって来たプロのダンサーが、殺伐とした感情をぶつけながら踊っているという場面なんです。踊っているうちに、彼女の感情もだんだんよみがえってくるというか……。それが迫力にもつながり、そのダンスを見た少女たちが「先生みたいに踊りたい!」と思うきっかけになるシーンでもあります。

                               
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■振り付けは完ぺき!
Q:今回役作りで苦労した点があれば教えてください。
わたしが演じたまどか先生というのは、感情表現がストレートで、爆発的に感情を表に出すキャラクターなので、演じる上では面白みがありました。撮影に入る前に監督と話をして、こういう人物像にしましょうということは決まっていたので、あとは自分なりにイメージを膨らませたんです。すごく弱い部分を持っているのだけど、あえてそういう部分を隠して強く見せようとしている落差の部分とか、町の人と触れ合っていくにつれてどんどん変化していく心情の部分を細かく見せたいと思いました。
Q:まどか先生になりきるために努力したことはありますか?
人に教えるシーンが多かったわけではないのですが、みんなが踊る振り付けに関しては細かいステップも全部覚えました。対面で教える場合は鏡に向かって動くので、通常の振りと逆方向の振りも覚えて、どんなときでもフラガールの子たちの動きを把握できるようにと思って努力しました。それだけ準備したおかげで、現場でこういう動きを付けたいんだけど……といったときに、それならこういうアプローチがありますよと言える準備はできていました。
Q:何曲ぐらいの振り付けを覚えたのでしょうか?
そうですね……(と指折り数えながら)、6曲か7曲は完ぺきに覚えました。
Q:蒼井優さんや“南海キャンディーズ”のしずちゃんとの共演はどうでしたか?
優ちゃんはとてもストイックな努力家で、妥協しないところが素晴らしいと思いました。一緒に同じダンスをトレーニングしていたので、つらさも共有できたと思いますし、共演してすごく楽しかったです。しずちゃんはいつも現場を和ませてくれる、見た通りのあのままの感じですね(笑)。

■個人的に思い入れの強い作品
Q:この映画をご自分でご覧になっていかがでしたか?
一度しか観ていないのですが、なかなか客観的には観られなくて……。現場で過ごした時間も長かったですし、すごく思い入れのある作品です。
Q:ラストのフラダンスのシーンをご覧になった感想を聞かせてください。
長い間みんなが努力して作り上げた素晴らしいシーンだと思います。わたしも観ていて感激しました! 本当に何もできないところから始まったので、それを考えるだけでもすごい成長だと思いますし、映画の中での出来事がそのまま自分たちの姿と重なるわけですから、よりリアルで感動も大きかったです。
Q:実際この映画のモデルになった先生はどのような方ですか?
すごくパワフルな方で、一生懸命になるとテンションが上がり過ぎて何を言っているか分からないなんてこともありました(笑)。その一生懸命さがわたしたちにはすごく伝わってくるんです。女性としての人生というより、すべてを常磐ハワイアンセンター(現:スパリゾートハワイアンズ)に捧げた方なので、そのプロ意識の高さは尊敬しますし、学ぶべきことはたくさんありました。
Q:常磐ハワイアンセンター(現:スパリゾートハワイアンズ)はいかがでしたか?
仕事だったので、あまり堪能できなかったのが残念です。でも露天風呂には一度入りました。またプライベートでも行ってみたいです。
Q:では、最後にこの映画の魅力についてメッセージをお願いします。
ストーリーは炭鉱が衰退していく中で、その町を再生していくというすごくシンプルなものです。新しいものを生み出していかなくてはならない、変化していかなければならないという中での人々の葛藤(かっとう)や対立、そこで人々が希望を失わずに生きていくということや、それぞれの立場での女性の生き方がすごくリアルに描かれています。ぶつかり合う中で物事を成し遂げる達成感や、あきらめない姿勢、情熱を感じてもらえると思います。きっと、どの年代の人が観てもすごく共感できる部分があるはずです。女性たちは勇気をもらえるだろうし、元気になれる映画だと思うのでぜひ観てください!

                               
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普段のおしとやかなイメージとは180度異なる、直情型のヒロインを体当たりで演じきった松雪泰子。自分のパートではないフラの振り付けを完ぺきに覚えるなど、役に対してのひたむきな姿勢に女優としての意気込みがひしひしと感じられた。美しいだけではなく、彼女の言葉で言うところの“プラスアルファ”を身に着けた彼女は、今まで以上に女優として、そして人間としても光り輝くに違いない。
ヘアメイク:冨沢ノボル(cube)
スタイリスト:長谷川みのり







オダギリジョー
『蟲師』
無理にしがみつかず流れるまんまでいいんじゃないかな

                               
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取材・文:中山治美 写真:(C) Jean-Louis TORNATO
8月30日から9月9日までイタリアで開催された、第63回ヴェネチア国際映画祭のコンペ作品として出品された『蟲師』(むしし)。漆原友紀の同名コミックを実写映画2作目となる大友克洋監督が映画化したSFファンタジーだ。本作品の公式上映のためにヴェネチア入りしたオダギリジョーに出演作のことや現在の心境について現地で話を聞いた。

■2作品同時期に撮影
Q:『ビッグ・リバー』でベルリン国際映画祭、『ゆれる』でカンヌ国際映画祭、そして『蟲師』でヴェネチア国際映画祭と、一年間で三大映画祭を制覇。オダギリさんが赤じゅうたんを歩く姿は、『アカルイミライ』がカンヌのコンペティション部門に出品された時から見ていますが、あの時は、目がキョロキョロと泳いでいて……。舞い上がっていましたよね?
ええ。あの時のことはほとんど覚えていないですから(苦笑)。今回は気持ちが楽でしたよ。ヴェネチアは雰囲気が良くて。カンヌはあまりにもカメラマンと観客の数が多くて、ストレスになります。
Q:公開作が相次いでいるのですが、『蟲師』の撮影をいつの間にしていたのですか?
去年の夏ぐらいですね。ちょうど今頃撮っていました。『ゆれる』の前……いや違う。『蟲師』の撮影がちょっと押して、『ゆれる』がカポっと間に入っちゃったんですよ。だから、一か月間、『蟲師』の撮影を抜けて、『ゆれる』を撮ってからまた戻って来ました。
Q:えっ!? そんな状況の中で、良くあの緊迫感溢れる心理劇『ゆれる』が撮れましたね。
合間ですもんね。僕もビックリしましたよ(笑)。
Q:『ゆれる』は兄弟のきずなで揺れるカメラマン役で、『蟲師』は虫の生態を研究し、人智に及ぼす影響を紐解いていく役。まったく異りますが、気持ちの切り替えはできるんですか?
どちらかというと『蟲師』は時代劇だし、感情の動きがあるシーンが少ない。その抑えていた感情を『ゆれる』の現場へ行って爆発させていたという感じで、逆に良いバランスができていましたね。

                               
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■あの『AKIRA』の大友克洋
Q:『ゆれる』は20歳代最後の代表作にしたいと出演したと言っていましたが、本作品は? やはり“世界の大友”に引かれたんですか?
そうですね。大友さんは嫌がりますけど、一度、あの『AKIRA』を作った人と一緒の現場を経験したいと思いました。大友監督の漫画は、“超能力”というと安っぽくなってしまうけど、“人間の使われていないエネルギー”を扱う作品が多いと思うんですけど、『AKIRA』は僕の中でそういう題材の作品を見た初めての経験だったんです。
Q:大友監督はなぜこの漆原友紀さんの原作を選んだのか多くを語りませんが、今、オダギリさんが言った“人間の使われていない~”という言葉を聞いて、なるほどと思いました。
多分、そういうことなんだと思います。主人公ギンコの、目に見えない蟲が見えるという不可思議な力に興味を持たれたんでしょうね。
Q:大友監督からはギンコを演じるに当たり、事前に何か参考にすべき事柄などの提示は?
全くなかったですね。ただ、“蟲師”という仕事は漆原さんのオリジナルですが、かつて、日本の山地を漂泊し、竹細工などを売り歩いて暮らしていた方たちに、ニュアンス的に近いという説明を受けました。彼らは独特の隠語を使っていたようで、それを劇中の蟲師たちの会話で参考にしたと。だからと言って、その方たちに実際に会いに行ったというワケではないのですが。
Q:原作は知らなかったそうですが、実際にギンコという役にどのように取り組みましたか?
それが、原作の漆原さんがですね、僕が出演していたライフカードのCM「モンゴル編」を見て、「ギンコはこの人だ」と推薦してくれたらしいんです。そのCMは、僕がただモンゴルで、マントを羽織ってボーっと立っているだけだったんですけど、だから「あの雰囲気を醸し出せたらいいんだ」と迷いもなく取り組めました。
Q:どんな役でも演じておくものですね(笑)。
そうですね(笑)。
Q:アニメ出身の大友監督の演出は独特なのでしょうか?
とにかく“間”を取るんですよ。「セリフをゆっくり言ってくれ」とか、「セリフとセリフの間を延ばしてくれ」とか、芝居の事よりもタイミングに関することが多く、そういう演出は初めてでした。大体、どの監督も“間”を縮めようとするものなので、それはすごく印象に残っています。撮影している時なんか、普通、1分ぐらいで終わるシーンが3分も4分もかかるから、これは上映時間4時間以上になるんじゃないかと思っていたんですが(笑)。でも出来上がった作品を見て、この作品全体にゆったり流れる空気というのは、そういう“間”から生まれるものなんだなと納得しました。監督は、そういうのを狙っていたんでしょうね。

■肩の力が抜けてきた
Q:ロケ地が人里離れた山奥だったそうで。
滋賀県の琵琶湖周辺だったんですけど、機材とかヘリコプターで運んでいましたからね。僕ら役者も、森を登ったり下ったり。しかも真夏なのに冬の衣装だから、ギンコの白塗りメイクが落ちないようにしなきゃいけなくて。あとは蚊とか、虫との闘いでした。
Q:劇中以外でも本物の虫と格闘を(笑)。
ヒルですよ。水に入るシーンが結構あって、その度にヒルに噛まれて血が出て(苦笑)。
Q:それにしても、この作品といい、現在撮影中のベストセラー小説の映画化『東京タワー』といい、1作1作がすごく中身の濃いものになっているように感じます。
そうですか? 自分ではそれほど意識してないんですけど。
Q:それに反し、端から見ていて思うのは、『ゆれる』にテレビ朝日系ドラマ『時効警察』そして『蟲師』と、演じているオダギリさんの肩の力が抜けてきたように感じます。
そうですね(苦笑)。
Q:役との向き合い方が違ってきたのですか、それともカメラの前に自信をもって立つことができるようになったのでしょうか。
いや、多分、どうでもいいんでしょうね。
Q:“どう映る”、“どう撮られる”ということに対して?
ええ。昔から良い芝居をしなきゃという意識はあんまり持たないようにはしていたんです。でもまぁ、やっぱりね、10年ぐらい芝居にかかわってきて、ふと「良い芝居をしたところで、僕の人生は充実するんだろうか。もっと幸せになることは他にもあるんじゃないか」と思ってきて。芝居に対してのガツガツさ、この役をどうにかして、どうかしてやろうという気持ちがなくなったんですね。
Q:自分の芝居だけにのめり込んで、周囲が見えなくなっていた時期もあったんですね。
そうですね。根本的にこういう仕事ってどんどん飽きられていくしかないし、飽きられたら飽きられたでいい。それは、『蟲師』のテーマにもつながると思うけど、流れるまんまでいいんじゃないかなと。別に、役者という職業にしがみつかなきゃいけない気持ちも全くないですし。日本って平和だし、良い国だからどうにか生きていけるじゃないですか。良い芝居をすることよりも、良い人生を送る方が大切だなと思って。
Q:それが芝居に良い具合に反映されています。
良い反映のされ方だと良いんですけどね。「肩の力が抜けて」と良い風な捕らえ方だと良いんですけど、「やる気がなくなった」と言われるとマズイんですけど(苦笑)。
Q:では今秋、2002年製作の映画『HAZARD(ハザード)』(園子温監督)が公開されますけど、昔の自分を見るのはちょっと恥ずかしいですか?
決して映画を観るのはイヤじゃないんですけど、恥ずかしいですね。『アカルイミライ』の後ぐらいに撮ったのかな? 顔ももちろん若いんですけど、芝居もすごく若いんですよ。やっていることが若い。でも一生懸命という感じで。

                               
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■逝去したカメラマンへの思い
Q:ちなみに、役者以外での楽しみは見つかったんですか?
いろいろやりたいことが多いんですよね。せっかくの人生だからいろいろ楽しみたいし。前々から音楽もやっていますし、映像を作るのこともやりたいんですよ。
Q:残念なことに、その転換期となった『ゆれる』のカメラマン高瀬比呂志(享年50)が脳梗塞のために、ヴェネチア映画祭期間中の7日に亡くなりましたね。
本当にまだ信じられないんですけど……。高瀬さんには映画『プラトニック・セックス』(2001)で初めてお会いしたんですけど、あの作品は初めて本格的に映画に出演したような作品で、本当に自分のことしか見えてないような頃だったんです。そして『ゆれる』で再会したんですけど、あの頃の自分を一番知っている高瀬さんがカメラマンだというのが一番のプレッシャーだった。「成長した自分を見せなきゃ」という気持ちも生まれますしね。本当はそんな気持ちは、芝居にとって邪魔なんですけど。でもやっぱり高瀬さんに「成長したよな」とか「良い芝居をするようになったな」と思ってもらいたい。だからあの演技は、高瀬さんに投げかけていたような部分があるんです。
Q:高瀬さんは何か言葉をかけてくれましたか?
いや、高瀬さんはそういう明らかな言葉はくれなかったような気がします。でも撮影の合間に一緒に過ごした時間の中でそういう高瀬さんの気持ちは少し感じられたと思っています。
Q:でも映画を見たら高瀬さんの愛情は感じますよね。あんなに役者の良い表情を捕らえてくれて。
ええ、そうですね。

オダギリさんは帰国後、成田空港から高瀬さんの告別式に直行しました。改めて、日本映画界に大きな功績を残した高瀬さんのご冥福をお祈りします。
快乐时大笑,难过时痛哭

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 楼主| 发表于 2008-4-3 17:23 | 显示全部楼层
池脇千鶴
『ストロベリーショートケイクス』
死ぬほどつらい大失恋をしても生きていけます

                               
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取材・文:福住佐知子 写真:シネマトゥデイ

魚喃キリコの同名コミックを映画化し、4人のヒロインが恋愛や人生に思い悩む姿を描いた『ストロベリーショートケイクス』。大失恋を乗り越え、恋に恋する里子役に池脇千鶴、一途なデリヘル嬢の秋代役に中村優子、過食と嘔吐を繰り返す塔子役に岩瀬塔子、結婚に執着するちひろ役に中越典子がふんし、それぞれのヒロインを演じた。等身大のラブストーリーに挑戦した池脇千鶴に、役作りや自身の恋愛感などについて話を聞いた。

■毎晩1人で晩酌
Q:どんなところに引かれて出演を決められたのですか?
脚本が送られてきて、読ませていただいて、「この映画を観たいな」と思えたので出演を決めました。
Q:原作と映画の違いはありますか?
原作は脚本を読んだ後に読んだのですが、とっても面白かったです。映画は原作の世界観を崩さずに、うまくエピソードが膨らんでいると思います。
Q:里子との共通点や相違点はどんなところですか?
似ているなと思うのは、里子は彼にフラレてしまって、「もう生きていけない、死のう」と思うんですが、それでも生きているんです。わたしも同じだなって思います。「大好きだから離れないで欲しいな。離れたらもう死んじゃう」と思うような相手に失恋しても、ぜんぜん生きてます(笑)。毎晩1人で晩酌(ばんしゃく)しているところも一緒ですね。里子は1人で生きていて、悩みがあっても、凛として生きているところがかっこよくて憧れますね。

                               
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■恋愛に悩むヒロインたちに共感
Q:ご自身が演じられた里子以外のヒロインについてはどんな印象を持ちましたか?
秋代さんは切なすぎる。気持ちは分かるんですが、「楽しいって大切なことですか?」という秋代のセリフを聞いたとき、「楽しいことって大切だよ!」とわたしが教えてあげたくなりました。でも、自分で稼いできたお金をスーツケースにぽんと入れたり、彼のためだけに生きたりしているところはかっこいいですよね。塔子は1人で一生懸命プライドを持って、プレッシャーやストレスを抱えながら仕事をしていて、とても共感できます。女優という仕事も最終的には1人で仕事をしている職業なので、どこかで気持ちをすり減らしている部分は一緒ですね。ちひろの恋にすがって生きるというのも分かるんです。わたしも押し付ける恋愛をしたことがあるから、見ていて痛々しいと思いましたね。
Q:里子以外で演じるとしたら誰がいいですか?
里子はわたしを想定して書いてくださったと撮影後に聞きました。最初は、「里子とちひろ、どっちをやりたいですか?」と聞かれたんです。4人とも魅力的ですが、一番魅力を感じたのは塔子ですね。

■本物のデリヘル嬢に話を聞いた
Q:映画の最初に里子が元彼にしがみついて引きずられていく衝撃シーンがありましたが、どのように撮影されたのでしょうか?
そのまんま、本当に引きずられました。めったに無い経験でした(笑)。引きずられて服が破けてしまうので、衣装さんが気を配ってくれました。
Q:里子は最初デリヘル(デリバリー・ヘルス)でアルバイトをしていますが、役作りで何かリサーチしたことはありますか?
実際にデリヘル嬢の方とお会いする機会があって、そのときお話を聞きました。役柄としては、ただ電話を受けるだけだったので、意外と簡単でした。あと、脚本に書いてあった通り“ちょっと甘い営業用の声”で演じました。
Q:実際にアルバイトをした経験はありますか?
一度もないんです。

                               
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■急きょ小型免許をとった
Q:監督の印象について教えてください。
監督は4人のヒロインを抱きしめてあげたくなったとおっしゃっていましたが、わたしも同じ気持ちです。現場には監督の持っている独特の柔らかい雰囲気が満ちていて、信頼感を持って仕事ができました。監督も「好きに里子をやってくれてかまわないんだよ」と言ってくださったので、その言葉のまま自分なりの里子を演じました。
Q:ベスパ(スクーター)に乗るシーンのために免許をとられたんですか?
小型免許を取りました。50ccの原付でもよかったのですが、秋代さんを後ろに乗せるシーンで練習をしているとき、50ccより125ccのほうがしっくりしたので、撮影の1週間前に急きょ小型免許を取りに行きました。

■女の子はみんな一切れのショートケーキ
Q:好きなシーンはどこですか?
ヒロインの4人が出ているラストの海辺のシーンです。「恋でもしたいっすね」って里子が言って、歌が流れるシーンが、鳥肌が立つというか……「ああ、いい映画だな」と思いました。
Q:『ストロベリーショートケイクス』というタイトルから受ける印象は?
女の子は甘くてもろくてみたいな意味もあるんですが、ショートケイクスっていうのはホールじゃなくて一切れずつなので、ひとりひとりが生きているという意味があると思います。
Q:この映画を観客にどんな風に観てもらいたいですか?
ここを観て欲しいと押し付けるつもりはまったくなくて、この映画をそのまんま感じてもらいたいですね。

                               
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「気負わないで生きることを大切にしています」と自身のモットーを語る池脇は、ヒロインの恋愛話に絡めて自分の恋愛についてもさらりと語ってくれた。さらに、「夜は1人で晩酌(ばんしゃく)してるんです……」と意外なプライベートも告白。キュートな笑顔が印象的なだけに、幼い印象を受けがちだが、実際はしっかりと自分の意思を持った大人の女性であることがうかがえた。女優としての存在感や演技力も抜きん出ている上に、気取らず自然体な素顔を持った彼女の今後の活躍からは目が離せない。


白石美帆
『ベルナのしっぽ』
子どもを産みたいと思ったら産んでもいい?と聞きます

                               
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取材・文:平野敦子 写真:シネマトゥデイ
『スウィングガールズ』への出演や、長寿テレビ番組「スーパーサッカー」で顔を広く知られるようになった白石美帆。そんな彼女が、ある家族とアイメイト(盲導犬)の心の交流を描いた『ベルナのしっぽ』で映画初主演を果たす。原作は70万部を超えるベストセラーとなった、郡司ななえの同名の著書。その難役に挑戦した彼女に映画初主演の感想や、アイメイトとの共演について語ってもらった。

■アイメイトとの共演は最高!
Q:映画初主演ということでプレッシャーはなかったのでしょうか。
主演ということのプレッシャーはありませんでした。原作を読ませていただいたときに著者である郡司さんの実際の物語が反映されているので、初主演というよりも自分がその世界を壊したくないと強く思いました。
Q:とてもチャレンジングな役だったと思いますが、苦労したことはありますか?
そうですね……、苦労した点というよりも、まずは何が苦労か分からないところから始まったんですよ。わたしは健常者として生きてきたので実際に目も見えているわけですし。24歳で視力を失った女性がどこまで強く生きていられるんだろうと考えたり、あとは目が見えていなくても逆に見えているものってたくさんあるんだなと感じながら演技をしました。わたしが本当に衝撃を受けたのは、目が不自由でも普通に揚げ物もするし、料理も何でも普通に作るんだという事実なんです。やはり自分もすごく偏見を持っていたんだな、と思いました。
Q:白石さんも犬を飼われているということですが、アイメイトとの共演で苦労はなかったのでしょうか。
全然ありませんでした! かわいくてしょうがなかったですね(笑)。撮影の合間は一緒に連れて移動もしましたし、お散歩にも行きました。毎朝、毎晩のご飯はわたしがあげていたので、わたしを見ると本当にすごい勢いで走って来るんですよ。それを見るとわたし自身すごく癒されて「今日もがんばろう!」と思っちゃうんです。

                               
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■愛犬ショコラが嫉妬(しっと)!?
Q:ベルナ役のポーシャちゃんとの相性はバッチリでしたか?
向こうはどう思っているかは分からないですが、わたしはバッチリだと思っています(笑)。
Q:お別れは寂しくなかったのでしょうか?
すごく寂しかったですね。撮影中は家に帰っても飼い犬のショコラに愛情を注げなかったりしましたから。ショコラはわたしにポーシャの匂いが付いているので「どこに行って来たの?」というような顔をして、すねていました(笑)。
Q:主人公のしずくは普通の生活を望んでいました。それはとても難しいことだと思うのですが、白石さんはどう思いますか?
人を匂いで識別したり、言葉のうそを感じとったりとか、本当に心のこもった言葉を聞き分けたりとか、今まで見えていなかったものや、感じられなかったものをすごく意識させられました。街を歩いていて、風が吹いたときに肌に触れる感触とか、木の匂いとか、太陽の光も熱で感じられて、すごくいい経験をさせてもらいました。しずくを演じているんですけれど、彼女と一緒に人生を歩んでいるような、凝縮された撮影期間でした。
Q:ひとりの女性の12年間を演じるというのは大変でしたか?
わたしは出産をしたことがないし、ましてや結婚もしたことがないので(笑)。家族作りって結婚がゴールではなくて、子どもが生まれて、成長していくにつれて自分も成長して家族が出来上がっていくものだと思うんですね。そこにベルナが加わって……。一般家庭とは少し違った幸せを表現できたらいいなと思ったし、逆に普通の家庭と変わらないんだよというところもメッセージとして伝えたかったです。

■しずくを演じて自分も成長
Q:主人公のしずくはとても芯の強い女性ですが、ご自分と重なる部分や、ここは違うなと思う部分があれば教えてください。
しずくが社会に対して強く生きる姿というのは見習いたいけれど、なかなかできないですよね。自分が悪くなくても人とぶつかったりするとつい「すみません」と言ってしまったり(笑)。しずくは常に堂々としていて、凛とした強さを持っていて、すごくすてきだなと思いました。彼女にはわたしのあこがれの女性という一面もあります。
Q:お気に入りのシーンはありますか?
父親と息子が「心の目で見るんだよ」と話しているシーンと、小学校の入学式で息子が「お母さんは目が見えません。でも心の目で僕を育ててくれました」と作文を読むシーンですね。あのセリフがすごく好きで、ぐっときてしまいました! わたしは子どもを産んだことはないけれど、こんなこと言われたらもうメロメロっていうか(笑)。家族でももちろん観ていただきたいのですが、女性が共感できる部分がすごく多いし、わたしもとても励まされたので、ぜひたくさんの方に観ていただけたらと思います。
Q:この映画を通してご自分も成長されたということでしょうか。
すごくたくましくなったし、物事に対する認識というのも変わっていったと思います。やはり自分は偏見を持っていないつもりでも、どこかで持っていたと思います。それはセリフを言っていて痛感させられました。冷たい目で見ているつもりはなくても、自分に何ができるんだろうと思うとつい遠慮してしまって……。実際そのときにできるかはどうかは別として、困っている人を助ける心の準備はできたと思います。

                               
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■しずくはあこがれの女性
Q:昭和の時代は“バリアフリー”という言葉自体も世間に浸透していなくて、今よりずっと困難な時代だったと思うのですが。
人のペースってそれぞれなので、たとえば自分が車を運転していて、横断歩道を若い女性がゆっくりと歩いていたとしますよね。そうすると「あぁ、きっと彼女は何かすごくつらいことがあるんだろうな」と想像できるような心の余裕がちょっとだけできましたね(笑)。機嫌の悪い人がいても「何かイヤなことがあったんだろうから今日はそっとしておこう」とか。最近はそこまで考えてしまうんです(笑)。
Q:もし自分がしずくと同じように目が見えなくなったとしたら、やはり同じように子どもを産んで育てて……という道を歩むと思いますか?
たとえば子どもを産みたいと思ったら、自分なら誰かにまず「産んでもいい?」って確認すると思います。そこがわたしとしずくとの違いかな。でも、ああやって学校に掛け合ったりする情熱にはすごく強いものがあるし。やはり結果的に人を動かしていくのは結局は一人の“熱”だったりするから……。そういう強さというのは見習いたいと思います。
Q:最後にこの映画の魅力について一言お願いします。
魅力はたくさんあるのですが、一言で言うなら“熱”だと思います。情熱というか、熱が人を動かしているというか。この映画の“熱”が広がればいいと思うし、活動的に行動していらっしゃる著者の郡司さんに負けないようにわたしもがんばりたいですね!

映画初主演とは思えない堂々とした演技で、目の不自由なヒロイン熱演した白石美帆。何事にも一生懸命でチャレンジ精神の旺盛な彼女の心根の優しさ、そして素直さがその受け応えに表れていた。本作への出演をきっかけに女優として、そして人間として大きく成長した彼女の、天使のようにチャーミングなほほ笑みに心癒される。テレビ、映画、そしてCMとマルチな才能を発揮する彼女の今後の動向から目が離せない。



松浦亜弥
『スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ』
がんばれないときは、「がんばらない」と割り切る

                               
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取材・文:シネマトゥデイ 写真:亀岡周一

浅香唯、南野陽子と歴代のアイドルたちが演じてきた「スケバン刑事」シリーズが、劇場版として18年ぶりに帰ってくる。伝説の主人公、四代目麻宮サキを演じるのは国民的アイドルあややこと松浦亜弥。トレードマークのあややスマイルを完璧に封印したスケバン演技を迫力たっぷりに演じた松浦に、初めての主演作『スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ』をたっぷりと語ってもらった。

■マッポってなに?
Q:初めて役が決まったときの感想を聞かせてください。
単純にすごくうれしかったのがひとつと、ただ「わたしでいいのかな?」って思いました。実際に、オリジナルが放映されていたときにわたしは生まれていないので、リアルタイムで見たことがないんです。セーラー服に、長いスカートに、昔はやった髪型みたいなイメージはあったんですが、それ以外はまったくないんですよ。まあ、怖かったり、キツイ性格っていうのは、自分の素の部分になくはないけれど(笑)、それでも難しいんじゃないかなあと思いましたね。
Q:脚本に出てくるスケバン用語は、分かりました?
“マッポ”の意味は、最初全然分からなかったんですけど、まあ流れからして警察のこと言ってるのかなあって(笑)。親に、「マッポって言う?」って聞いたら、「言わないよ。“サツ”しか言わないよ」って言われて(笑)。「そうだよねえ(笑)」って。わたし、イントネーションがおかしくて“マッポ”の発音がうまくできなかったんですよ。結局、テイク20くらいやっちゃいました!
Q:もしかしてお母様は、元スケバン!?
スケバンではないんですけど(笑)、昔ブイブイ言わせていた人たちですね~。だから、初代から2代目、3代目のスケバン刑事の写真を見たときも、「あ~、うちの親と同じような制服の着方してる!」みたいなのはありました(笑)。
Q:石川梨華さんとのタイマン対決は、いかがでした?
一番最初に撮った2人のシーンが、教室ですれ違うというものだったんですけど、お互い鼻と鼻がぶつかりそうになるまで顔を近づけて、それでもビクともしないっていう設定なんです。でも、めちゃめちゃ恥ずかしくて……。もう、どっちが笑う? みたいな(笑)。ほんとに、にらめっこ状態でした。

                               
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■とってもやさしい竹内力
Q:竹内力さん演じる吉良と、麻宮サキとの関係は、恋だったと思いますか? それとも、友情だったと思いますか?
恋の対象~~?、どうなんでしょう! どうかな、でもほんとにたぶん微妙なラインだったと思います。一番最後に、母親から「あの人、元気にしてる?」って聞かれて、若干のショックがあったと思うんですよ。2人だけの関係だと思ってたのに、上がいた~! みたいな。そういうのはあったと思うんですが、どっちだ! とは言えないですね。
Q:実際、竹内さんみたいな男性はいかがですか?
もともとすっごい好きなんですよ。うちの親もすごいファンだったんで、「力さん、一緒なんだよね」って言ったら、「マジ!? スゲ~、いいな~! 絶対観る~!!」って(笑)。うちのパパにも、「一緒に写メール撮って送ってよ」って頼まれて、実際送っときました(笑)。でも、力さんって普段のイメージが強くて、ちょっと怖いのかなって思ってたんですよ。でも初対面から、「わあ~、あややだ~」ってきて(笑)、「ええええ!? イメージと全然違う~!」ってビックリしました。ほんと、「あやや、かわいいっ!」なんて言っててかなり楽しい方でしたね~。

■パンチラは気にしない
Q:コスチュームの制服は、スカートがかなり短かったですが、パンチラとか気にならなかったですか?
サキちゃんの性格上パンチラを気にする子じゃないと思うんで、気にすることはなかったんですけど、逆に竹内さんとコンビニの前で話すシーンで、カメラマンさんに「ちょっと足閉じて」って注意されました(笑)。
Q:アクションでは、男の子たちをバタバタと倒していましたが、気分はいかがでしたか?
まあ、「やられたら、やり返せ!」とは言われて育ちましたけど、あそこまではできないじゃないですか。だからうまく決まったときは「めっちゃ、気持ちい~!」って感じでしたね。
Q:撮影中つらかったことはありました?
役については、サキちゃんをこれだけ自然に演じられているってことは、きっと自分の中に彼女の要素があるんだろうなって思いました。なにがつらいってスケジュールと寒さ! 雨がガンガン降ってる中やってるのに、なんで映んないの!? これもう、雨が映っちゃうから今日は撮影なしって流れじゃないの!? って(笑)。そればっかり祈ってましたね。それから、ほんとに寒かったんで、寒さで体が動かなかったりとか、見た目では分かりづらいと思うんですけど、制服の中なんて四枚重ねとか、平気でしてたんで……。それでも、寒い! みたいな(笑)。
Q:多忙なスケジュールでの撮影だったと思いますが、どれくらいの忙しさだったんでしょう?
いやもう、ひどいときはほんとにひどかったですよ。茨城のほうで5日間くらい撮ったロケがあったんですけど、たぶん毎日2時間も寝られてなかった……。一応、せりふも撮影前に入れていくんですけど、演じていくうちに、ここ変えたいとか、ここがサキらしくないとかそういうのが出てきちゃうから、「撮影終わりました、ホテル帰りました、あと何時間後にホテルを出なきゃいけません」ってなっても、自分が気持ちの整理をしなきゃいけなくて……。それで、気付いたら「あ、あと1時間しかない。とりあえず寝よう」って感じだったんです。

                               
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■がんばれないときは、がんばらない
Q:撮影中、眠くなったりしませんでした?
もうすっごい眠かったです! ちょっとした待ち時間でも、コテッですよ。コテッ、「はい出番です!」、はい起きるっみたいな……。一瞬にして寝ていましたけど、セリフだけは飛ばなかったですね。まわりが見えなかったです。集中していて、自分がいっぱいいっぱいで。ワイヤーアクションも一回宙返りしただけで、すんごい目が回っちゃったりとかしましたね。
Q:そんなにがんばれる、松浦さんの元気の秘訣ってなんでしょうか?
なんなんでしょうね。でも、がんばれないときは、がんばらないんで(笑)。集中力ないなあって思ったら、あきらめることにしてるかな。今日ダメだ……って、割り切って無理しないようにしてるんです。無理すると精神的につらくなっちゃう、しんどくなっちゃうんで、割り切ってます。だってすべてがすべて、上手く行く日なんてないですもん。今日ダメだったなあ、でもしょうがない! 人間だもの!って思うようにしています。で、イライラしたら、マネージャーさんに、マシンガントークをぶつけてるんです(笑)!
Q:映画を楽しみにしているファンの方々には、どう楽しんでもらいたいですか?
実は、今ツアーの真っ最中なんですけど、ファンの人には、この映画を観る時に今ステージにいるあややだと思って観るのは勘弁して欲しいって言ってるんですよ。登場から、拘束されてて……、うちの親ですら「誰?」ってなってたんで……。だから、わたしが現場で感じていたように、松浦でなくて、麻宮サキを観に行くつもりできてほしいですね。こんな顔しちゃったの? ってショックを受けないように(笑)。でもコンサートで「わたしと、サキは全然ちがう人間だから」って言うと、「うっそ、どこがあ~? そっくりじゃん!」ってファンの人にすごく言われるんで、「うるさいよ」って怒ってます!(笑)。

こちらの質問に一度も詰まることなく、ハキハキと答える松浦亜弥。キュートな笑顔を見せる彼女の姿は、「てめえら、全員ヤキ入れんぞ!」とタンカを切っていたスクリーンの麻宮サキと、到底結びつかなかった。コンサート中にも関わらず、この日も多くの取材を笑顔でこなし、撮影中も睡眠2時間という過酷な状況下でワイヤーアクションなどをこなしていた松浦の芯の強さは、たった1人で敵と戦う麻宮サキの持つ強さに通じるところがあるのかもしれない。



沢尻エリカ
『オトシモノ』
仕事もプライベートもガッツリいきます!

                               
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取材・文:シネマトゥデイ 写真:亀岡周一
『パッチギ!』の熱演で、日本アカデミー賞など、さまざまな映画賞の新人賞を総ナメにして以来、テレビ、映画と活躍し続けている沢尻エリカ。9月30日より、彼女の初主演作『オトシモノ』がいよいよ公開される。失踪(しっそう)した妹の行方を追い、恐怖の真実へと迫っていく、内気ながらもシンの強い主人公を演じた沢尻が、仕事のこと、あこがれの人の話などを語ってくれた。

■念願のホラー作品で映画初主演
Q:ホラー映画のヒロイン役はいかがでしたか?
もともとホラー映画は好きだったので、うれしかったです。怖いの平気なんです。キャーキャー言いながら観ちゃうんですよね! だから、ホラー映画は「やってみたい!」って思っていました。
Q:初主演ということで、プレッシャーはありませんでしたか?
それが、全然なかったんです(笑)。『パッチギ!』のころから、そうなんですけど……。なんかちょっと特殊なんですよ(笑)。緊張とか、本当にしないんです。
Q:完成された映画をご覧になって怖い場面はありましたか?
CGが自分の想像を超えていたので、「ハッ」となるシーンも多くありましたね。電車に乗って逃げていくところが、すごく怖かったですね。びっくりする怖さや、じわじわとくる怖さといろいろな恐怖が混ざっているので、ホラーファンとしてはすごく楽しめました。

                               
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■意外にも一匹狼だった高校時代
Q:奈々という役柄は、入り込みやすかったですか?
ああいう感じの子はいますよね。でも、高校生ってグループになるじゃないですか? わたし奈々みたいにグループって属したことがなくて、結構一匹狼でした(笑)。でも、別に暗いとかじゃなくて、いろいろなグループの子と仲が良かったですね。
Q:失踪(しっそう)した妹を探し続ける奈々でしたが、姉妹はいらっしゃるんですか?
わたしは男兄弟の中で、育ってるんです。だから、逆に新鮮でしたね。わたしは末っ子で、一番上のお兄ちゃんとは6歳も年が離れてるんです。だから、すごく優しくされるんですけど……、叱られることもあります(笑)。映画の姉妹の関係と似ているので、責任感のある姉の奈々を演じるときに参考になった部分はありましたね。

■同じ事務所の安藤政信の大ファン!
Q:いろいろな役柄を演じられていますが、これまでの作品で1番ご自身に近かった役柄は?
ん~、ないです! そういうことってあまり意識したことはないんですけど、自分が演じる役だから、どこかに自分と同じ要素を持っているんですよね、きっと。でも、自分にすごく近い! って感じた役は、正直まだないです。
Q:第15回東京スポーツ映画大賞で、安藤政信さんがプレゼンターとして登場したときに一瞬女の子モードの沢尻さんが見えた気がしたんですが……。
大好きなんです(笑)! 事務所の先輩なのに、一度もお会いしたことがなくて。あのときは「まさか……、まさか!」って本当にびっくりしちゃって、「キャー!」ってなっちゃっていました。すっごいうれしかったなあ……。今まで芸能人を見ても、あんなにはしゃぐことはなかったのに(笑)。ほんと、はしゃいじゃいましたね。
Q:今度、恋愛映画で安藤さんと共演されるチャンスがあればいいですね!
え~、そんなのほんとうにあったら、すっごいうれしいですね。ねっ! 芝居なのかなんなのか分かんなくなっちゃいそうです!

                               
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■仕事もプライベートも“ガッツリ”が信条
Q:『パッチギ!』以来大活躍され続けている沢尻さんですが、あのころから今までを振り返られていかがですか?
あれから2年……、だいぶ働いたな~って感じです(笑)。いろんなものを見て、いろんな変化があった2年間でした。プライベートでも、仕事面でも、20歳も迎えましたしね。20代はやりたいことをやって、いろんなことを吸収して、仕事もプライベートも、本気でガッツリやろうと思っています!
Q:オフはどう過ごされているんですか?
なるべく、いい物やきれいな物をたくさん見るようにしています。仕事の合間をどう過ごすかって、とても大切なことだと思っているので……。


                               
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■女優として挑戦し続ける日々
Q:“女優”として意識している部分はありますか?
今でも、分かんない(笑)! ほんとに「わたし女優よっ!」なんて思ってないし……。でも、芝居することは大好き! 脚本を読んで、自分の中でイメージを膨らませて、それを現場に持って行って、さらに作り上げていく。そういう“作る”という作業がすごく好きなんです。芝居のことなんて全然分からない分、すごく楽しいんです。そして、完成した映画を観るときのワクワクする気持ちも好きなんです。
Q:完成した映画をどういう風にご覧になるんでしょう? 全体? それとも、自分の演技?
いろいろですね。何回も観ます。客観的に観たりもするし、演技にこだわって観る部分もあります。自分へのダメ出しなんて、ほんとにいっぱいある! 「あ~ここがね~」とか「ああ、こうしておけば良かった」って毎回思うんです。今まで自分の演技に満足したことなんて、1度もないです! だから、これから納得のいく演技ができるようにしたいと思っています。
『オトシモノ』では驚くリアクションにこだわって演じました。自分としては満足していますね。
Q:これからどんな作品に出演されたいですか?
やっぱり恋愛作品が大好きなんで、興味があるのはラブコメディです(笑)。絶対難しいとは思うんですが、挑戦してみたいです!

「芝居することが大好き!」ときっぱりと宣言した沢尻エリカは、演技のことを話し出した途端に瞳がキラキラと輝きだしていた。『パッチギ!』以来、彼女はどれだけの評論家、監督に、その演技力を絶賛されてきたことだろう。デビューから、多くの新人賞を総ナメにして、出演作も続々と公開されている、まさにトップを走っている彼女から「演技に満足したことは、1度もない」という言葉が出るとは思ってもいなかった。沢尻が負けたくないのは、きっと自分自身なのだろう。自分に満足することなく頑張り続ける、そんな沢尻エリカにこれからも期待したい。





加藤ローサ
『いちばんきれいな水』
いとおしさで胸が“キュンキュン”しました!

                               
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取材・文:小林陽子 写真:シネマトゥデイ
古屋兎丸の人気コミックを基に映画化した『いちばんきれいな水』で、今最も注目されている女優の加藤ローサが映画初主演を果たした。撮影があまりに楽しく、「こんなに終わりたくなかった(撮影)現場は初めて」と語った彼女。今までにない意気込みと集中力で臨んだ撮影中の秘話や少女時代のこと、さらに今の日常生活やこの夏の思い出話など、ありのままの自分自身を語った。

■初主演映画で苦手な水泳に挑戦
Q:完成品をご覧になっていかがでしたか?
愛着心でいっぱいです。最後のシーンが特に好きで、妹の夏美ちゃんが自転車で丘を駆け上るシーンなんかは観ているとホッとします。わたしに四葉のクローバーを持ってきてくれる姿とか、妹の成長を感じましたし、水中のシーンも思い出深いです。
Q:水中シーンではどんな思い出が?
台本では“水の中でたわむれる愛と夏美”しか書いていなかったんですけど、実際撮ってみると、これがまた大変で。水深5メートル、幅25メートルのプールを使って撮影したんですが、まったく足がつかなくて怖かったです。でも、スタッフの皆さんが、手でつかまっていられるように棒を設置してくれたり、いろいろと工夫してくれました。
Q:人魚みたいにスイスイ泳いでいましたよね。
え!? 本当ですか? 泳ぎは全然だめなんですよ(笑)。撮影は2日に分けて撮ったんですけど、1日目にプールで練習していたら自然と慣れてきて、泳げるようになったのかも(笑)。でも、大変でしたよ。ロングスカートを着たまま泳いでいたんですけど、実はあの中にウエットスーツも着ていたんです。
Q:ご自身が演じられたヒロインについてどんな印象を受けましたか?
そうですね……。わたしが演じた愛ちゃんって、常識にとらわれないし、変な偏見もなく、人として得をしているなって思いました。こういう考えって素晴らしいなっていうか……愛ちゃんみたいな人は、いろんなことを体験したり触れたりすることができると思うので、自分自身、愛ちゃんを見習おうと思っているんです。

                               
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■お母さんの化粧品で遊んでいたおしゃまな少女時代
Q:眠りから覚めてお化粧やオシャレをするシーンがありましたけど、とても自然でしたね。
ありがとうございます! 台本には“お化粧をして遊ぶ夏美と愛”とか“お母さんの洋服を着て遊ぶ夏美と愛”と大まかにしか書いていなかったんです。何回かテストを繰り返しているうちに、気がついたらカメラが回っていてOKが出ていた……みたいな(笑)。演技をしている感覚があまりなかったですね。
Q:ローサさんも子どものころはお母さんの化粧品で遊んでいましたか?
やりました、やりました! よく遊んでいましたね! 口紅の使い方が分からなくて目に塗ったり、絵を描いたり。あとお母さんの服を勝手に着たりして(笑)。
Q:やっぱり女の子は誰でもやるんですね。さすがにもう、メークは上手にできますよね?
わたしはあまりお化粧しないんですよ。お仕事ではメークさんにやってもらうので完ぺきですけど、オフのときはノーメークです。メークしたとしても半年に1度とかですかね(笑)。あ、でも成人式のときはしましたよ、自分で(笑)。田舎に帰ったのでメークさんもいなくて、髪の毛以外は自分でやりました。

■愛しくなってきて胸が“キュンキュン”とする
Q:ローサさんは一人っ子ですけど、理想のお姉ちゃん像ってありますか?
そうですね~。愛ちゃんみたいな遊び好きで自由奔放なお姉ちゃんがいたら楽しくてしょうがないでしょうね。いつも遊びに行くときはついて行っちゃうと思います。
Q:夏美ちゃん役の菅野莉央さんも一人っ子なんですよね。
そうなんです。お互い一人っ子だったので、共演している内に本当の姉妹みたくなっていましたよ。途中で愛しくなってきて、胸が“キュンキュン”ってするんです。彼女は受験生なので休憩中にお勉強していたんですけど、そんな中、撮影している姿を見ていると「頑張れ!」って応援している自分がいました。待ち時間に一緒にお菓子を食べていると「何? この感覚……」って(笑)。妹がいるってこういう気持ちなんだな~って思いましたね。
Q:実際に兄弟ができるとしたら?
やっぱり妹が欲しいです。今からだと21歳も離れますけど、それでもちっちゃい妹が欲しいです(笑)。そして、いろんなお洋服を着せてあげて、コテコテのお姫様に育てあげるんです! お母さんは厳しいんだけど、お姉ちゃんだけは超優しいっていうのが理想です(笑)。

                               
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■今年の夏は一生の思い出
Q:お姫様といえば、寝ているシーンでは本物の眠り姫のようでしたね。実は本当に寝ていた! ……なんてエピソードは?
はい! その通りです(笑)。本気でぐっすり眠っていました(笑)。実は、撮影していた現場がスタッフさんのお家だったんですけど、そこがすごくすてきな場所で、お部屋の中も過ごしやすくて、ベッドも寝やすくて(笑)。本当にいい環境だったんです。だから「よ~い、カチン!」のカチンで目が覚めちゃったり、監督に「口閉じてね~」と言われたりしました(笑)。
Q:「この夏は一度しかないんだよ」というセリフがありましたが、ご自身の夏の思い出はありますか?
今年の夏は、お仕事で初めて団体競技をやらせてもらったことです。学生のころは部活をやっていなかったので、半年もの間、同年代の仲間と1つのものを作り上げていく過程を経験できたことが思い出に残りましたね。「もう2度とないだろうな。この夏の感動は……」って思いました。映画を観た人にも「この夏は一度しかないんだよ」という言葉を聞いたら、たった一度の人生やこの瞬間を楽しんでもらって、そして新しい出会いや経験をしてもらいたいって思います。
Q:ファンの皆様へメッセージをお願いします。
頑張って撮影したので、できるだけ多くの方に観ていただきたいです。いつもお仕事を頑張り過ぎて疲れている方に観に来てもらいたいとも思います。映像もきれいなので癒しを求めている方にも観てもらいたいですね。

インタビュー部屋に「よろしくお願いします!」と元気に現れ、よく笑い、よく喋り、インタビュー中も常にニコニコ笑顔を絶やさない加藤ローサ。周囲にも気を使う優しい心配りや、気さくな話し方、そんないろいろな顔を見せる彼女のパワーはどこから沸いてくるのだろう。この映画を通じて、一瞬一瞬を大切に過ごすようになったという彼女から発せられる言葉は、観る者の“明日”を変えてくれるほど勇気付けられる。ぜひ劇場で忘れかけていた大切な何かを思い出してほしい。

                               
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快乐时大笑,难过时痛哭

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发表于 2008-4-4 10:29 | 显示全部楼层
好贴
真是太精彩了

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白金长老

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 楼主| 发表于 2008-4-4 11:54 | 显示全部楼层
大沢たかお
『地下鉄(メトロ)に乗って』
僕自身は不倫という行為は納得ができない

                               
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取材・文・写真:シネマトゥデイ
浅田次郎原作の同名小説を映画化した『地下鉄(メトロ)に乗って』が、10月21日より公開される。今年に入ってから大沢たかおの出演作が公開されるのは3作目だ。今後は、『7月24日通りのクリスマス』『眉山』など多くの待機作が控え、日本映画界をリードし続ける大沢たかおが今回選んだ挑戦は、青年時代から老人まで1人の男の人生を演じることだった。夢と希望にあふれた青年、戦争で何もかも失った男、そして残りの人生を生きる老人……。時代、時代の表情を繊細(せんさい)に演じ切った大沢たかおが、俳優として、そして男として作品への思いを語ってくれた。

■1人の男の人生を演じ切った
Q:完成した映画をご覧になって、いかがでしたか?
意外と静かな映画だと思いました。僕が最初に原作を読んだときに、「こういう感じかな」って浮かんだイメージがあったんですけど、それとはまた違う映画になっていて「そうなんだ」って新鮮に感じました。
Q:1人の男の人生を演じきった感想を教えてください。
特に気負ったところはなかったです。というのも、1人の人間を表現することに変わりはないので、楽しくやれました。大変というよりも楽しかったです。ずっと前からこういう役を演じてみたかったんです! 僕が演じた人物の中に、何かを見つけてもらえるとうれしいです。
Q:一番チャレンジした部分はどこですか?
チャレンジということで言えば、いつでも何かにチャレンジしていたいと思っています。ただ、時間で制限されてしまう部分があって、決められた期間の中で3つの時代を表現しなければいけないので、肉体的にも変化をつけることは難しかったです。だから、逆に物理的な組み立てをしないと大変だったので、そこには時間を掛けました。

                               
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■時代に翻弄(ほんろう)された人物
Q:一番演じやすかった時代はいつでしたか?
佐吉の素顔が見えたのは、戦争に行く前ですね。あの辺は、やっぱり演じていてとてもクリアでした。“アムール”と呼ばれていた時代の佐吉を演じていたときは、やけっぱちでした(笑)。正しいも、誤りもない。いい悪いもない。ただ、前に向かって生きているだけ。そんな役柄だったので、僕もまっすぐな気持ちで演じました。
Q:アムールから、父親になっての彼はどうでしょうか?
あれは、複雑でした! だって、愛人がいて……僕には絶対に理解できないですね。想像すらできない。でもそういう矛盾をかかえた時代だったんですよね。時代のせいにするわけではないですが、時代に翻弄(ほんろう)された人だと思います。自分の中でモデルにしようと思っていた人もいたんですが、その人にたどり着くことができなくてあきらめたんです。

■親父を演じて感じた自身の父親への想い
Q:同世代である堤真一さんのお父さん役は、演じていて違和感はなかったですか?
最初は「ん? どうなの?」って思っていたんですけど、撮影に入ってみたら逆に違和感はなくなりました。堤さんがとてもすてきな芝居をしてくれたお陰だと思います。
Q:この映画に参加したことで、父親への思いが変わってきた部分はありますか?
演じたことで父親への思いが変わってはいないんですけど……、記憶にないころの自分を育ててくれていた父親っていうのは、自分よりもずっと若かったわけでしょ? いつのまにか父親のそういう年齢を追い越しちゃってるんだなあって、ふと気が付きました。どういう風に……、どんな顔をして、何を考えながら僕を育ててくれたのかって、ほんとタイムスリップできるなら聞いてみたいですね。若いころから考えれば、関係もずいぶん大人になったと思いますが、それでもそんな話を父親には照れくさくて聞けないですからね。

                               
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■切符が買えない! ショッキングな出来事
Q:地下鉄がテーマの本作ですが、普段、地下鉄は利用されますか?
撮影前、リサーチのために13、4年ぶりに地下鉄を使いました。すごく変わっていたので、びっくりしましたね。実は、悲しいことがあって……切符が買えなかったんです(笑)。「え、なんかボタンいっぱいあるよ……」って。行き先までのお金入れてボタン押すだけだったのに、今はカードとかいろいろあるんですね。
Q:タイムスリップして行きたいところはありますか?
今が一番面白いし、一番刺激があるので特に行きたいところはないですね。赤ちゃんの自分は、見たい気もしますが、昔に戻ってやり直したいことはないです。後悔するようなことが何もないってことではなくて……、繰り返したくないだけなんです。

■大沢たかお流の不倫論がさく裂
Q:映画の主人公2人は、不倫という形で結ばれていましたが、あの愛を大沢さんはどうご覧になりましたか?
不倫に関しては本当に分からないですね! あの関係性は女性から見て、どうなんでしょうか? 主人公の女性も苦労しているのでしょうが、自分としては理解するのが難しいですね。昔、不倫する役を1回だけ演じたことがあるんですけど、自分が理解できない世界だったので、演じていてイライラしちゃいました。
Q:愛人の立場、奥さんの立場、いろいろな視点で観られる映画だと思いますが?
怖いですね、それって。この映画は奥さんたちも観るだろうし、不倫をしている女の子たちも観るだろうし……。不倫ってどうなんでしょう? やっぱりテレサ・テンの世界なんですかね? 最後には一緒になりたいと思うのは……無理だと思います。男はそんなこと考えてないですよね。女の人の幸せを本当に願ったら、一緒にいないほうが幸せだってことを分かってない男なんて1人もいないと思います。幸せになれないなら、1日も早くそんな恋から解放してあげて、すてきな男性とのすてきな恋を願ったほうがいい。でも、男はずるいからそれを言わないんですよね。

                               
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■表現者としてのベストを尽くした自信
Q:浅田次郎原作ということで、プレッシャーは感じませんでしたか?
もちろん感じました。プレッシャーというか……、本当に責任を感じます。自分の役に対してベストを尽くして頑張ったので、そこは自信を持っています。だから、誰に何を言われようと、気にしないようにしています。
Q:原作のファンからの期待もずいぶん高まってきています。公開までもう少しですが、今の心境をお聞かせください。
心配ですね(笑)。仮病で入院しちゃおうかなあ(笑)。とにかく、いろいろな見方があると思うので、心して公開の日を待っています。自分としては精いっぱいやり切ったという感じがあるので、何を言われてもすべて受け止められます。公開が待ち遠しいです!

「みんなに期待されてるなんて、本当に心配だな! 入院しようかな!」と笑う大沢からは、役者として、自分はやれるだけのことをやった……という自信があふれていた。スクリーンで、“小沼佐吉”という温かく、愛にあふれた男の一生を演じた大沢は、役者としてまた1つ大きな成長を遂げていた。



小西真奈美
『天使の卵』
人は完璧じゃない、そこがすてきなんです

                               
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取材・文:鴇田崇 写真:秋山泰彦
動画 [ 再生(1Mbps) | ご利用ガイド ]
村山由佳原作の100万部突破のベストセラー小説を映画化した『天使の卵』。運命の恋に翻弄(ほんろう)される男女の姿がエモーショナルに描写される本作で、ヒロインの春妃を透明感あふれるたたずまいで演じた小西真奈美がインタビューに応じた。原作を読んでいたときから普通の純愛ラブストーリーとは違った印象を受けていたという彼女に、作品に流れるテーマやヒロインと同年代の女性としての感想、この作品に込めた思いなどを聞いた。

■必死に生きている人は輝いて見える
Q:出来上がった映画をご覧になった感想は?
最近、純愛をテーマにした作品が多いですが、『天使の卵』には純文学テイストというか、普遍的なものがしっかり描かれていたのがうれしかったですね。あまり自分の作品を客観的に観ることができないのですが、『天使の卵』については自分が出ているのを忘れて一観客となって観られた瞬間がありました。それだけ力のある作品になっているということだと思います。
Q:小西さんご自身もかなりお気に入りのようですが、一番気に入っている部分は?
人を愛することや生きることについて、とても丁寧に描かれていたのが新鮮で気に入っています。登場人物が痛々しいまでに必死に生きていて、生きることは楽じゃないし、ぶつかることもあるけど、それでも前に進もうとする人は輝いているんだなぁと感じました。
Q:市原さんとの演技の相性もバツグンでしたよね。休憩中とか演技プランとか具体的に話されたんでしょうか?
全然しなかったんですよ(笑)。お互いに演技プランについてはまったく話さなかったんですけど、逆にそれが良かったみたいです。本番で何が出てくるか分からないからこそ、お互いの演技を受け止めた瞬間によりリアリティーがあるものが生まれたのだと思います。休憩時間に役のことをずっと考えているわけでもないですしね。そういうメリハリがついたところは良かったんじゃないかと思います。

                               
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■感情と理性が闘っている20代後半について
Q:ヒロインの春妃を演じる際、どのように役の掘り下げたのですか?
春妃という女性は、「明るい人です」とか「おとなしい人です」とか、ひと言で表現できる人物ではないんです。はかなげに見えたり、しっかりしていたりと、いろいろな面を持っていたので難しかったですね。でも、あれこれ考えずに、一度ニュートラルな状態にして、現場でいろんなものを感じながら答えを探そうと努力しました。毎日が必死っていう状態で、結構大変でしたね(笑)。
Q:ヒロインと同年代の女性として、小西さんご自身も内面的にヒロインの春妃とは共通するところはありましたか?
20代後半って、20代前半のころみたいに思ったままを言葉にしたり、行動したりすることができなくなってくるんですよね。だんだん分別がついて責任も背負ってくる時期だと思うんです。でも、感情のままに突き進むことも忘れてない……。そんな中で、感情と理性が闘っている部分を持っている年齢ですよね。そういうところは、今のわたしでなければ感じられないことがたくさんあったと思います。
Q:映画の中で「自分だけが幸せになればいい…」というセリフがありますが、小西さんご自身はそのせりふにどんな感想を持たれましたか?
自分だけが幸せになればいい時期がある……。「自分だけが幸せになることを考えちゃいけない、もっと周りのことを考えなきゃいけない」と考えている自分と、「でも人は幸せになるために生まれてきたんだから、そうなっていいんじゃないか」っていう自分もいて……。そんな深い意味のある言葉なのだと思いました。

■自分自身が何を求めて生きているか考えることが大切
Q:そう考えると、一般に女性としてどういう生き方を送れば、幸せな生き方だと思いますか?
うーん、どうなんでしょうねぇ(笑)。それはたぶん、人それぞれ何を優先するかによってまったく変わってくると思います。人生は一度きりだし、誰の人生でもない、自分の人生だから、本当にその瞬間、一番強く大事にしたいと思ったものだけを選び取れる強さがあれば、いいんじゃないかと思います。
Q:小西さんが考える、女性にとって最も大切なこととは何でしょうか?
何でしょうねぇ(笑)。女性にとって……。ちょっと昔の時代であれば家庭を持って、愛に恵まれてっていうのが幸せだという時代もありましたよね(笑)。でも、今は仕事をして生きていく女性が増えたし、そういう風に自立していることもすごくすてきなことだし、選択肢がいっぱいあるので“女性にとって”というのがなくなってきた時代なんじゃないでしょうか。だからこそ、自分自身が何を求めているかが大事になってきているんじゃないかと思います。

                               
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■好奇心旺盛にチャレンジし続けたい
Q:『天使の卵』では、小西さんにとってご自分のどんな一面を劇場のお客さんに見つけてほしいですか?
演じていてすてきだなと感じたところは、春妃の完成されてない人間臭さです。人ってそんなにきれいに生きていないじゃないですか。落ち込んでボロボロになったり、必死に這い上がろうとしたり……。わたしが演じた春妃のそういう人間臭さを感じていただけたらと思います。
Q:最後になりますが、『天使の卵』を経てこの先どんな人間になっていきたいという理想や目標はありますか?
人って年齢を重ねれば重ねるほど、どんどん自由になるし、見えなかったものが見えてくるようになると思うんです。だから、わたし年齢を重ねていくことがすごく楽しみなんです! 今後はもっともっと好奇心旺盛になって、いろんなことにチャレンジできる人になりたいと思っています。

撮影前から全力で取り組んできた意欲作だけに、質問に対する謙虚(けんきょ)で丁寧な受け答えが印象的だった小西真奈美。そんな彼女の素の魅力こそが、観る者を引き付けてやまないに違いない。今年はセルフプロデュースの写真集を出すなど精力的な活動を展開中だが、彼女の飽くなき好奇心が女優という枠組みを広げていっているのは確かだ。今後の活躍からますます目が離せない。

                               
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市原隼人&蒼井優
『虹の女神 Rainbow Song』
誰かを失ったときの悲しさは
自分も経験があるので理解できる

                               
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取材・文・写真:シネマトゥデイ
人気作家の桜井亜美と、日本映画界の俊英・岩井俊二が共同で脚本を執筆したほろ苦い恋の物語『虹の女神』。岩井俊二が監督した『リリイ・シュシュのすべて』で鮮烈なスクリーンデビューを果たした市原隼人が、恋と友情の間でゆれる青年を演じる。市原の相手役であるヒロイン、上野樹里の盲目の妹を演じるのは『フラガール』での熱演も好評の蒼井優。『虹の女神』以外でも何度か共演している息の合った二人に、釜山国際映画祭が開催された韓国、釜山で話を聞いた。

■5年前とは確かに変わった
Q:市原さんとの共演は久しぶりですよね。彼は変わっていましたか?
蒼井:そうですね。『偶然にも最悪な少年』以来です。以前とはだいぶ変わっていました。お芝居のことをすごく真剣に考えていて、それを口に出して言うようになっていました。多分昔も考えてはいたのでしょうが、それが恥ずかしかったのかな? あえて口に出したりすることはありませんでしたから。
Q:蒼井さんは、市原さんを結構冷静に見ているんですね。
蒼井:もう、長い付き合いなので。『リリイ・シュシュのすべて』からですから、もう5年になるのかな? そのときはまだ、中学生でした……。当時は二人で芝居って何なんだろうね。みんなは、お芝居おもしろいって言っているけど、何がそこまで面白いんだろうねってお互い話していました。この映画の撮影で久しぶりに市原さんに会って、彼が自分自身をすごく冷静に見るようになっていたのでびっくりしました。
Q:蒼井さんも変わりましたか?
蒼井:どうなんでしょうね。どう考えてもお芝居を始めたころは何も考えていなかったんです。まだ見ていない世界がたくさんあって……この5年でいろいろと見ることができたので、成長しているのかは分からないのですが大きく変わっていると思います。

                               
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■本当に寝ちゃいます!
Q:市原さんの演技はとてもリアルな印象を受けました。
市原:芝居は好きですけど、“芝居っぽく”はしたくないんです。自分がドラマを観ていても「あ、芝居しているな」と思うとさめちゃうんですよ。だから、カメラがあっても常にリアルに動いていたいと思っています。疲れているシーンだったら本当に疲れているとか、寝ているシーンだったらほんとに寝ているとか(笑)。
Q:え? 寝ちゃうんですか?
市原:はい(笑)。リアルは常に心掛けています。演技をしているといつも入り込んでしまうんですが、そこが面白いところです。役に入り込んで集中すると、そこだけの世界が展開するので、雨に打たれても寒くないようになってしまいます。
Q:市原さんが演じた智也はどんなキャラクターですか?
市原:そうですね。バカで能天気。でも、すべてのことに一生懸命なんです。なのに周りから見たらちょっとズレてるよ……みたいな。自分の性格とも似ているところがあると思います。

■生まれて初めて見た虹は?
Q:蒼井さんは『虹の女神』では目の見えない役を演じましたが、演技をする上で気を付けたことはありましたか?
蒼井:自分なりに見えていない状態を研究してみました。すごく集中して、見えていないのに頭の中で見えているみたいな……。視覚じゃなくて、そのほかの感覚を使って物事を見ているみたいな感じです。でも自分がその気になっていても、意外に後でモニターに映っている姿を見ると違っていたり……。
Q:映画のタイトルは『虹の女神』ですが、生まれて初めて虹を見たときのことを覚えていますか?
蒼井:小さいころです。家の庭で、ビニールプールで遊んでいて。お父さんがホースでそこに水を入れていたのですが、そのときホースの先を指で押さえていたので、虹ができて……。小さい虹ですけど。すごく小さいときのことです(笑)。
市原:僕は高速道路を車で走っていて、父ちゃんとか母ちゃんとかに、「虹出てるよ!」と言われて見ました。そのことは今でも覚えています。感動しましたね。

                               
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■キツいバイトは経験済み
Q:(劇中の)映像製作会社のバイトとか、あんな風にこき使われるのはいやですよね。そんなバイトはしたことないですよね。
市原:いや、ありますよ。昔、引っ越しのバイトとかしたことがあるんです。そのとき(智也みたいに)「ちゃんと持てよ!」とか怒られたことがあります(笑)。
Q:そんな体験は演技をするときの参考になったりしますか。
市原:そうですね。僕はこれからもごく普通の人間でいたいです。俳優だからこそ、いまの自分の世代や、いまの自分と同じ年ごろの人たちと同じ感覚でいたいと思っています。僕がよく遊んでいる自分の友達たちとおなじ感覚で。
Q:その友達は芸能人ですか?
市原:いえ、地元の友達で、小学校、中学校と一緒でいろいろな職業の人がいますよ。いま同じ歳の人たちの間で何が楽しいのかとか、何がはやっているのかとか、彼らと話しているとよく分かります。大事にしたいですね。
Q:友達から、きれいな女優さんと共演してうらやましがられませんか?
市原:言われます(笑)。「チューさせてよ!」とか。無理だって(笑)!


                               
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■フラダンスとバレエ
Q:蒼井さん『フラガール』のことも少し聞かせください。フラダンスの手の振りは手話の表現と同じと聞きましたがご存知でしたか?
蒼井:そうなんだろうとは思っていました。バレエでも普通に踊るときと、パントマイムのときがあって、パントマイムのときの動きはフラダンスとなんとなく重なるんです。それは感じていたので、驚いたというよりは、やっぱりそうだったんだという感じでした。
Q:蒼井さんは語らなくても、体だけの表現力で十分存在感がありますよね。それはバレエをやっていたということもあるのでしょうか。
蒼井:バレエを初めて習い始めたのは2歳のときからなので覚えていないのですが、母が撮ったおけいこ風景とかを見ると、なんかお遊戯みたいに見えるんですけど(笑)。『花とアリス』のときにまた、始めたという感じです。
Q:『虹の女神』の撮影はフラガールと重なってはいなかったのですか? 気持ちの切り替えはできますか?
蒼井:『フラガール』が終わってちょっとだけ間がありました。『フラガール』『虹の女神』「Dr.コトー」と撮影しました。一本やった後は本当にクタクタで、次の作品のことは考えにくいですね。体力というか精神力を出し切ったという感じで。『フラガール』が終わった後、今年は何もしないでおこうと思ったくらいです。でもデビュー作のときから、かかわっているプロデューサーさんからこの仕事のお話をいただいて、とてもやりたいと思いました。熊澤監督や市原さん、岩井さんなどと一緒にお仕事をしたいとも思っていましたので。

■誰かを失ってしまったときの悲しさ
Q:ラストシーンは切ないですね。
市原:そうですね。すごくよく智也の気持ちは理解できました。誰かを失ってしまったときの悲しさとか……自分も友達を亡くしたことがあるので感情がすごく入りました。失ってしまったものはどうあがいても帰ってこないですから。この映画は、人によっていろいろな感じ方ができると思うんですよ。泣けるところも人によって違いますし。本当は愛情に気がついていて知らないふりをしていたとか、そんな解釈もあると思う。そんな微妙なところがすごく面白いと思いました。
Q:蒼井さんは、今後どういう女優さんになりたいですか?
蒼井:あんまり先のことが見えていないんです。以前は80歳とか90歳になってもいい味を出す女優さんでいたいと思っていたことはありますが、最近は自分が今やっている仕事と次の仕事のことぐらいしか考えられないですね。あと、「女優なんだ」っていう意識はあんまりないですね。役になっているだけで女優をやっているという感覚ではないんです。あまり自分を俯瞰(ふかん)で見ていないというか、見ないようにしています。だから1作品、1作品燃え尽きてしまうのかもしれません。

                               
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市原と蒼井の雰囲気はどことなく似ている。まるで、妖精のように神秘的で水彩画で描いたような透明感あるたたずまい。それは努力で得られるものではなく天性のものなのだろう。ただそこに存在しているだけで、すでに何かを表現できている。そんな二人に共通していたのが「演技をしているという自覚がない」ということ。だからこそスクリーンに映る姿が自然で、観る者の心にすうっといつの間にかとけこんでいくのだろう。



玉木宏
『ただ、君を愛してる』
10代のころはコンプレックスもあったし、
身を削る恋愛もした

                               
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取材・文:渡邉ひかる 写真:シネマトゥデイ
市川拓司のロングセラー小説「恋愛寫眞 もうひとつの物語」を映画化した純愛ラブストーリー『ただ、君を愛してる』。誰にも言えないコンプレックスを抱える青年・誠人と悲しい運命を背負った少女・静流(しずる)の、もどかしくも切ない純愛模様をつづった本作で、主人公・瀬川誠人を演じた玉木宏を直撃! しかも、今回は渋谷の街を駆け巡るスカイバス上での異色インタビューとなった。路上からは、彼をひと目見ようと集まった女の子たちの黄色い歓声が飛び交う中、役作りや自身の恋愛感について語ってもらった。

■物語の純愛部分が魅力
Q:脚本を初めて読んだときの感想は?
台本をいただいて、初めて原作があることを知りました。原作を読んでから台本を読むと原作の印象に影響されてしまうので、原作は「撮影が終わったころに読もう」と思いました。ただ、僕は原作の元になった映画『恋愛寫眞 Collage of Our Life』をすでに観ていたので、「あの映画のアナザーストーリーなんてありえるのだろうか?」とは思っていました。けど、台本を読んだときには、元の映画を忘れてしまうくらい、作品の世界観にどんどん引き込まれてしまって……。1本のオリジナルのラブストーリーとして純粋に楽しむことができました。
Q:やはり純愛部分に一番引かれたということでしょうか?
そうですね。何か特別な事件が起きるわけではなく、主人公2人の感情を追っているだけなのに、ものすごく抑揚のある物語になっています。きれいなセリフもたくさんあるし、自分で演じて実際にそれらのセリフを言ってみたいなと思わされました。

                               
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■土踏まずがないことが悩みだった?
Q:瀬川誠人というキャラクターをどうとらえて演じましたか?
誠人は脇腹に“かゆみ”を抱えていて、そこにつける薬が周りの人間に、におっているんじゃないかと気に病んでいる。それ以外はごく普通の、どちらかと言えば受け身なタイプの青年だと思ったので、そのコンプレックスにポイントをあてて演じました。ファンタジー要素のある物語の中で、リアリティーを持たせなくてはならない部分だと思ったんです。
Q:玉木さん自身は、他人にとってはささいなことなのに、自分にとっては重大な悩みだったというようなコンプレックスを抱えていた経験はありますか?
コンプレックスって、10代特有の感情だと思うんですよね。僕も10代のころはコンプレックスを抱えていた気がします。「もっとこうだったらいいのにな」と若いときはないものねだりをしてしまう。でも、大人になって社会に出たときは「そんなことを気にしていても仕方がない」と思えるようになりましたね。
Q:差し支えなかったら、具体的にどんなコンプレックスが……。
今となってはコンプレックスではないんですが、僕の足の裏には土踏まずがなくて……。健康サンダルのようなものを履くと痛くて仕方がなかったんです。「どうして僕には土踏まずがないんだろう?」と悩んでいましたね(笑)。

■実年齢と差のある役作り
Q:実年齢とギャップのある18歳の青年を演じるにあたって意識したことは?
撮影時は25歳だったんですが、やはり7歳の差は大きく感じましたね。自分のナチュラルな声のトーンだと低くて重すぎると思い、声のトーンを高めにして、誠人のイメージである柔らかさを出そうと意識しました。
Q:誠人はご自分と共通点のあるキャラクターですか?
似ている部分はほとんどないですね。誠人はすごく鈍感なキャラクターなんですけど、「さすがにここまで鈍感だったら問題だな」と演じていて思ってしまったくらいなので(笑)、自分とは似ていないと思います。
Q:おっしゃる通り、誠人は純粋無垢で鈍感ですが(笑)、彼は静流が自分に寄せてくれる思いに本当に気づいていなかったのでしょうか?
気づいているとは思うんです。ただ、誠人は静流と波長が合う、うれしさを出会った瞬間から感じていて、彼女を一緒にいて居心地のいい存在にしておきたいと願っている。その一方、黒木メイサちゃん演じるみゆきへの恋心が自分にとっての真実だと考えているわけですから、静流への気持ちはいつのまにか大きくなってしまったものだと僕はとらえました。でも、もう少し早く気づいてもいいですよね(笑)。

■順調な恋愛を希望
Q:誠人と静流のもどかしい純愛を、玉木さん自身はどう思いますか?
静流という女性は外見はオリジナリティーにあふれていますが、内面は自分の気持ちに対して真っ直ぐに生きている女性。その辺りは純粋に共感できました。誠人があそこまで受け身なタイプじゃなければ、2人の恋はもう少し順調に進んでいたんじゃないかとも思いますね。そんなもどかしさが物語の面白さでもあるし、もし自分だったら彼らよりは順調な恋愛を希望したいなと思いますね(笑)。
Q:静流のように、感情を素直に表に出す女の子は好きですか?
大事なことだし、好きですね。何でもさらけ出してしまうのは問題ですが(笑)、思ったことを相手に伝える勇気を持っている子は尊敬できます。
Q:そんな静流を演じた宮崎あおいさんとの共演の感想は?
今回が初共演だったのですが、役にリアリティーを持たせられる女優さんだと思いました。それは彼女の過去の作品を観ていたときに感じた印象でもあります。どの役を演じるにしても、確かなリアリティーがある。台本を初めて読んだときには静流をあおいちゃんが演じるとは決まっていなかったのですが、配役が決まり、撮影が始まってからは「静流がここにいる」と確実に思わせてくれました。

                               
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■身を削るような恋愛経験は……
Q:とても長いキスシーンの感想は?
かつてないくらいの長いキスシーンでしたね(笑)。でも、このキスシーンがないと、この映画は何も成り立たないと言っていいくらい重要なシーンだったと思います。この作品はファンタジー要素のある物語ではありますが、このシーンに必要なのはリアリティーを持たせることだと思っていたので、そこを十分意識して取り組みました。実は元の脚本ではもう少し大人びた雰囲気のシーンに想定されていたのですが、僕はあくまでも誠人と静流でありたかったし、彼らならではのキスシーンにしたかったんです。映画の中で、誠人は「今までに5回くらいキスをしたことがあるよ」なんて言っていますが、絶対にしたことがないと僕は思っています(笑)。だから、彼はキスをするときの顔の傾け方さえ分からない。そんなたどたどしさを経てキスに至る2人の関係を表現したかったんです。
Q:静流は恋愛することで文字通り身を削ったわけですが、玉木さん自身、身を削るような恋愛をしたことは?
10代のころはよくありましたけど……。突っ走ることもありましたし。けど、今はちゃんと理性が働いていますから(笑)。誰にでも一度は身を削った経験があると思いますけどね。
Q:差し支えなかったら、具体的にどんな恋愛だったか……。
それは差し支えありますね。ハハハ。こんな公の場で!(笑)

身を削った恋愛話のゲットには失敗したが、陽が落ちる直前の渋谷で、公衆の面前にもかかわらず、作品にまつわるさまざまな話を披露してくれた玉木。1作ごとに真摯(しんし)に役に取り組みながら、俳優として確実に成長している彼を、いつまでも心に残るすてきなラブストーリーの中で体感して欲しい。
玉木宏 最新情報はhttp://www.tamakihiroshi.com/まで。



山田孝之
『手紙』
こういう現実があるということを知って欲しい

                               
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取材:須之内達也 文:シネマトゥデイ 写真:秋山泰彦
『電車男』とは打って変わって、シリアスな役に挑戦した山田孝之。殺人を犯した獄中の兄から送られてくる“手紙”を通して、兄弟のきずなや世間とのかかわり合いを描く『手紙』で“加害者の弟”という難しい役を演じた。原作はロングセラーとなっている東野圭吾の同名小説。その難役に挑戦した山田に、撮影現場での様子や作品について語ってもらった。

■難しい役どころ
Q:最初に台本を読んだときの感想を聞かせてください。
最初に台本を読んだとき、すごくリアルな物語だと思いました。これほど痛いぐらいの現実を素直にぶつけられた作品は、そんなにないですから……。でも、この作品をやるとなったら、厳しい現実を目で見て、肌で感じることを自分からしていかなきゃストーリーにも入り込めないし、役にも入っていけないので、最初は不安を感じました。
Q:劇中では時間の経過や、感情の起伏が大きいですが、演じる面で難しかったことはありましたか?
そうですね。僕の演じた直貴は加害者ではないのですが、彼が世間から拒否されている部分がありながらも、自分から拒否している部分もあるし、どんどん1人になっていっているのに、お笑い芸人を目指して人前に出て、人を笑わせることをするっていう……すごく極端ですよね。こういう状況に置かれている人が、一番しなそうなことをしているっていうところが難しかったですね。
Q:山田さんの演技のさじ加減によって印象が変わる役だったと思うのですが、そこはどうでしたか?
そこは、悩みましたね。どっちかに寄り過ぎてもいけないし、かと言って、量りにかけたように均等にしたらどっちも曖昧(あいまい)に見えてしまうし。お笑い芸人をやって、人を笑わせているけど、何か陰の部分を感じていたほうがいいのかなとか。でも、僕はどんなときでもこの人の背負っているものが、しゃべり方や動きや表情で常に見えるように演じました。

                               
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■テレビドラマとはまったく違う現場
Q:撮影中、監督は山田さんの持っている雰囲気を出したいから、あえて何も指示しなかったとおっしゃっていましたが、不安ではなかったですか?
そうですね(笑)。監督って、作品を通して全部観ているし、すべての人の視点で観て、客観的に言ってくれる存在なので、何も言われないのはやっぱり怖いですね。
Q:映画の撮影は、スタンバイや待ちが長くて、テンションを保つのが大変だったのでは?
スタンバイや待ちの間は、じーっとしていたり、1人で自転車に乗ってスタジオをぐるぐる回ったりとかしていました。ドラマは、どんどん撮影が進むので、気持ちをずっとつなげていくほうが良いんですけど、映画は1回1回スタンバイに時間がかかるので、そのつど、自分で気持ちのスイッチの切り替えをしないといけなかったんです。すごく感情的になるシーンでも、終わったら無理矢理でもその感情を冷まさないと、次のシーンを撮影するときに気持ちが上がりきれなかったです。

■厳しい現実が垣間見える物語
Q:加害者本人ではなく、その家族が世間から拒否される現実って何だろうと思いますよね。
でも、こういう状況に置かれた人たちの中には、『手紙』の中のようなことが、実際にあるんだろうと思います。それは悲しいことですよね。ただ、被害者側の気持ちで観る方もいると思うので、どれだけこの兄弟がつらい思いをしていても、遺族のほうがよりつらいだろうと思う人がいるのも当然だと思います。
Q:そういう厳しい現実を突きつけられる物語の中で、逆に人と人とのつながりやきずなを考えさせられる作品でもあると思うのですが、いかがですか?
そうですね。でも、直貴の良き理解者である由美子の存在をひっくるめても、僕は直貴に対して何も救いが見えなかったですね。

■共演者の素顔
Q:由美子役を演じた沢尻エリカさんとの共演はいかがでしたか?
『手紙』の作品性もあって、現場の雰囲気が重く、あまり話す機会がなかったんです。でも、直貴と由美子の支え合っている関係やその雰囲気が本番でパッと出たら面白いと思っていました。
Q:『手紙』で共演したときと、ドラマ「タイヨウのうた」で共演したときとは変わりましたか?
そうですね。全然違う感じでしたね。ドラマは物語も明るい部分があったし、現場の雰囲気も明るいですしね。
Q:兄役の玉山鉄二さんとは、この作品でかなり仲良くなられたそうですが、どんな方なんですか?
どんな方!? んー、作品がシリアスだったので……最初に会ったときは、すごくまじめで堅い人かなと思いましたけど、話をしたら、普通に優しいお兄さんって感じでしたね。
Q:坊主頭も似合っていましたよね。
そうですね。かっこいいですから、何やってもかっこいいですよね(笑)。

                               
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■メールとは違う“手紙”の特別感
Q:この作品のタイトルにもなっている“手紙”ですが、“手紙”と聞いてイメージすることって何ですか?
特別な距離感を感じますね。実際会って話すわけでもないし、声が聞こえるわけでもないけど、文字が書いてあるだけで、メールとは違う、もっと大事な感じがします。メールで打っても良いことを、わざわざ手紙に書いて送ったら、もっと伝わるというか、そういう印象はあります。手書きの文字だと、相手が自分で書いているということと、相手の特徴が文字に出るし、文章にも表れますよね。そこが特別に感じますね。
Q:今の生活で手紙を書くことは、なかなかないと思うのですが、どうですか?
僕もないですね。メールとか電話ですね。メールは面倒くさいこともあるけど、すごく特殊ですよね? 感情がまったく読めない感じが、僕は嫌いじゃないです。言いづらいこととか……メールでしか言えないこともありますよね。
Q:『手紙』をこれからご覧になる方へのメッセージをお願いします。
人それぞれ、色んな感情があって、友だち同士で観に行っても、みんな違う印象だったり、同じように思ったりするところもあると思いますが、「どう思うか」というところよりも、こういう現実があるんだということを知って欲しいです。

質問に対して慎重に言葉を選んで答える山田孝之は、23歳になったばかりとは思えないほど落ち着いていて、彼のまじめさと誠実さが感じられた。お笑い好きで、劇中ではお笑い芸人としてコントも披露しているが、その素顔はとても照れ屋でシャイ。本作で、どんな役にでもなる、“幅のある役者”を見せつけてくれた彼の今後の活躍に目が離せない。
快乐时大笑,难过时痛哭

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白金长老

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 楼主| 发表于 2008-4-4 13:52 | 显示全部楼层
伊東美咲
『椿山課長の七日間』
家族にはどんどん愛情を
注ぎたいタイプです

                               
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取材・文:鴇田崇 写真:中島正之
浅田次郎の人気小説「椿山課長の七日間」が映画化された。朝日新聞に連載中から幅広い世代からの支持を集めていた同作は、突然死した主人公の椿山課長が3日間だけ家族に会うために現世に戻るというファンタジーだ。誰もが共感する椿山課長は西田敏行が演じ、椿山課長が魂を宿すために体を借りる美女は伊東美咲が演じた。そんな難役に挑んだ彼女に、映画のことや作品に流れるテーマ、女優という仕事について話を聞いた。

■西田さんに励まされて挑んだ2人1役
Q:『椿山課長の七日間』はとてもすてきなファンタジーでしたが、伊東さんはどんな感想をお持ちになりました?
なんとも言えない優しさに包まれた作品です。それは原作を読んだときの読後感と同じだったのですが、死をテーマにした話だけかと思ったら、本当に笑いあり涙ありという感じで、とても奥深い作品だと感じました。気分転換にもいい作品ですし、生きることや家族のこと、いろいろなことを考えさせられる作品ですよね。自分の周りにあるものすべてを大切にしたくなるすてきな作品に仕上がっていると思いました。原作者の浅田先生が、映画をご覧になってどんな感想をお持ちになったか気になりますね。
Q:椿山課長は西田敏行さんとの“2人1役”という難しい役柄でしたね。演技上、不安はありませんでしたか?
西田さんとの共通点はあったものの、どこまでやったらいいのか気になりましたし、「本当に同じように見えているのかな?」っていう怖さもありました。自分では西田さんをイメージしながら演じていても、スクリーンではそう観えないってこともありますからね(笑)。その点は撮影中、監督に確認しながら演じていました。
Q:西田さんとの仕事は初めてではないと思いますが、同じ役を演じる上で、事前に相談をされましたか?
お忙しい方なのでメールで連絡をとらせていただいていました。撮影初日に「共通点をうまく観せられれば大丈夫。やれるよ!」ってメールをいただいたので、あまり悩まずにできたんです。西田さんとは出身地が同じなので、ちょっとしたお国言葉を入れようってアイデアをもらって。そうしたらふたりが同一人物に見えるかなって。あとは西田さんの動作ってイメージがあるじゃないですか(笑)。子どもや部下とのスキンシップのシーンも、セリフで言葉を交わすだけより肩をたたいたりするほうが自然かなと思ったので、そういうしぐさは取り入れるようにしましたね。

                               
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■自分が得意とする分野の役は絶対に必要
Q:監督の河野圭太さんはエンターテインメント作品の演出に定評がありますが、実際どんな方でしたか?
とても優しい方でした。細かい部分でご指導をしてくださるのですが、基本的に好きなようにやらせてくださる方なんです。その俳優の個性を伸ばして自由にさせてくれるというか。最初にお会いしたときに「この作品で一番伝えたいことは観終わったときになんともいえない優しさで包まれる作品、優しさが心に残る作品」っていうことだとおっしゃっていて、わたしも同じ思いで演じていました。監督やスタッフ、共演者の方と気持ちを共有していれば、ひとつの目標に向かって突き進んでいける気がします。
Q:そんな素晴らしいマインドを共有できるのも映画ならではですね。ほかに何か新たな発見はありましたか?
基本的に得意分野の役って必要なのだと思いましたね。あるベテランの俳優さんがインタビューで「得意分野でやっていくのが一番いいんだけどね」っていうことをおっしゃっていたんです。対極の役も、もちろんあると思うのですが、ハマリ役や自分が得意な役ってあるじゃないですか。そこを伸ばしていけたら一番いいと思うんです。わたしはコメディーを観るのも演じるのも好きですし、戸惑わずにできるんです。その意味ではコミカルな役が自分には向いているのかなって思うんですよね。
Q:『椿山課長の七日間』はコミカルな要素も多いですが、シリアスな作品などはどうですか?
シリアスな役で自分を追い込むことは体力がいりますよね。もちろん仕事ですし、やらなければいけないことですが、対極な役のときは気持ちを作るのに時間がかかるので、監督に導いていただきつつ演じることができたらいいですね。演じるお仕事は日々勉強ですし、「これだ!」ってものをデビューからまだ6年目の時点ですでに見極めがついていたら、逆に怖いかなって思いますけど(笑)。

■後悔しないように生きたい
Q:ところで今回の『椿山課長の七日間』では、ご自身のどんなところを特に観て欲しいでしょうか?
椿山課長はあの世からこの世に戻ってきて“重大な事実”を知ってショックを受けるのですが、根底には周りに愛され、周りを愛している椿山がいます。わたしも家族にどんどん愛情を注ぎたいタイプなので、その思いは演技に表れていると思います。
Q:映画で描かれる“重大な事実”のように、これまで知らなければ良かったことってありましたか(笑)?
それはあるでしょうね……。たぶん(笑)。『椿山課長の七日間』で描かれるほどの“重大な事実”があれば、かなりの衝撃ですよね! 映画での椿山課長はいろいろなショッキングな事実を受け止めなければいけないんですけど、やっぱり……。これ以上は、映画をご覧になって確かめていただきたいですね(笑)
Q:“重大な事実”の数々も含めて、そう考えると『椿山課長の七日間』では勉強になったことも多そうですね。
そうですね。いずれ訪れる死というものに対して、恐怖とかそういったものがなくなりましたね。この映画は笑って泣ける映画ですし、来世も幸せなところで生活できるんじゃないかって思わせてくれますよね。そうは言っても、今を後悔しないように生きることがとっても大事なことじゃないかと思います。

                               
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■自分を見つめ直すことができる女優という仕事
Q:後悔しないように人生を生きていく中で、女優というお仕事を続けている最大の原動力とは何でしょうか?
仕事上、役に没頭することが多いので、なかなか自分自身でいられる時間が少ないんですけど、休みになると本来の自分と向き合えるんです。「人としてわたしってこうでいいんだ」って自分を見つめ直す時間や、友人と過ごす時間は大切ですね。
Q:普段の自分ではない自分になって、より一層、自分の内面を知ることができるのは女優業の醍醐味(だいごみ)ですよね。
そうですね。このお仕事をしていなかったら、ここまで「自分自身とは?」って自問自答することはなかっただろうなって思います。このお仕事を通して、自分を見つめ直しながら人生を選択していきたいですね。
Q:最後にズバリお聞きしますが、伊東さんにとって演じること、もしくは、演じるお仕事って何でしょうか?
それは難しい質問ですよね(笑)。今はとても充実して仕事と向き合えているので、十分だと思っています。いくら目標を決めていても年々やりたいことが多少は変わっていくものですし、ちょっと先のことは分からないかな。今は演じることが一番楽しいですし、現場でたくさんの人たちとかかわれることが幸せです。

仕事に対する考え方から自分の得手不得手まで、飾らない言葉ではっきりと語る伊東美咲。その姿に、日本を代表するトップ女優としての自覚と責任感をひしひしと感じた。彼女が演じた『椿山課長の七日間』の“絶世の美女”同様、まさにその言葉がピッタリと当てはまる美しさもさることながら、常に自分と向き合いながら背伸びをしない潔い性格も人気の秘訣(ひけつ)に違いない。彼女の得意分野が今後ますます拡がって、大躍進を遂げることを確信できた。


赤井英和&田中好子
『ありがとう』
被災しても命を貰ったら、わたしは生きていきます

                               
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取材・文:福住佐知子 写真:シネマトゥデイ
阪神淡路大震災から11年、震災を経験し、その不幸な出来事を乗り越えプロゴルファーとしての道を歩んできた古市忠夫をモデルに書かれた平山譲氏の小説「還暦ルーキー=ありがとう」が映画化された。主演の赤井英和とその妻を演じた田中好子が撮影時のエピソードや大切な人との心の触れ合いについて語った。

■“キャンディーズ”のスーちゃんとの共演
Q:この映画は大震災を経験し、再生していく人たちの物語ですが、初めて脚本を読まれたときの感想を聞かせてください。
赤井:「あの状況の中でこんなスゴイ人がいらっしゃったんやな」という驚きがありました。その人を演じさせてもらうにはそれだけの心積もりというか、ふんどしの紐(ひも)をしめてかからなきゃいかんと思いました。
田中:震災を体験した方たちのお気持ちを、震災を体験していないわたしがどれだけ伝えて演じられるか、責任と不安を感じました。東京生まれの東京育ちのわたしが関西弁を使って、どれだけ心を込めて気持ちを伝えられるかも不安でした。でもわたしが演じることでひとりでも多くの方にメッセージを伝えることができればと思い、出演を受けさせていただきました。
Q:お2人はご夫婦を演じられていますが、最初に会われたときの印象と演じられている内にその印象がどのように変わっていったのかを教えてください。
赤井:最初お会いしたときは「あのさよならコンサートのキャンディーズのスーちゃんや」と思いました(笑)。今回ご一緒させていただいて、本当に素晴らしい女優さんだというのを実感しました。
田中:最初にお会いしたのは20年くらい前で、『どついたるねん』で赤井さんが新人賞を受賞されて、わたしが『黒い雨』で主演女優賞をいただき、いくつかの受賞会場でご一緒しました。あのときの赤井さんと夫婦役ができると思って、とても楽しみでした。関西弁ができないわたしは、赤井さんに助けていただけるんだなあと思って安心しました(笑)。
赤井:いやいや、田中さんは撮影に入ると、休憩中や食事のときもずっと関西弁でしゃべっていらして、役に没頭されていました。

                               
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■「あきらめない」「負けない」という力強いメッセージ
Q:田中さんは夫を支える完璧な妻を演じられましたが、赤井さんの夫役はいかがでしたか?
田中:赤井さんだからこそ、古市さんの役をまっすぐに演じられたんじゃないかなと思うんです。実際の古市さんも明るくて、赤井さんにそっくりなんですよ(笑)。
赤井:えへへ……ありがとうございます。
Q:赤井さんは20歳近く年上の古市さんを力強く演じられましたが、役作りや体力づくりで苦労されたのはどんなところでしょうか?
赤井:年齢に関しては気にしていませんでした。頭を白髪に染めたぐらいです。映画の中で伝えたいのは、「あきらめない」「負けない」という力強いメッセージです。古市さんがプロを目指してトレーニングするシーンでは、自分がボクサーだったころにトレーニングしていたのを思い出しました。僕は、ゴルフはドヘタです(笑)。でも、年一回フルマラソンを走っています。香港やニューヨークでも走りました。今年は上海を走ります。家の奥さんもずっと走っていますが、フルは今回初めて一緒に走るんです。その経験が体力作りに役立っているのかもしれません。
Q:女優さんも体力が必要ですが、日ごろからどんなことに気をつけていらっしゃいますか?
田中:運動とヨガとクラッシックバレエ、いろいろと努力しています。やはり努力していかないと……(笑)。

■被災者の方々に思いをはせる
Q:リアルなオープンセットに驚きましたが、その場に立ったときのお気持ちを聞かせてください。
赤井:瓦礫(がれき)の下で亡くなった方たちのことを思うと自然に涙が出てきました。
田中:「おじいちゃんの位牌も、おばあちゃんの位牌も燃えてしもたな。みんな燃えてしもた。何もかんも。全部燃えてしもたんかぁ」というセリフがありますが、実際に生き埋めになった方がたくさんいらしたことを考えると、生かされたわたしたちはその方たちのためにも、明日に向かって一生懸命、夢と希望を持って生きていかなきゃいけないんだと実感しました。
Q:心に残る感動的なセリフがたくさんありましたが、特に印象に残っているセリフを教えてください。
赤井:夫婦のシーンで、プロテストを受けようとする夫に奥さんが「仮にテストを受けるとしたらいくらぐらいかかるの?」と聞いて「そやな200万ぐらいとちゃうか?」と答えると、奥さんが「聞いたわたしがアホやった、サイナラ」というやり取りがあって、おかしかったですね。(笑)田中さんがおっしゃるから特にかわいらしかったと思います。
田中:わたしは「苦しくなったら顔上げて、奥歯折れるまでかみ締めて(途中からは赤井さんと2人で声をそろえ) 笑うんやでぇー(笑)」この言葉を、自分が苦しいときに言葉に出していつも言うんですよ。「奥歯かみ締めて笑うんやでぇー。奥歯かみ締めたら笑えんやろ!」って自分で言って、笑っています。

                               
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■ありがとうは1日150回
Q:タイトルにもなっている「ありがとう」という言葉ですが、最近心に残る“ありがとう”という言葉の思い出はありますか?
赤井:奥さんがちゃんと子どもを育ててくれたり、僕の服などをそろえてくれたりすることに対して、いつもありがとうと感謝しています。ありがとうといつも思ってはいるんですが、この映画で、思ってるいだけでは伝わらない、ちゃんと相手の目を見て気持ちを言葉にして言わないと、と思いました。だから最近は、毎日150回くらいのありがとうを嫁さんに言っていますね……。150回は嘘でした(笑)。
田中:“ありがとう”と“ごめんなさい”が素直に言える人間になりたいと思っているんですね。親しき仲にも礼儀あり、でも長く付き合えば付き合うほど言葉が素直に出なかったり、言わなくても分かるだろうと思ってしまったり……、でもそうじゃないんですね。やっぱり口に出して、目を見て、ありがとうと言うことが大切なんだって思います。
Q:キャストがとても豪華でしたが、印象に残った方はいらっしゃいますか?
赤井:田中さんが現像するフィルムを集めるために、自転車で工事現場を回っているときに島木譲二さんが出てきて「お宅のご主人プロゴルファーを目指してるんやて? わしら、勇気づけられまんがなあー。頑張ってもろてやー」と言いながら灰皿で頭をぽこぽこやっていたんです。「このおっさん、何やってるんやろ?」と思いましたが、明るくて前向きなキャラクターでこの映画には必要、ホッとして、ええシーンになっていました。
田中:ひとりの被災されたおばあちゃんがある日、出かけようとして「どこに行くの?」と聞かれたときに「大阪に吉本を観に行くんや。衣食住がそろっても人間には夢が必要や。夢や希望がないと生きていかれへん」と言われたというのを聞いて、人間は夢とか希望とか笑いとかが大切なんだ、ひとりでは生きていけないんだと思いました。
Q:最後にこの映画を観る人たちへのメッセージをお願いします。
赤井:この映画を観てたくさんの幸せの涙を流してください。そして大事な人に"ありがとう"を伝えてください。タイトルの『ありがとう』と心からの感謝の"ありがとう"を伝えてください。
田中:家族のきずなの中で、夢を実現させて人生を大きく変えた人の物語です。夢の大切さや生きる希望をもう一度見つめ直してもらいたいです。

震災現場でのシリアスな表情からプロゴルファーを目指し、希望に向かってまい進していく人間味あふれる姿を、温かな人柄そのままを全身で演じきった赤井。奥さまへのあふれるほどの愛情も聞いていてうらやましいほど。一方の田中は、「被災しても命を貰ったら、わたしは生きていきます」。と田中のきっぱりと力強い言葉が印象に残った。なれない関西弁もなんなくこなし、苦難の中、夫を支え見守る妻の絶望から希望へと変化していく表情も完璧に演じている。2人の話を聞いて、これから先どんな人生が待っているかわからない、だからこそ人にやさしく、思いやりのある人生を送りたい。そんなメッセージが伝わってきた。


鶴田真由
『シャーロットのおくりもの』
落ち着いて愛情のある大人の女性を演じたい

                               
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取材・文:平野敦子 写真:シネマトゥデイ
『梟の城』や『半落ち』などに出演し、着実にそのキャリアを積んできた鶴田真由。女優として演技にますます磨きがかかってきた彼女が、心温まる動物たちの物語として話題の『シャーロットのおくりもの』で声優デビューを果たす。吹き替え作業に入る前の鶴田に、クモのシャーロット役に抜擢された感想や、初めての声優に対する心構えについて話を聞いた。

■動物は好きだが、ゴキブリは大の苦手
Q:クモのシャーロット役の吹き替えを担当するということですが、最初に依頼を受けたときの感想を教えてください。
そうですね……クモのどんな話なんだろうとワクワクしました。動物は好きですが、昆虫は……う~ん、ちょっと苦手かもしれない(笑)。特にゴキブリはダメです。吹き替えは初挑戦だったんですが、どんな風に難しいのかということも含めて未知の世界だったので、まずはやってみようと思いました(笑)。
Q:少女の声を担当した福田麻由子ちゃんはこの映画を観た後、クモを殺すのをためらってしまったそうですが、鶴田さんはいかがですか?
小さいころから家にクモが出ると祖母に「クモは家を守ってくれるのだから殺してはいけませんよ」と言われていたので、クモを殺すことは昔からしていないですね。

                               
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■ジュリア・ロバーツの声をお手本に!
Q:これから吹き替えをなさるということですが、どのようなイメージのシャーロットになりそうですか?
今はまだ模索中なのですが、シャーロットのキャラクターを生かした温かさと強さを出したいと思います。基本的には、ジュリア・ロバーツの声に添うように作りたいと思っています。彼女が吹き替えをしたシャーロットはすごくキャラクターと合っていたし、ステキだったと思います。彼女のやった役を参考にしながら、吹き替えていきたいと思っています。
Q:ハリウッドの女優さんなどは声優だとメイクや衣装替えがないので、演じるよりも楽だと言う人もいると聞いたことがあるのですが……。
あはは(笑)。自分の“間”で芝居ができなかったり、英語のセリフに合った時間帯の中で日本語を合わせなければならなかったりと、ものすごく制約が多いんですよ。それがどれぐらい苦しいのかわからないので、わたし自身はあまり楽だとは思っていないですね。

■笑えるシーン満載のかわいい映画
Q:本編を観ての感想を聞かせてください。
この作品には子ブタやウマやネズミやガチョウなどたくさんの動物が登場するのですが、それぞれのキャラクターの個性がはっきりとしていて、どの動物もおちゃめでかわいらしいんです。おもわず笑ってしまうシーンがたくさんあります。その笑いというのは自分が子どもに返って無邪気に笑えるような感じですので、とてもかわいい話だと思いました。
Q:クモのシャーロットの役を演じられますが、ほかの動物で演じてみたいと思われたキャラクターはいますか?
うーん……(とても悩んだ様子で)、多分シャーロットが自分には一番やりやすい役だと思いますね。小ブタちゃんの役はわたしにはちょっとムリですから。
Q:この映画のお気に入りのシーンを教えていただけますか?
馬がヒューンと倒れて気絶するシーンですね。あそこは何度観ても笑ってしまいます。まだどういう内容かは秘密なのですが、ラストシーンもとても良いのでぜひ観ていただきたいです。あとはそれぞれのキャラクターのかわいらしさも、ぜひ観ていただきたいですね。

                               
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■シャーロットは“大人の女性”
Q:これからシャーロットを演じるにあたり、注意したい点はありますか?
落ち着いて愛情のある、でもちゃんと芯の強い “大人の女性”にしたいと思っています。
Q:ヒロミさんや松本伊代さんはじめ共演者の方々はぜひ子どもにこの映画を見せたいとおっしゃっていましたが、鶴田さんもご主人とご一緒にいかがですか?
そうですね、この映画は家族で観るのがいいんじゃないかと思います。
Q:今後また声優の仕事があったらやってみたいと思われますか?
うーん、それは終わってみないとなんとも言えませんね。もしかしたらもう二度とやりたくないと思うかもしれませんよ(笑)。想像よりも大変だったと思うかもしれないし、想像よりずっと楽しかったと思うかもしれない。その辺りはまだ分からないので、どうなるか楽しみですね。
Q:では、最後に観客の方々にメッセージをお願いします。
人のぬくもりを感じてジーンとするところが多い映画なので、クリスマスの夜に家族みんなで観てください。ほんのりあったかい気持ちになると思います!

一見おしとやかではかなげな風情の女優、鶴田真由。しかし、実際の彼女はチャレンジ精神旺盛で、好奇心にあふれたとても気さくな人だった。ハリウッドスター、ジュリア・ロバーツの声を吹き替えるにあたっても緊張した様子はなく、むしろ未知の世界に足を踏み入れる状況を楽しんでいるようだ。今後、さらに活躍の場を広げていくことによって、女優としてだけでなく、ひとりの女性としてますます輝きを増していくだろう。


渡辺謙
『硫黄島からの手紙』
栗林忠道がどんな風に死を迎えたのか、
それが僕のテーマだった

                               
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取材・文・写真:シネマトゥデイ
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クリント・イーストウッド監督が硫黄島を舞台に日本側からの視点で描いた『硫黄島からの手紙』。その硫黄島で防衛の先頭に立った指揮官、栗林忠道を演じた渡辺謙。『ラスト サムライ』『バットマン ビギンズ』『SAYURI』と着実にハリウッドでキャリアを積む渡辺に、俳優として大先輩でもあるクリント・イーストウッド監督との仕事や映画への意気込みについて話を聞いた。

■栗林忠道の苦しみに目は背けまいと誓った
Q:渡辺さんの演じた栗林忠道という偉大な実在の人物を演じる上で、特に気をつけた点を教えて下さい。
歴史上の人物であり、実在した人……しかも現代に近い歴史の話ですから、関係者の方もたくさんいらっしゃるし、彼に興味を持っている方もいらっしゃいます。もちろん、そういう意味で敬意を払うということは絶対条件ではあるのですが、逆に言うと、彼が悩み苦しんだことや、彼の犯したミスからは絶対に目をそむけまいと思いました。彼自身がどんな風にこの島で生きて、死を迎えたのかということに関して、できるだけいろいろな情報を直視する。また、これは栗林さんだけの問題ではなく、ここでアメリカ兵も含めて、多くの方が傷ついたり亡くなったりしているという、声なき声というか、そういうものに耳を傾けなければ、こういう作品を演じてはいけないんだと、自戒の念みたいなものがありました。
Q:栗林さんを演じている中で、渡辺さんが一番感銘を受けたエピソードは何ですか?
エピソードではないですが、栗林さんが中学生くらいまで生まれ育った長野県の松代へ行き、お墓参りをして、生家がまだ残っているので、そこを訪ねました。山に囲まれていて四季がとても豊かで、そういう場所で生まれ育った人が、この南海の孤島で海に囲まれて、戦いの中で死を迎えなくてはいけないという思いは、どんなだったのだろうかと、そのときすごく感じたんですね。それで、この作品の「栗林さんの人生」という部分については、「その(死を)迎える気持ちを、彼がどんな風に迎えたのか?」というのが僕のテーマとして与えられたような気がしました。

                               
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■巨匠イーストウッド監督との撮影
Q:イーストウッド監督が日本人を描くということは挑戦だったと思うのですが、日本人とアメリカ人の意識のズレというのは感じなかったですか?
もうね、たとえば戦い方にしても「敗北」っていう基準がまったく違うわけですよ。だから、日本の「玉砕」とか、「自決」ということが彼らの発想の中にはまったくないわけですよ。もしかすると、今、僕らが「そんなこと思えないよ」っていうのと同じことでもあるわけです。だから、「僕たちもその気持ちをどう理解していいのか分からないんだ」ということと「国民性だけの問題ではなくて、現在と61年前っていうことに関してもすごく大きな隔たりがあるんだ」ということをクリントに伝えました。そして「日本人みんなが自決を潔いと思っているわけでないんだ」ということも彼に伝えました。
Q:渡辺さんが今までいろいろな監督とお仕事をした中で、イーストウッド監督が特に違うと感じたのはどんなところですか?
先日、クリントがブリティッシュ・アカデミー協会(BAFTA)からスタンリー・キューブリック・ブリタニア賞を受賞したんです。そこで、いろいろな俳優がクリントの仕事ぶりを話していて、その中で「grace(グレイス)」という言葉がすごくたくさん出てきていました。「とても品があって、高貴というか、そういう優雅さみたいなのがあったんだ」という話を聞いたときに、本当にその言葉がぴったりだと思いました。だから、現場自体は血と汗と泥にまみれる現場だったんですけど、どこか品がいい、すごく穏やかでユーモアがあって、俳優としては心地いい空間を作ってくれて、本当にその「grace」という言葉がぴったりでしたね。

■『父親たちの星条旗』と『硫黄島からの手紙』
Q:先日、『父親たちの星条旗』に出演されているジェシー・ブラッドフォード氏にインタビューさせていただいたのですが、「硫黄島の歴史についていろいろな事実を新しく知り、考えた」ということでした。渡辺さんご自身は「硫黄島」について新たに何か考えましたか?
新たにというよりは本当に白紙でしたからね。僕らこういう仕事をしていますから、いろいろな資料を読んだりする機会が多いですけど、それでも僕にとっては、やはり空白の歴史でしたね。ですから、「栗林さん」という名前を知ったのもクリントが『父親たちの星条旗』を撮ると聞いたときに、こんな司令官がいたんだというぐらいの情報しかなかったですね。本当に……こう……掘り起こしてもらったって気がしますね。
Q:今までの映画とは何か違うという感じがしましたが、2本ご覧になって日本やアメリカで作られた映画とどんな違いがあると思われますか?
結局、クリントの視点だと思うんですね。というのは、語ろうと思えばたくさん語れるわけですよ。ある広い意味で情感たっぷりにね。「はい、ここは泣くとこですよ」みたいに。そう描けるストーリーではあるんですよ。でも、彼はそこで多くの説明をしなかった。「そこにあったことをそのまま僕が映し取って、僕が見たものを見てください。その中で感じるものを受け止めてください」っていう……ある意味、とても突き放したというか……。だから、僕たちが映画を観ているという感覚ではなくなってしまうような、そういうリアルさがありました。それはやっぱり彼の力だと思います。
Q:戦争シーンがすごくリアルでした。日本の映画で使用する発破数と全然違うと思うのですが、いかがでしたか?
物量という面でいうと本当にそうで、「アメリカ軍が来てるんだ!」という感じがしましたけどね(笑)。もちろん、戦争を描いた作品ですから戦争シーンっていうのは不可欠ですが、ただ、それがどう人間に影響していくのか、人間の精神にどう響いていくのかということが主眼だと思うんです。もちろんスケール感という意味では、僕らが体感していた戦争の映画とはちょっとスケールが違うんですけれど、根っこにある精神であったり、そこで戦っている人間の気持ち、そこで苦しんでいる人間の気持ちというところに僕らは集約していったんだじゃないかと、映画を観て思いましたね。

                               
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■『父親たちの星条旗』のキャストとは戦友です
Q:本作も日米で公開されますが、アメリカ人にどのように受け入れられると思いますか?
驚かれるでしょうね。まあ、日本の軍人たちについて、わりと情報は伝わっていたんですけど、実際に描いた作品というのはあまりなかったんですよね。とても驚かれるんじゃないでしょうか。スタッフ自体も驚いていましたね。
Q:これは、本当に歴史的なプロジェクトだったと思うのですが、主演として参加され、栗林忠道を演じられた思いをお聞かせください。
日本の俳優として、こういう日本の歴史を描く作品に参加できたことはうれしく思います。でも、ある種とても重責を感じました。僕ができるだろうかという思いで始めたんですけど、みんな本当にいろいろな形で力を合わせてやり遂げた作品だと思います。もちろん僕が関わったのは『硫黄島からの手紙』だけですけど、『父親たちの星条旗』のキャストと試写会ですれ違ったときに、戦友みたいに思えましたね。これは、本当に不思議な感覚でした。僕たちが2つの作品を作ったんだという。お互いに尊敬し合っています。これは本当に硫黄島で戦った兵士たちと同じような感覚、同じような気持ちで作品に関われたと思います。

ハリウッドでもその演技力を認められている渡辺だが、本作『硫黄島の手紙』での彼は、ひときわ異彩を放っていた。血と汗と泥にまみれた戦場の中で、栗林忠道だけが、すがすがしく輝いていた。クリント・イーストウッド監督を語るとき、渡辺は「grace」という言葉を使ったが、インタビュー中も常に周囲への気遣いを忘れず、真摯(しんし)な態度で答える渡辺謙もまた、硫黄島で悲劇的な死を気高く迎えた栗林中将を演じるにふさわしい「grace」な演技者と言えるのではないだろうか。『硫黄島からの手紙』でいま一度、渡辺謙という人間の魅力を再確認してもらいたい。

                               
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木村佳乃
『オープン・シーズン』
大笑いすると「フガッ」ってブタになっちゃう!

                               
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取材・文・写真:シネマトゥデイ
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人間に育てられた熊のブーグが、初めて出会った森の仲間たちと冒険を繰り広げるフルCGアニメ『オープン・シーズン』は10月、全米登場オープニング1位を飾った。アメリカの超人気コメディアンであるマーティン・ローレンスほかアシュトン・カッチャーなど多くのハリウッドスターが声の出演をする本作の日本語吹き替え版に木村佳乃が挑戦した。本作で木村は、熊のブーグを家族のように愛する森林警備員・ベスの声を担当。明るくて勝ち気なベスを、ユーモラスに、そして優しさいっぱいに演じた木村佳乃が作品の魅力を語った。

■フガッ……ブタ鼻を猛練習
Q:アメリカ版の『オープン・シーズン』をご覧になった感想は?
とにかくブーグの毛の質感にびっくりしました。1本1本描いていらっしゃるそうなんです! コンピュータ・グラフィックではなくて、手書きで! なので、本当にやわらかそうで感動しました。前半は、街のシーンもあるんですが、後半は森が舞台になっているんですね。洪水シーンの水は、大画面で観たらすごい迫力だと思います。ストーリーも心温まるお話で、大人のわたしが観ても本当に感動したので、年齢を問わず楽しんでいただけると思います。
Q:吹き替えで、苦労したところはありましたか?
声優のお仕事は今回で2回目だったんですけど、何が難しいかってやはり、英語に合わせた口の動きに日本語を合わせるということです。英語と日本語は文法が違うので、盛り上がるところで口の開き加減が違うんです。日本語だと「わたしは、あなたが好きです」なのに、英語は「わたしは、好きです。あなたが」って全然違うんですね。そこがすごく難しかったですね。でも、八嶋さんと石塚さんに比べると、わたしのキャラクターは人間なので……(笑)。
Q:動物の鳴き声はしなくていいですよね(笑)!
そうそう。でも面白いくせがあって。ベスって笑うときに鼻をこう「フガッ」って鳴らすんです。「あっはっはっは、フガッ」って! 本当なんですこれ! でもそういう人っていません? というか、たまにそうなりません!? わたしも大笑いするときにブタみたいになっちゃうときあるんですけど、そのくせを習得するのが結構大変で、練習しましたね。「あっはっは、フガッ!」って(笑)。 あ……ちょっと下手になっちゃったんですけどね、もう(笑)。

                               
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■かわいいお尻とつぶらな瞳が最高!
Q:ベスと性格が似ている点はありましたか?
明るいところは結構似ているかな。ブーグが大好きで、自分の子どものようにブーグを育てているんです。でも、ただ猫かわいがりするだけじゃなくて、いつか自然に帰さなきゃいけないってことをちゃんと分かっている人なんですよね。かなり深いテーマが描かれているんですよね。
Q:動物はお好きなんですか?
はい! 犬をずっと飼っています。ですから、最後にブーグとベスの別れのシーンを観ていると、すごくぐっときてしまいました。また、ブーグの表情がすごく細かく描かれていて、悲しそうな眼とか、本当にジーンとくるんですよね。泣かされました。
Q:映画の中でもたくさんの仲間たちがブーグを応援します。中でもお気に入りのキャラクターはいますか?
わたしはやっぱりブーグが大好きなんですけど、エリオットのお尻もかわいいんですよね! わたしが飼っている柴犬と、お尻がそっくりなんです。でもみんなすごく魅力的ですよね。個性的だし、つぶらな瞳が最高です!

■とにかく前進あるのみ! の女優道
Q:本作では、“森”という新しい世界に飛び込んで、大きな成長を遂げる主人公のブーグでしたが、木村さんが“芸能界”という新しい世界に飛び込まれたとき、どんな気持ちでしたか?
それはわたしが19歳のときにさかのぼるんですが、そのときはやっぱり無我夢中という感じでしたね。ブーグと一緒で、毎日経験することが新しくて……。とはいっても、周りはプロの大人なので、皆さんにご迷惑をかけないように一生懸命質問して教えていただきながら、前を向いて頑張るしかない……本当に無我夢中でしたね。細かいことは、全然考えていなくて、とにかく前しか見ていなかったですね!
Q:女優としての道を歩む中で、心掛けていることはありますか?
わたしは本当に不器用な人間なんです。ですから失敗してもまず、あせらないことですね。もちろん人間なので失敗はありますよね。でも失敗って悪いことではなく、むしろ必要だと思うんです。特にこういう仕事は、いいときと悪いときがあります。悪いときはあせらずに、「今はこういう時期なんだ」ってどーんと構える。とはいえ、あまり調子が良くないときが続くと「はあ」って思ってしまうんですが……(笑)でも、そういうときでも自分を見失わず、あせらないということが大切だと思いますね。

                               
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■一人では何もできない、支えあってこその自分
Q:壁にぶつかったときは、どのようにして乗り越えているんですか?
壁に当たったとき、一生懸命駆け足で這い上がろうとして、それでも途中で落っこちてしまうこともあると思うんです。でも、その壁から逃げ出さないということが、大事だと思いますね。人によって、ワッと登れる人もいれば、ゆっくりゆっくりコツコツと登る人もいるだろうし、いろいろだと思うんです。それは、人それぞれ越え方があると思うんですね。わたしの場合、ファンのみなさん、家族、友人、スタッフ、皆さんが応援してくれているから、前に進めていると実感しています。1人では何もできないというのが、現実なので。
Q:女優としてはもちろん、声優などさまざまな場で活躍されている木村さんですが、そのパワーの原動力はなんでしょう?
そうですね。全部を楽しむことですかね。大変なことを考え始めると、越えなきゃいけないハードルはいつもあります。課題もたくさんあるんですけれど、それも踏まえつつ、本番ではすべて振り払って、自分を解き放って楽しむ。そうすると、終わったときに「演じて良かった。楽しかった」と思えるんです。
Q:最後に、この作品をご覧になる観客の皆さんへメッセージをお願いします。
この映画を観たときに愛情っていいなって感じました。ブーグとベス、エリオットとブーグ、そして森の仲間たちの森への愛。本当に愛にあふれた映画で、観ていてすごく心が温まったので、皆さんには、この冬『オープン・シーズン』で心を温めていただきたいと思います。

「フガッとやるのが、本当に大変で(笑)」と、鼻をフガフガさせる飾り気のない女優。周りが、ぱっと華やぐような美しさの持ち主なのに、気取ったところがひとつもない。それが木村佳乃の魅力だ。木村の「フゴッ」を聞いたスタッフが思わず噴き出してしまうほど、明るくて楽しい性格は、映画の中のベスそのもの。「自分は不器用な人間」と笑いながらも、常に前を見続ける、自分なりの人生の歩き方をきっぱりと話す木村佳乃は最高に格好いい女優だった。
快乐时大笑,难过时痛哭

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 楼主| 发表于 2008-4-4 14:01 | 显示全部楼层
勝地涼
『幸福な食卓』
男の人は女の人に転がされているほうがいいと思う

                               
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取材・文:鴇田崇 写真:シネマトゥデイ
女性を中心に幅広い読者層から圧倒的な支持を受けている、気鋭の作家・瀬尾まいこの「幸福な食卓」が映画化された。ある事件をきっかけに崩壊の道をたどった家族の再生への道のりを描く本作で、『亡国のイージス』で強烈な存在感を見せた勝地涼が、これまでの硬派なイメージとは一転して、さわやかでポジティブ志向の若者を好演。作品についての感想やテーマなどさまざまな話を聞いた。

■普通に一観客として観ていて泣いた
Q:『幸福な食卓』の原作あるいは脚本を読まれた感想はいかがでしたか?
『幸福な食卓』の内容はかなり繊細だったので、『幸福な食卓』っていう題名のわりには、出だしは「あれ?」っていう感じでしたね(笑)。でも、読み終わったあとに温かい気分になりました。
Q:そのとき、勝地さんが演じられた大浦勉学(おおうらべんがく)という役は決まっていたのですか?
はい。自分が演じた大浦勉学は明るいし前向きで、(北乃)きいちゃんが演じた佐和子も前向きで周りの人を明るくする女の子だったので、観ているお客さんに「大浦勉学って本当にいいやつだね、憎めないやつだね」って思ってもらえないと、何も響かないだろうと思いました。
Q:佐和子役の北乃きいさんとの初共演の感想はいかがでしたか?
彼女にとっては初めての映画で、すごく緊張しているって言ってたんですけど、本当に堂々としていて、すごいと思いました。演技でもセリフに佐和子の思いを込めて演じてくれたので、佐和子と勉学でいる関係がだんだん気持ちよくなって、楽しくなっていきましたね。僕は緊張すると自分のセリフでいっぱいいっぱいになったりするんですけど、(きいちゃんは)「何なんだこの余裕は?」というぐらい落ち着いていました。
Q:物語の中心となる中原家と離れて、勝地さんはほとんど別撮りだったわけですが、完成版をご覧になった感想は?
自分が出ていないシーンは、とても楽しみにしていました。物語は家族の再生だったりするので、普通に一観客として観て泣いちゃいましたね(笑)。やっぱり家族っていいなぁと。

                               
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■大浦勉学は純粋にいいやつ
Q:『亡国のイージス』『この胸いっぱいの愛を』など硬派な役が続いていましたが、今回はちょっと違いますね。
そうですね。女の子との恋愛するような物語は本当に少なくて、どちらかというと戦争ドラマとか心に何かを抱えているキャラクターや虐待されるというような役が多かったので、今回のようなヒロインが悩んで、それを包み込む役は新鮮でした。大変でしたけど、楽しかったですね。「佐和子にこう思われるためにはどういう演技をしないといけないんだろう?」とかいろいろ考えながら演じました。たとえば、彼女のセリフに「大浦くんっていいよね」っていうのがあるんですけど、どうしたら本当にそう思ってもらえるのかなぁと考えていました。
Q:佐和子の家族である中原家にはそれぞれ悩みがありますが、大浦勉学にはどんな悩みがあると思いますか?
「勉学には悩みはない」と思って演じていました。勉学は常に前向きだし、そもそも悩みを悩みとも思ってないというか、「おれんち、家族が崩壊しているんだ」とか言いながらね(笑)。とにかく、何事にも前向きなキャラクターですね。
Q:大浦勉学は10代なのにとても大人っぽいですよね。恋愛も含めて、何でも分かっているような感じですね。
ある意味純粋で、ある意味大人びているんですよね。でも、それを一生懸命考えているからこそ、彼がほほ笑ましくなるっていうか、彼のやることひとつひとつに“彼だから”って納得してもらえるというか(笑)。映画を観ていただければ、彼の人柄がしだいに分かっていくと思います。ああ、なるほどねって(笑)。
Q:同性からみて、勝地さんは大浦勉学という男にどんな魅力を感じましたか?
まぁ、若いからこそ、あそこまでとことんできるんでしょうけど、逆に今はそういう人が少なくなっているかもしれないですね。打算的だったり、こう思われたら嫌だなって思いながら言葉を選んでいたりとか、こういう風に思ってもらいたいなとか、ちょっと裏を考えてしまうような恋愛の仕方だったり、人との関係だったりが多そうじゃないですか。大浦勉学はその反対の位置にいるような人間なので、ああ、いいなって純粋に思えました。

■男の人は女の人に転がされているほうがいい
Q:勝地さんは男として、どういう生き方がカッコいいと思いますか?
どうですかねー(笑)。いろいろと気を使って生きるのも大変だと思うし、逆に自分の考えとか頑固すぎてもいけないと思います。これだっていうものに真っ直ぐ突っ走って行けたほうがいいのかもしれません。それを女の人が「はいはい」って見守ってくれるような。男の人が偉そうにしているわけでもなく、女の人も支えているだけというわけでもない感じがいいですね。男の人は女の人に転がされているほうがいいと思います。その意味では自分が演じた大浦勉学もすごく純粋だし頑固でもなく、佐和子と勉学の関係はまさに自分の思っている“カッコいい生き方”でしたね。
Q:勝地さんにとって俳優のお仕事は突っ走って行ける対象ですか?
このままやっていくべきなのか、やっていく上でどうすればいいのか、いろいろ悩んだ時期もありました。20歳は人生っていうか男としてもこれからだし、自分の持っている力を全力で出そうと思って突っ走って行けますもんね。
Q:演じるにあたって、勝地さんはどのように役を掘り下げていますか?
台本を読んで役の気持ちを考えたり、自分なりにイメージを膨らませたりしますね。自分にいろいろな人生経験があれば、もっと幅が増えるのかもしれません。だからベテランの俳優さんはどんなこと考えながら台本を読んでいるのか、聞いてみたいですね。

                               
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■何となく時間を共有できる関係性こそ最高
Q:俳優というお仕事をやられていて、どんな役が演じていて一番楽しいと感じますか?
そうですね……。どの役も演じていて楽しいんですけど、大浦勉学みたいに悩んでいる人のそばにいる人っていうのも楽しかったですし、ほかの作品で悩んでいる人の役も楽しかったです。でも、普通の男の子の役が一番難しかったですね。これからもいろいろな役をやりたいです。自分からかけ離れた役は楽しいでしょうね。たとえば、殺人犯とか(笑)。日常では味わえないストーカー役とか(笑)。
Q:今回の『幸福な食卓』で勝地さんが演じられた大浦勉学のどんなところを観て欲しいですか?
愛すべきキャラ、愛されるキャラ、憎めないやつって思ってもらいたかったので、それを感じていただけたらと思います。テーマは“家族の再生”なので、佐和子に大切なことを気付かせてあげたりとか……自分ひとりじゃなく、キャストやスタッフの皆さんと一緒に作った映画なので、全体を観て欲しいですね(笑)。
Q:最後に、勝地さんにとっての“幸福な食卓”とは、どんな状態を指すのでしょうか?
自分が小学生のころは家族と一緒にご飯を食べたりする時間がありましたけど、だんだんそういうのがなくなってきたと思います。みんな忙しいし。だから、たまに会えるその時間だけでも、大切にしたいですね。それだけじゃなく、「元気?」の一言だったり、メールでもいいし、家族を思う気持ちを忘れずにいたいです。「食卓でメシを一緒に食べる」っていう形式的なことだけでなくて、何となく時間を共有できる関係が最高だと思うんです。それは家族だけなく、友達関係でも。『幸福な食卓』では、そのあたりも感じていただければうれしいです。

数々の超大作や話題作で共演者を食うほどの存在感をアピールしてきた勝地涼。インタビュー現場に現われた彼は映画で観る勝地涼そのものの魅力を放っていた。それは仕事に対するストレートな姿勢からきていると改めて感じた。しっかりした考え方、話し方で作品のこと、仕事のこと、自分のことを語る彼を見ていると、今後間違いなく日本映画界を背負う俳優に成長するだろうと確信した取材だった。

                               
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山田花子
『無花果の顔』
理想のタイプの男性は年上で、
なんでも決めてくれる人がいいです

                               
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取材・文・写真:シネマトゥデイ
老若男女問わずたくさんの人から愛されている、お笑い芸人の山田花子が、桃井かおりの初監督作品『無花果の顔』のヒロインに抜てきされた。『嫌われ松子の一生』にも囚人役で登場するなど、かねてから女優としての仕事に興味を持っていた山田は本作でついに初めての主演を務めた。不倫した男との間にできた子どもを出産するという難しい役どころを、抑えた演技で見事に演じきった、女優・山田花子に、作品について、そして女優としてのこれからを語ってもらった。


                               
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■脚本を渡されても実感がない
Q:『無花果の顔』に出演しようと思ったきっかけを教えてください。
前から、映画とかドラマに出たくて……この作品の話をマネージャーさんが見つけてきてくれたので、オーディションを受けることにしました。最初は、「合格」と言われても、脚本をもらっても、全然実感がわきませんでした。
Q:脚本を読んだ感想は?
初めて読んだときは、正直、どういう映画かよく分からなかったです。撮影が進むにつれてだんだん、自分も理解していきました。
Q:出来上がった映画をご覧になって、スクリーンの中のご自身はいかがでした?
映像がすごくキレイで……。キレイな映像の中の自分は、すごくキレイでした(笑)。

■新喜劇は失敗しても笑いになるけど……
Q:初めての主役としての演技はいかがでしたか?
うまくできました。赤ちゃんを産む役だったのですが、普段は赤ちゃんと接する機会があまりないので、赤ちゃんをずっと抱っこしているのはすごく大変でした。
Q:吉本新喜劇でもお芝居をされていますが、新喜劇と映画の芝居ではどんな違いがありましたか?
新喜劇の舞台は、失敗しても笑いになるからいいんですが、映画は失敗すると怒られるから……(笑)。うまく演技ができなくて、怒られました。現場でも、なんか浮いてるなあって感じることが結構ありましたね。
Q:新喜劇で怒られたりすることはないんですか?
突っ込まれるくらいで、全然厳しくないです。でも最近は、先輩の石田靖さんとかに「花子、あんまりボケへんようになったわ」って言われます。「女優のやりすぎや」って(笑)。でも月に2回は大阪で、新喜劇に出ていたので、気分転換ができました。
Q:大阪に帰るとほっとしますか?
東京のほうが好きです(笑)。芸人さんも東京の芸人さんのほうが優しいし(笑)。

                               
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■桃井監督がピリピリしていても気にしない
Q:女優としても大先輩の桃井監督からは、どんなことをアドバイスをされました?
歩き方とか……セリフが標準語だったので、話し方とかをアドバイスしてもらいました。たまになまったりしちゃっていたので(笑)。脚本に、「トマトもいいわね」というセリフがあったんですが、「トマト」の言い方が「違う」って言われたんですけど、どこが違うのか分からなくて困りました(笑)。
Q:桃井監督がイライラしたときはどうしてるんですか?
あまり気にしませんでした(笑)。
Q:逆に監督に言われてうれしかったことはありましたか?
映画のためにちょっとやせたんですけど、「きれいになったね」って言ってもらえたときがすごくうれしかったです。
Q:どんなダイエットをされたんですか?
お酒を飲まないようにしました(笑)。


                               
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■妻夫木くんがいいです
Q:作品では、父親との関係がとても温かかったですが、お父さんとの思い出はありますか?
昔よく女子プロレスに連れて行ってもらっていました。
Q:お父様は、女子プロファンなんですか!?
違います(笑)。もともとお兄ちゃんがプロレス好きだった影響で、女子プロファンになったんです。それで、わたしが見に行く女子プロの試合についてきてくれていました。
Q:お父さん役の石倉三郎さんとは仲良くなれましたか?
すごく優しい人です。恋の話をしました。「おすすめの俳優さんを教えてください」って頼んだのですが、「俳優はやめたほうがいい」って言われました(笑)。
Q:山田さんの好きな俳優さん……いつか共演したい方っていらっしゃいますか?
妻夫木くん……。
Q:今田耕司さんのファンとうかがっていたのですが……。
妻夫木くんがいいです。俳優さんがいいです。

■女優・山田花子として……
Q:尊敬している女優さんはいますか?
わたしは、市原悦子さんがすごく好きなので、いつか「家政婦は見た」の家政婦役をしたいです。
Q:日本映画で、出てみたかった映画や役柄はありましたか?
『THE 有頂天ホテル』に出たかったです。松たか子さんの役じゃなくて、ワンシーンおいしい役が欲しいですね。
Q:芸人として大活躍されているなか、女優業も本格的に始められたわけですが、女優業と芸人だったら、どちらが楽しいですか?
どちらも違った楽しさがあるので、半々でやっていきたいと思います。いつもはお笑い系なのに、女優は、いつもと違う自分になれるのがすごく楽しいです。

                               
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■演技派女優になりたいです!
Q:いろいろな顔を持っている山田さんですが、本当の山田さんってどんな女の子なんでしょうか?
普段はおしゃべりがすごく苦手で、あまり話しません。でも、お笑いをしているときは、すごく楽しいです。
Q:最近、夢中になっていることはありますか?
トランペット……。吹けたら、モテるかなあと思って。
Q:どうですか? モテだしましたか?
まだまだかかりそうです……(笑)。
Q:山田さんの理想のタイプってどんな方なんでしょうか?
年上で、なんでも決めてくれる男の人がいいですね。わたしは、(自分で)なにも決められないので……。
Q:本作での山田花子は、女優として何点でしたか?
百点満点です。
Q:女優・山田花子としての、これからの抱負をお願いします。
演技派の女優になれるようにがんばります。

テレビで「なんじゃー! ボケー!」と男のお笑い芸人に立ち向かっていく山田花子の素顔は、とにかくシャイで内気な女性だった。テレビで見せているお笑い芸人としての一面、そして映画で見せている女優としての一面、インタビューで見せた内気な一面。彼女のなかには、いろいろな“山田花子”が住んでいるようだった。そして、彼女自身、お笑い、映画などさまざまなジャンルで違った自分になることを、心から楽しんでいるように思えた。桃井かおり監督に、「違う種類の部族と会った感じだった」と言われたものの、控えめながら内に秘めた強さを持つ主人公を個性的な演技で熱演した山田は、間違いなく女優としての大きなステップを登ったはずだ。女優としての山田花子にこれからも、期待していきたい。



乙葉
『劇場版 どうぶつの森』
家にいるのが好きで
仕事がなければずっと家にいます

                               
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取材・文:平野敦子 写真:亀岡周一
グラビアアイドルからキャリアをスタートし、歌手に女優に声優にとマルチに才能を発揮する乙葉。その癒し系のキャラクターが人気で、現在も東京電力や花王など、CMにも出演するなどその活躍は目覚ましい。そんな彼女が人気のゲームを映画化した『劇場版 どうぶつの森』に“ぺりこ”の声で特別出演した。彼女が演じたキャラクターへの熱い思いや、心温まるこの映画の魅力について語ってもらった。

■声優はあこがれの職業
Q:この映画をご覧になっての感想を聞かせてください。
わたしは自然が豊かな長野で生まれたので、この『どうぶつの森』の世界のように自然を体験して育ちました。なので、幼少時代を思い出して、すごく懐かしい気分になりました。
Q:ペリカンのぺりこちゃん役ということですが、最初に声優の仕事の依頼を受けたときの感想を聞かせてください。
これまでにも何度か声優のお仕事をさせていただいているのですが、わたしにとって声優の仕事というのはあこがれの職業のひとつなので、とてもうれしかったです。
Q:今後も声優のお仕事をやっていきたいということでしょうか?
今は東京電力の“でんこちゃん”の声をやっているのですが、わたし自身そういうかわいいキャラクターが大好きなんです。声優としてまた違う自分になれるような気がするので、もっともっといろいろなキャラクターになってみたいですね。
Q:特にお気に入りのキャラクターはありますか?
ディズニーのキャラクターものなどたくさん集めているのですが、ほかにも猫のキャラクターものなどもありますし、けっこう動物もののキャラクターが好きですね。

                               
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■ぺりこちゃんは親しみやすいキャラクター
Q:『劇場版 どうぶつの森』の映画の中でお気に入りのキャラクターはいますか?
やはり自分が演じたぺりこちゃんがすごくかわいらしくて(笑)。ぺりこちゃんはゲームの場合、すぐに登場するキャラクターなので親しみがわくと思います。
Q:ぺりこちゃんと乙葉さんの共通点はありますか?
ぺりこちゃんはとてもしっかり者なんですよ。そういうところはわたしとは似ていないかもしれないですね(笑)。逆にぺりこちゃんのお姉さんのぺりみがとても自分勝手なキャラクターなので、性格の違うぺりこちゃんとぺりみのコンビネーションがすごく面白いと思います。あとはパフスリーブ(ふくらんだ袖)が好きなところ! ぺりこちゃんはいつもかわいらしいパフスリーブのお洋服を着ているんです。今日はちょっと違うのですが(と自分の着ているワンピースをチェック)、わたしもパフスリーブが大好きで、お洋服もたくさん持っているので、ぺりこちゃんの衣装がうらやましかったです。
Q:楽しんでお仕事をされたようですが、苦労した点があったら教えてください。
普通の人間の声と違って動物の口に合わせて話すのが大変でした。ぺりこちゃんの場合はくちばしが大きいので、画面を見ていてもしゃべっているのかしゃべっていないのかよく分からないんですね。それを一生懸命見ながら声を吹き替えていく作業がちょっと大変でした。でもとても楽しくお仕事させていただきました。
Q:お気に入りのシーンはどこですか?
身だしなみを気にするぺりこちゃんが、常に洋服のリボンを直すしぐさがかわいかったです。彼女はとてもおシャレさんで、とても女の子らしいんだと感じました。

■仕事のおかげで外出できる!?
Q:声優、歌手、女優といろいろなお仕事をされていますが、どれが一番大変ですか?
そうですね……(と真剣に考える様子で)、わたしは毎日いろいろ違うことをするのが好きなので、なかなかひとつのジャンルにしぼれないんです。一日一日違うことを考えられるというのがすごく楽しいので、大変だなと思うことはそんなにないです。
Q:家にずっといるということはあまりないのでしょうか?
ずっと家にいるのは苦痛ではないので、仕事がなければずっと家にいます(笑)。仕事をやっているおかげで外に出られるのかもしれませんね。
Q:ご自分も『どうぶつの森』に住んでみたいと思われますか?
ほのぼのした雰囲気の、イヤなことが何もない平和な世界に生きてみたいとはと思いますね。普段の生活で自分はそんなに危機を感じることはないのですが、今の日本もそうですし、世界も決して安全とは言えないので、やはり、ほのぼのと癒される世界のほうがいいな……と思います。
Q:では、最後にこの映画のアピールをお願いします。
たくさんの動物たちと自分が実際に触れ合っているような感覚になって、心身ともに癒される映画だと思うので、ぜひ家族全員で劇場に観にいらしてください!

                               
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外見も声もしぐさもとても女性らしくて愛くるしい乙葉。癒し系ののんびりとした人を想像していたのだが、今回その期待はいい方に裏切られた。確かにほんわりとした雰囲気の彼女は、周りにいる人を和ませてくれるが、その一方で、頭の回転も速く、とても勘のいい人なのだと感心させられた。自分の仕事にしっかりとしたプロ意識を持って臨んでいる姿勢も伝わってきて、声優としても、女優としても、歌手としても、もっともっと彼女のことを見ていたいと思わせる魅力が、彼女には備わっているのだろう。






妻夫木聡&柴咲コウ
『どろろ』
共演者が想像以上だったとき、
新たに生れる感情や表現に幸せを感じる

                               
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文・取材:シネマトゥデイ 写真:亀岡周一
動画 [ 再生(1Mbps) | ご利用ガイド ]
手塚治虫原作の「どろろ」は、作品誕生から約40年もの間「映像化は不可能」と言われ続けていた。しかし、ついに総製作費20億円を投じて映画化に成功した超大作『どろろ』が公開される。体の48か所を魔物に奪われた“百鬼丸”に妻夫木聡。百鬼丸を明るく元気づけながら、奪われた体を取り返す旅をする泥棒“どろろ”役に柴咲コウ。日本映画界をリードする若手俳優二人が、パワフルで迫力満点のアクションを見せている本作は、最高のエンターテインメント作品に仕上がった。主演の妻夫木と柴咲に、ニュージーランドロケやそれぞれの映画への思いを語ってもらった。

■手塚治虫の「どろろ」を読んだ感想
Q:原作を読んだ感想と映画化が決定したときの感想をお願いします。
妻夫木:最初に台本をもらって読んだら、すごく面白くて、そこで手塚(治虫)さんの原作だと聞きました。(台本を読んだのは)漫画を読む前だったので、「脚色してこうなっているのかな」と思ったんです。でもそうではなく、手塚さんの「どろろ」という作品自体がアクションも含めて、人間の生きることや、内面のことが描かれていて、映画としても漫画としてもすごく面白かったです。
柴咲:漫画なのに漫画の枠に収まらず、現実世界のことのようにリアルに伝わってくるところや、考えさせられることがちりばめられていて、勉強になると感じました。映画のお話をいただいてから原作と脚本を読んだのですが、(脚本は)漫画を実写にする威力のある書き方で、たくさんト書きもあったし、動きの説明がいっぱいありました。脚本も1冊の本として小説のように読めたので、これは面白くなると思いました。
Q:たくさんの魔物が出てきますが、お二人でどんどん倒していって、一番倒しがいのあった魔物はいましたか?
妻夫木:倒しがいですか?(笑) 結構どの魔物も強かったですからね。
柴咲:やっぱり動いているものの方が……。大木や静止しているものよりも、動いているものの方が動きはつかみやすかったですね。
妻夫木:そうですね。やっぱり“カラス天狗”ですかね。“カラス天狗”とのシーンは、特にワイヤーアクションが多かったんです。(柴咲)コウちゃんも、そのときワイヤーやっていたし。(撮影の)入りが“カラス天狗”のシーンだったので、印象深いですね。

                               
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■ワイヤーアクションに挑戦!
Q:アクション監督が中国のチン・シウトン監督でしたね。向こうのアクション監督は「容赦ない」とよく聞きますが、いかがでしたか。
妻夫木:容赦ないということでもなかったですね(笑)。
柴咲:優しかったですよね。
妻夫木:そうですね。でも、最初に僕が(撮影に)参加したときに、「あー、これからアクションか……」って思って行ったんです。そしたら、「それじゃあ、妻夫木さんお願いします!」と言われて、ワイヤーを付けたんですけど、その前にスタントの方が吊られていて、パッと上に飛んだんですよ。「あー、これは、僕じゃないだろうな」と思っていたら、「じゃ、妻夫木さんあれと同じことやりますので」って言われたんですよ! そういう意味では容赦はなかったですね(笑)。
柴咲:わたしも“カラス天狗”との対決シーンのときに、初めてチン・シウトン監督の下でアクション撮影が始まったんです。「ワイヤーアクションはないから」って言われていたんですけど、いきなりワイヤーを付けられて、「アレ? 何で付けるのかな?」って思ったら、「じゃ、そのエアーズ(岩石)から飛んでください」って言われて飛びました。しょっぱなから(笑)。
Q:怖くなかったですか? 大丈夫でしたか?
柴咲:それが、命綱があるとすごく勇気が出るんですよ。高い所に立ちなさいと言われても、1本(ワイヤーで)吊られているだけで、何か妙に強くなったような感じがして、あまり恐怖感はなかったです。
Q:ニュージーランドのロケはいかがでしたか?
妻夫木:日本と明らかに違う大地なんで……っていうか日本の広大な大地に行ったことないから、よく分からないのですが(笑)……。植物だったり、土だったり、全体的な雰囲気が見たことのない空気感だったので、そういう異質な感じが『どろろ』の世界観とすごくマッチしていたと思います。ニュージーランドに助けられている部分もあるんじゃないかな。
柴咲:行ってみたらすごくだだっ広い土地があって、しかも草が青々としていないところだったんです。だから荒れ果てた雰囲気も出ていたし、映像としてはバッチリの場所でした。

■“百鬼丸”と“どろろ”
Q:“百鬼丸”と“どろろ”はすごく個性的な二人ですが、現場でお互いがどういう演技で来るかというのは想像されていましたか?
妻夫木:いろいろ想像していましたね。脚本が映像をイメージできるくらい本当に面白いんですよ。だから「“どろろ”はこういう感じだろうな」と想像していました。コウちゃんの“どろろ”はその想像通りでもあったし、それ以上に“どろろ”の魅力がかわいくもあり、面白くもあり、そして力強くもあるっていうところを見せてくれたんじゃないかな。
Q:柴咲さんは現場で、“どろろ”として“百鬼丸”と接していかがでしたか?
柴咲:うーん、話の流れで、いつからこの二人が信頼関係を築いたのか分からないけど、「縁」みたいなものを感じるフレーズがあったように思いました。撮影は順撮りではないので、あまり考えずに「言葉では言い表せない空気」みたいなもので二人が引き合わされたというならそれでいいのかなって思いながら演じました。“百鬼丸”って悲しみだったり、人に対する愛みたいなものを忘れないで持っているようなキャラクターだから、そこに“どろろ”は共感、共鳴したのかな。
Q:映画の中で“百鬼丸”が魔物を倒したのに、「怪物!」と言われて石を投げられるつらいシーンがありますよね。そういう役柄を演じて、いかがでしたか?
妻夫木:まあ、いい気はしないですね。でも、そこから逃げていては何も始まらないんじゃないかな。そこに立ち向かう、自分から行動することがとても大事で、そのちょっとした勇気、はじめの一歩が出れば、あとは頑張れるんじゃないかと思うんです。だから、“どろろ”の存在が“百鬼丸”にとっては支えであって、助けであったのだと思います。

                               
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■俳優としてのお互いの印象
Q:最後に、撮影を終えて演技者・役者としてのお互いの印象を教えてください。
妻夫木:「オレンジデイズ」のドラマで共演して以来なんですけど、本番にかける(柴咲さんの)集中力の高さは素晴らしいなとびっくりさせられました。自分が想像している以上のものと言うか、想像しているものだけがすべてじゃないと僕は常々思っていて、(共演者に)それ以上のものをやられたときに自分から新たに生れる感情や表現が自分自身の幸せを感じるときなんです。そういう刺激が多くて、一緒に演じていて楽しかったです。
柴咲:毎回与えられる役があって、その役の中で打ち出さなきゃいけない責任があるというところばかりを気にしてしまうことってあると思うんですね。(妻夫木さんとは)掛け合いのときに、それらを全部取っ払って、相手から刺激を受けつつ「こっちももっと!」っていうようなやり取りができました。それは“どろろ”と“百鬼丸”の押さえ切れない感情として映し出されていたので、本当に一番(妻夫木さんに)助けられたところだと思います。

インタビューの間、妻夫木、柴咲からひしひしと伝わってきたものがあった。それはお互いが“演技”そして“映画”にかける情熱の深さだ。“百鬼丸”としての妻夫木、そして“どろろ”としての柴咲は、相手の見せる演技に敏感に反応しながら、柴咲の言葉通り「こっちももっと演じてやろう!」という気持ちでぶつかり合っていたのではないだろうか。二人の火花を散らすような演技は、観ているこちらまで刺激されてしまうほど面白い。真摯(しんし)な態度で映画に取り組んでいる二人の役者からは、“百鬼丸”と“どろろ”に似たような信頼にあふれた友情が垣間見えた。



豊川悦司&寺島しのぶ
『愛の流刑地』

服を着ている時の方が恥ずかしかった

                               
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取材・文:シネマトゥデイ 写真:秋山泰彦
2004年から約2年に渡って日本経済新聞に掲載され、大反響を呼んだベストセラー「愛の流刑地」。究極の愛を描いた本作を豊川悦司、そして寺島しのぶという最高のキャスティングで映画化した『愛の流刑地』が1月13日より公開される。二人の強烈なベッドシーンが早くも話題だが、お互いの信頼関係のもとに作り上げられていったというラブシーンの撮影時のことなど “愛ルケ”と呼ばれる話題の本作の主演、豊川悦司と寺島しのぶに話を聞いた。

■難役への挑戦
Q:大変難しい役柄でしたが、出演の決め手になった一番の理由を聞かせてください。
豊川:ご一緒させていただくのが素晴らしい監督、そして寺島しのぶさんだったからですね。鶴橋監督とは初めて会ったんですけど、以前からすごく興味があって一緒にやりたいと思っていました。それが一番の理由ですね。
寺島:わたしは、鶴橋監督が書かれた脚本を読ませていただいて、読み終わったらすぐやらせていただきたいと思いました。そして、相手が豊川さんと聞いていたので「これだったらもう何の心配もいらない」と思って引き受けました。
Q:『やわらかい生活』での“いとこ同士”の関係から、今回まったく違った関係になりましたが、役柄にはすぐに入れましたか?
豊川:『やわらかい生活』でも寺島さんと一緒でしたが、今回は設定もキャラクターも全然違うので、役に対してはゼロからスッと入っていけましたね。
寺島:あのとき、豊川さんストパーでしたね(笑)。
豊川:ストパーって?……あぁ、ストレートパーマ(笑)。そうそう、そうでした。

                               
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■4回目の共演
Q:お互いの信頼がないとできない役だったと思いますが、信頼関係は撮影前からできていましたか?
豊川:そうですね。寺島さんとの共演は4回目になるんですけど、今回は絡みのシーンがすごく多いし、ハードルが高いシーンがたくさんあったから、お互いぶっちゃけていかないと作品の仕上がりに、ものすごく関係しちゃうんじゃないかと思いました。彼女だったからできたというところはいっぱいあります。
寺島:同感ですね(笑)。豊川さんとの共演は本当に心地いいです(笑)。
Q:映画を観ていると本当に恋人同士では? と錯覚してしまうこともありましたが、濃厚なラブシーンを何度も重ねるうちに、「好き」になってしまうことはありませんでしたか?
豊川:それはありますね、でも、今付き合ってないですよ(笑)。
寺島:本当に恋人同士だったら嫌だったねって、言ってたんですよね。
豊川:そうだね。夫婦で共演する人もいるけど、僕はそういう経験がないから分からない。僕自身を、菊治って役にある程度持ち込んでいかないと「ちょっとしんどいな」っていうシーンもあったので、今回はただ、役になりきるだけではなく、自分を菊治にかぶせてしまうことがありました。ラブシーンの中では、菊治と冬香なんだけど、結構“豊川”っていう人間が出ているところがあると思います。
寺島:わたしもそうですよ。ひとつでも嫌なところがあったらできなかったと思います。あとは豊川さんが全部、体でカバーしてくださって、周りに体があまり見えないように背中からシーツをかぶせてくださり、いろいろなケアをしてくださったので、すごいなって思いました。でも、本当に好き合っているように見えるってことは、褒め言葉だと思いますね。

■“冬香”の生き方
Q:冬香という女性の生き方について、どう思われますか?
豊川:難しいなぁ……。冬香という女性に100%感情移入できるかどうかっていったら……すごく謎が多い女性だから難しい。ただ、寺島さんが演じた冬香というキャラクターを、自分が実際現場で体験して、「ああ、女の人ってすごいな」と、改めて尊敬し直しました。
寺島:わたしは結構幸せだったと思います。女性としてのやることを全部やっちゃったんじゃないかなと思うし、結婚生活だって決して悪いものではなかったですしね。原作では前の旦那さんがすごく暴力的だったらしいですけど、映画ではそういうこともないし。ただ、菊治とのセックスは今まで味わったことがないもので、"女"としてまた目覚めてしまった……っていう。結局、最後を考えると「んー」って思っちゃいますけど……。でも、女性の人生をまっとうしたし、女性としての幅の広さというか、やりたいことやり尽くしたってくらい疾走したと思います。全力投球で! だからわたしは冬香を演じて、何の疑問も感じなかったですね。菊治との出会いが進むにつれて、冬香がだんだんとつやつやになってきた気がしました。
豊川:つやつやになってきたんですか(笑)。でも撮影は順撮りじゃなかったんですよ。どんどん、さかのぼっていった感じかな。撮影も出会いのシーンまで服を着ていなかった時間の方が多かったから、服を着ている時間の方が恥ずかしかったかも(笑)。ちょっと語弊があるかな。服を着て見つめ合うシーンの方がすごくドキドキしましたね。

                               
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■男と女の関係は無限!
Q:ウキウキしながらメールを打っているシーンなど、菊治が恋をしている様子がとてもかわいらしかったですね。あれは、ご自身とダブる部分がありますか?
豊川:あれは、おれじゃないですよ! 菊治です(笑)。何を言わせる気ですか(笑)。台本に書いてあったんで……。でも楽しいじゃないですか、恋愛が始まったばかりのときって。そういう経験は僕にもあるし、そういうころはウキウキしますよね。だから菊治をかわいらしい男に見えるように演じました。というのも、はたから見ていて「あぁ、いいな」って思えないと、後半に向かって救いようがなくなっていくので、せめて最初のほうだけはもっともっと菊治を励ましてあげたいなと思ったんです。
Q:ベッドシーンが話題を呼んでいる本作ですが、官能シーン以外でどんな部分を楽しんで欲しいと思いますか?
豊川:確かにね。物語には殺人や不倫という「モラル的にどうなんだ」みたいなものがあるんだけど、この映画を観て、単純に恋をしていない人は「恋をしたいな」って思ってくれればいいし、今誰かに恋をしている人は「すぐ会いたいな」でもいいし、一緒に住んでる夫婦だったら「今日は旦那さんの頭をシャンプーしてあげようかな」とか(笑)。そういう、幸せな気分になってもらえればいいなと思いますね。
寺島:いきなり「死ねますか」って言われたら引きますけどね(笑)。
豊川:引きますね(笑)。本当に堅苦しくなく恋愛映画として観て欲しいし、人を愛する気持ちを味わってもらいたいです。
寺島:これを多くの人に観てもらって、男性の価値観や女性の価値観について語り合ってもらいたいですね。年齢や恋愛の経験値はみんな違うわけだから、男と女の関係は無限なんじゃないですかね。だからこの映画を観て恋について語り合ってもらいたいです。

映画の中で、息が詰まるほどの官能的な愛を演じていた豊川と寺島は、こちらが圧倒されてしまうほど明るく、サバサバと質問に答えてくれた。「本当に好き合ってるのかと思った……」というインタビュアーの言葉に「ほんと~!? うれしいね!」と二人で笑い合う姿からは、まるで戦いを終えた“戦友”のような固い絆(きずな)を感じた。撮影中は、裸でいる時間の方が多かったという寺島しのぶ。まさに体当たりの演技を見せた彼女の男らしいほどの女優魂と、豊川悦司の芯(しん)の通った役者魂が見事にぶつかり合った“愛のかたち”を、ぜひその目で確かめてもらいたい。

[ 本帖最后由 narcissusly 于 2008-4-4 14:02 编辑 ]
快乐时大笑,难过时痛哭

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白金长老

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 楼主| 发表于 2008-4-4 14:08 | 显示全部楼层
松雪泰子
『子宮の記憶 ここにあなたがいる』
“愛”が感じられるとき、人は劇的に変化すると思う

                               
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取材・文:平野敦子 写真:田中紀子
『子ぎつねヘレン』『フラガール』と話題作への出演が続き、『フラガール』では日刊スポーツ映画大賞主演女優賞に輝いた松雪泰子。今、女優として絶好調の彼女が、脚本ができるのを長い間待ち望んで出演した『子宮の記憶 ここにあなたがいる』が1月13日より公開される。過去に新生児誘拐という罪を犯し、現在はその過去を悔いるようにひっそりと暮らす女性を全身全霊で演じた彼女に主人公・愛子の魅力や、本作への熱い思いについて聞いた。

■潜在意識に訴える作品
Q:ここのところ難しい役が続いていますが、その切り替えはどのようにされているのでしょうか?
撮影は『フラガール』の後になりましたが、実は何年も前からこの作品のお話はいただいていたんです。前作の『フラガール』の撮影からもだいぶ間が空いていましたし、役柄のタイプも違っていたのでわりとすんなりと役に入っていくことができました。
Q:この役を演じたいと思った理由を聞かせてください。
全体的に分かりやすい話ではないのですが、その緩やかに流れていく時間軸の中で、“形にとらわれない愛の形”というものを表現できる、とてもやりがいのある役だと感じました。あらかじめ正解が用意されていないので、観る人がいろいろな視点でいろいろな見方をしてくださる映画だと思います。表面的な感情を理解するというのではなく、もっと潜在意識に訴えるというか……。そういう無意識の部分で起きる状況に反応していくと、人はどのように変化していくのかという部分も、観ていて共鳴できる作品だと思います。すごく深い話ですし、今の時代に合っていると感じました。
Q:最初は感情を押し殺していた愛子が、少しずつ感情をあらわにしていくのですが、その表現は難しくなかったのでしょうか?
愛子はガラスのように繊細(せんさい)な人で、わたしにもそれを表現する力が求められていましたし、その役の精神的な部分を現場でキャッチするのは本当に大変で、なんだか、かすみをつかむような感覚でしたね。ただ、監督もよくディスカッションをしてくださる方でしたので、すごくやりやすかったです。

                               
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■劇的な人生の変換期
Q:今回は素晴らしい出会いが重なったということですね。
人生で劇的な変化を及ぼす相手に出会って、無条件にお互いの存在を受け入れ合い、愛を感じられるときに人はすごく劇的な変化をすると思うんです。わたし自身、実生活でそのような出会いもありましたので、人が変化するときって本当に理屈ではないんだということを感じながら演じていました。思ってもみなかった出会いによって勝手に自分の魂や細胞が反応してしまい、感情が揺さぶられたりするんですよね。そういうところをうまく表現できたらいいと思いました。ある出会いによって真実の愛に触れた女性の心が、氷解(ひょうかい)していく様をイメージしました。
Q:愛子が良介と離れる選択をしますが、松雪さんならどうしますか?
恋人同士でも家族でも、形にとらわれがちだと思うんですよ。対象が近くにいると安心してしまうといのはあると思います。愛子はそれとは逆の選択をするわけですから、そこはものすごく深い愛の領域なんだと思います。一番それが集約されているのが「許してくれてありがとう」というセリフだと思います。それでお互いが浄化されていくというか……。わたしが愛子の立場でも同じようにしたかもしれませんね。彼女自身もあの瞬間に人生の出口を見つけて、その後、一人で生きていったと思います。その一瞬の温もりだけでも人は生きていけるのではないでしょうか。
Q:彼女はまだ30代なので、先はかなり長いと思うのですが。
長いですよね!(笑) でも究極の愛の形というのは、やはり依存や所有や、何か対象がなければ愛を傾けられないというのとは違う気がするんですね。すごく純粋に相手を思うときって深い部分でつながっているという感覚があれば、それだけで離れていても大丈夫なんじゃないかと思います。

                               
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■ほぼすっぴんで撮影できたのは、スタッフのおかげ
Q:今回嫉妬(しっと)深い夫役を演じられた寺島進さんとの共演はいかがでしたか?
彼はすごく面白くて愛情深い方で、いつも楽しませてくださいました。これまで何度も映画で共演する機会はあったのですが、一緒のシーンが少なかったので、今度は寺島さんとしっかり組んでやってみたいですね。
Q:柄本佑さんとの共演はいかがでしたか?
一見すごく淡々としているのですが、本当に面白くて、ユーモアがあって、いろいろな感性が彼の中にはたくさん詰まっているという感じがしました。
Q:今回いつも以上に松雪さんがとてもきれいでしたが、ほぼ、すっぴんで撮影したと聞いて驚いたのですが。
それは照明さんやほかスタッフの皆さんのおかげです(笑)。沖縄に1か月いたので、どんどん日焼けをしてしまって、最後にはすっかり真っ黒になってしまいました。
Q:映像もとてもきれいで感動したのですが、沖縄という場所の魅力もかなり影響しているのでしょうか?
食堂から見る景色もとてもきれいだったし、梅雨の前だったということもあって空気にも包み込むようなやわらかさがありました。いいシーンが撮れるときにふわりといい風が吹いてきたりして、自然に助けられた感じはすごくありますね。

                               
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■ただ生きるということの苦しさを表現した
Q:愛子と良介の別れのシーンはパーッと光が射して、神々しくさえ思えて強く印象に残っているのですが、松雪さんが印象に残っているシーンはありますか?
そうですね、わたしもあのシーンの抜けるような空と海の色は印象に残っています。あとは月の光りに照らされながら海に浮かんでいるシーンですね。愛子はあのとき良介が自分ではない誰かの所に行っているのを感じていて、メンタルなことも含めて、高ぶった感情を鎮めるシーンを入れたいと思い、「月の光を浴びて海に浮かんで浄化したい」と監督に提案したんです。
Q:愛子という人物はとてもかたくなで複雑な面を持っているけれど、一方では女神様のように美しく愛らしい女性のように感じたのですが。
とにかく母性愛を中心に演じたかったんです。今回は役のイメージをつかまえるのがすごく速くて、最初に脚本を読んだときにはすでにわたしの中で愛子のイメージが出来上がっていました。監督は当初もっと強い女性を希望していたのですが、わたしは繊細(せんさい)な愛子を演じたかったんです。生きる気力もなく、残された時間を生きた屍(しかばね)のように、ただ生きるということの苦しさを表現したいという思いがありました。
Q:最後にお気に入りのシーンを教えてください。
良介に本当は昔、愛子に誘拐された子どもだと告白されて涙を流すシーンですね。あそこはもともと「驚く」とか「驚がくする」とだけ台本に書かれていて、泣くとは書いていなかったんです。それまでずっと抱えていたものが開放されていくような感覚で涙が自然に流れてきました。そんなことはわたしにとっても初めてのことでしたので、印象的なシーンになったと思います。

やはり松雪泰子は完ぺきなまでに美しかった。彼女が演じた愛子という、愛情にあふれ、美しい心を隠し持つヒロインによって、さらに彼女自身の内面の美しさが引き出され、外見だけでなくより神々しい女神のような存在感を放っていたことに感動を覚える。難役に挑み、ほぼノーメークで沖縄の太陽にも耐え、あらためて女優に開眼した彼女の今後の活躍に大いに期待したい。



加瀬亮
『それでもボクはやってない』
人の想像力や考え方は悪い方向に働きやすいと思うんです

                               
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取材・文・写真:シネマトゥデイ
ハリウッドでリメークされた『Shall We ダンス?』から11年。世界が注目している周防正行監督が、最新作『それでもボクはやってない』の題材に取り上げたのは“痴漢えん罪”だ。突然、電車の中で痴漢に間違えられたことで人生が一変してしまうフリーターの主人公、金子徹平に抜てきされたのは『硫黄島からの手紙』でも強烈な印象を残した加瀬亮。『アンテナ』など多くの作品で個性的な演技を披露し、今、最も注目を集めている彼に話を聞いた。

■撮影に入ってからも、コメディー作品だと思っていた
Q:『それでもボクはやってない』は周防正行監督の11年ぶりの作品ですが、プレッシャーはなかったですか?
プレッシャーはあまりなかったですね。オーディションで選ばれたので、選んだ方の責任だと思っていましたから(笑)。ポジティブというより、基本的に他力本願なんです(笑)。
Q:周防監督と聞くとコメディー作品だと思いますよね。それが実際はすごくシリアスで……。加瀬さん自身もコメディーだと思いませんでしたか?
思っていました。撮影が始まってからも最初のころは「コメディーなんだろうな」って思っていました(笑)。
Q:いつごろからこの作品は、シリアスだと気付いたんですか?
留置場に入ってどたばたやっているまでは、すごい楽しくやっていたんですけど、監督とカメラマンさんから「楽しくやりすぎだね」って話になって……。そして、「歯ブラシのシーンで泣ける?」って言われたんです。最初は普通に歯を磨くなんていう日常を見せるワンシーンだったんですが、そういう変更が出たことで「そういうことか、なるほど、なるほど……」と思ったんです。そのへんで、シリアスな路線だってことに気付きましたね。

                               
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■実際カチンときていました(笑)
Q:観ていて悔しいとか、やり切れない思いがあったのですが、加瀬さん自身も撮影中、そういう気持ちがわきましたか?
あまり意識はしていなかったんですけど、共演者がそうさせてくれたというか……。セリフ回しも、いちいち嫌な言い方でしたから(笑)。たぶん共演者の方々の演技を見ていて思ったことが顔に出ているだけだと思います。実際、カチンときていましたね(笑)。
Q:どの人に一番カチンときていたんですか?(笑)
小日向(文世)さんが演じた裁判長ですかね(笑)。あと、尾美(としのり)さんが演じた検事も嫌な感じでした(笑)。
Q:演じている中で一番苦労したシーンはどこでしたか?
手こずったのは、一番最後のシーンですね。判決を受けたあとに、「その表情が違う」って監督から何回も言われて、それでどんな表情をしていいか分からなくて困りました。それ以外は監督から言われた記憶はあんまりないですね。そこだけ、いろいろと指導をしていただいて、すごく助けてもらいました。
Q:加瀬さんご自身、徹平のような立場に立たされたら、どうしますか?
この役を演じさせてもらった以上は、戦わなくちゃいけないのかなっていうのが正直なところなんですけど(笑)。でもやっぱり家族や大切な人がいたら考えると思うんですよね。この主人公はフリーターだし、奥さんや子どもがいるわけでもないから、戦うことに多く時間を割くことができるし。逆に会社勤めで、家族もいたら、お金(保釈金)を払って出ちゃうんじゃないかと思いますね。

■信頼は本能じゃなく、作り上げるもの
Q:この映画を観ると何が正しくて何が悪いのか分からなくなってしまいそうですよね。
やっぱり、いいことや正しいことの証明の方が難しいですよね、何でも。それに人の想像力や考え方も悪い方向に働きやすいと思うんです。誰でもいいから一人捕まえて、「この人は悪い人だ。なぜなら……」というのは結構簡単なんですよ。でも「この人はすっごくいい人、なぜなら……」というのは、全部説明すればするほど、うさんくさくなるんですよね(笑)。それって基本的に人を疑っているからですよね。だから基本的に「人を信じている」方向にいかないと難しいっていうか……。監督が言おうとしてるのはそこなんだと思います。
Q:マスコミ試写の後に有罪か無罪かっていう判決投票をしていたのですが、加瀬さんならどっちに投票しますか?
僕は当然無罪です(笑)。でも、痴漢をやっていないと思って観ているのに、「悪そうな顔してるな」なんて結構思っちゃって(笑)。動物学の本を読んでいて面白かったのが、本能というのは“信頼する”というのではなく、“疑うこと”らしいです。だから信頼っていうのは、自分と相手が共にした時間の中から作られるものなんだなぁと、それって結構面白いことだと思いました。

                               
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■『硫黄島からの手紙』ロケから帰って、すぐに撮影開始
Q:クリント・イーストウッド監督の『硫黄島からの手紙』にも出演されていますが、撮影のスケジュールはどうだったのでしょうか?
硫黄島から帰ってきて2日ぐらいかな……。すぐです、本当すぐ撮影でした。
Q:バトルフィールドから留置所の中へって感じですね(笑)。役の切り替えは簡単にできましたか?
いや~、あまりできなかったですね。硫黄島から帰ってきたときは、もうヘトヘトで……。でも『それでもボクはやってない』の撮影がすぐに始まるから……。しかも台本を読み出したら長いセリフが結構あって(笑)。「もう覚えられないやー」と思いながらも、「やんなきゃ!」と。今回は、現場でも台本を開いてセリフを覚えながら演じていましたね。
Q:周防監督、イーストウッド監督と本当に素晴らしい監督と仕事をされたわけですが、それぞれの監督からもらった言葉や、アドバイスで印象に残っていることはありますか?
今回、イーストウッド組と周防組のスタッフは似ている部分がありましたね。すごく自然というかリアルというか、演技をしすぎないことを求められたんです。僕自身、その方向性はすごく好きなので、両方の監督からは指示もあまりなくて、僕をそのまま受け入れてくださった感じでした。自分の好きな監督に受け入れられるっていうのは、すごく励みになります。
Q:硫黄島で吸収してきたものをここで発揮してやろうみたいなものは何かありましたか?
それはちょっと分かんないですね。ほんとヘトヘトだったんで!(笑) 硫黄島の撮影が終わってボーっとしちゃって……あっボーっとしてる場合じゃない! みたいな(笑)。一人のシーンは間違えてもまぁいいやって思ってたんですけど(笑)、って、本当はダメですけど(笑)。12ページもあるセリフのやりとりで、相手が長ゼリフで僕が一言のときは、「コレ間違えるとやばいよー」と思いましたね(笑)。そういうシーンは相手のセリフまで覚えなくちゃいけないので、「どうやって覚えよう……」みたいな感じでした(笑)。

■浅野忠信の付き人時代
Q:1年間、浅野忠信さんの下で付き人をされていたそうですが、役者としての浅野さんを見て学んだことはありましたか?
付いてすぐに、「この人は参考にならないな」って思ったんですよ(笑)。オリジナルすぎて。そこから一番学んだのは、自分で考えろってことなんですよね(笑)。浅野さんは人の意見よりもまず自分はこう思うってことがある人なんです。自分でちゃんとしたイメージを持つというか、それがすごい大事なんだなって思いました。もちろん浅野さん以外の人からも、すごいなって学ぶことはあるし、逆に違うなって思うときもあります。「違うな」って思ったときに、「なんで違うんだろう」って考える時間がたくさんあったので、自分がやるときはこうしようと考えることができたんです。ちょうど1年間だからずいぶん色んなモノの見方を教わった気がします。
Q:最後にこれからの加瀬亮について教えてください。
うーん。あんまりないですけど、希望を言えばちょっと休みたいかな……ぐらいですね。

                               
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「だから、オレはやっていないってば!」とすがる様な目で裁判長に訴えかける加瀬の姿は観ていて痛々しいほどか弱い。映画では頼りなかったり、弱々しく見える役柄の多い彼には「軟弱な青年」というイメージがある。しかし実際の加瀬亮は、映画が訴えたことをしっかりととらえている、芯(しん)の通った考え方を持つ“役者”だった。そんな彼が大好きな映画監督である周防正行のもと、『それでもボクはやってない』で見せた熱演を楽しんでもらいたい。



土屋アンナ
『どろろ』
子どもを成長させるために、男を喰うっていうのは、
人間にも置き換えられることだと思う

                               
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文・取材:シネマトゥデイ 写真:田中紀子
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演技、音楽とさまざまなジャンルで活躍している土屋アンナ。1月27日から公開される『どろろ』で妖怪役に初挑戦した。実は出演シーンは10分足らず……ではあったが、作中ではインパクトが絶大。CG処理で、華麗で妖艶なチョウの妖怪となっていた土屋アンナだったが、実はその裏で壮絶(?)なメーキング秘話があったらしい。「マジで、やばかった!」と開口一番に叫んだ撮影の秘密をハイテンションに語ってもらった。

■大人になっても、子どもの心がまたよみがえる『どろろ』
Q:手塚治虫原作のオリジナルは読まれましたか?
はい。手塚治虫さんの世界に引き込まれましたね。子どもも心を奪われてしまうファンタジックな世界だと思います。もっとすごいと思ったのは、大人になっても子どもの心をまた持てるところですね。手塚治虫さんの作品は、大人も子どもも楽しめるけど、「どろろ」はその中でも一番グっときましたね。
Q:初めての妖怪役はいかがでしたか?
びっくりしました。話を聞いたときは、アニメちっくなキャラクターものかなと思っていたんですけど、全然違くて、生々しかったんです。人間の心の深いところを映した特別な妖怪、しかも妖怪の色が邦画っぽくないんですよ。だから、「うわっ、すっごいな~」と思いました。もう予想外でした!
Q:特殊効果がとても豪華でしたね。
あのすごさは目で観て欲しいの! メーキングを観た方がいいよ! メーキングやばいよ(笑)。あれでも5分くらいしか出てないんじゃないかな? メーキングだと印象に残りますよ。映しちゃいけない映像満載! みたいな……。メーキングの主役でしたね、わたし(笑)。CG使ってるから、ぶっちゃけ妖怪のメークしてるのに首から下は黄緑の全身タイツを着てるんですよ(笑)。それって事務所的には普通出しちゃいけないんですけど、うちはオッケーしたみたいで(笑)。メーキングのはじめに、ちゃんとCG加工されたすっごいかっこいいシーンがあるんです。でも次の瞬間、全身タイツ姿に変わるんですよ。マジ最悪!(笑)。
Q:芸人さんばりですね!
もうね、芸人さんよりも面白いかも! だって超怖い顔してんのに、黄緑の全身タイツ着てるんだよ (笑)。ヤバイって!

                               
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■全身タイツ姿で、普通にご飯を食べてました
Q:現場では、大丈夫だったんですか? 恥ずかしくなかったですか?
そんな姿、自分でも見たことなかったけどテンションは上がりました(笑)。もう、超やる気満々。その姿でご飯を食べたりして、だんだん恥ずかしさはなくなりました。たまに鏡を見て、ヒイッていう感じでした(笑)。
Q:では、また妖怪役に挑戦したいですか!?
いえ! 二度とやりたくない(笑)。見せたくもない。あのね、ある意味ほれますよ。全身タイツ姿でやったほうが妖怪っぽかったんじゃないのかな(笑)。でも、あのまんまやったら、映画を観た子どもは泣きますよ(笑)。
Q:土屋さんの“モジモジくん”妖怪ですね……
いや、そういうかわいいレベルじゃないの。ほんとにダサい全身タイツなんですよ(笑)。映像では妖怪の色がすごくきれいになっているんだけど、CG処理されてない初めの映像は、土屋アンナが黄緑の全身タイツで、一生懸命ぶらさがってるんですよ(笑)。舞台あいさつも全身タイツで出たいぐらいですね(笑)。
Q:共演者の方には、何か言われましたか?
えーっとね、その姿で妻夫木くんの後ろをうろちょろしていたら、「もうやめろやめろ! 怖い怖い!」と言われました(笑)。現場の雰囲気を和ませるために行ったんで! 癒しの妖怪ってことで……。癒しのバタフライです(笑)。
Q:最初からそうなることは、知っていらしたんですか?
知らない! 全然知らないよ(笑)。びっくりだよ。妖怪だから、特殊メークはするとしても、きれいな蛾(が)の妖怪でしょ? 美しいんだろなって想像できるじゃない。妖怪に変身する前もきれいな感じだったら、「やろやろ~」と思っていたんですよ。でも実際に渡されたのがタイツだよ。タイツー!? みたいな(笑)。やられましたよ(笑)。でももう何も怖くないね。今後、何でもできます。

■自分の子どもを育てるためなら、ぼろぼろになっても頑張る!
Q:ワイヤーアクションにも挑戦されてましたが、全身タイツでですよね?
そう! あのね、痛いですよ、股間が!(笑)。カッコイイ殺陣師とかそういう人たちの前でそれをやったから、もう二度とみんなに会いたくない(笑)。
Q:CG処理されたあとの妖怪を見ていかがでしたか?
正直、もっとCGくさくなるのかなって思ったんですよ。でもCGがちゃんと映像に溶け込んでいて、全然CGが邪魔していなかったと思います。すごくきれいに変身できてたなって思います。
Q:土屋さんが演じられたのは、人間の姿をした妖怪でしたね。感情移入できるところはありましたか?
精神的な面でいうと、この子は別に悪っていう感じじゃなく、かわいそうな妖怪だった気がします。妖怪は妖怪でも子どもを成長させるために、その男を喰うっていうのは、人間にも置き換えられることだと思うんです。自分の子どもを育てるためだったら自分の身がボロボロになっても頑張るっていう。だんなに「愛してる」と言われたときに心が動いたし……。妖怪ってみんなが思っているよりすごく人間に近いものを持っていたりするんじゃないかなっていうのが分かる役だと思います。
Q:たしかに、夫役の杉本哲太さんが「愛してる」と言ったシーンにはグッとしました。
くるでしょ! 全体的に子どもとか相手を思いやる、そういうことを伝えたい部分があったと思うんです。監督じゃないから分からないけど。でもそういうものを作りたいがために、原作の漫画とは全然違う作品にしたんじゃないかな。やっぱり、映画って今を生きている人たちに、感情や純粋な心を伝えるためにあるんだなって思いました。

                               
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■『どろろ』で、親子のコミュニケーションをはかって欲しい!
Q:お子さんは、2歳だそうですがもうちょっと大きくなったら一緒にご覧になりますか?
メーキングを観て喜んでるんですよ、うちの子(笑)。「ママ、ママ~」って。それを観てママって分かって欲しくないのに!(笑)。真剣に答えると、原作を知らずに『どろろ』という映画を観る若い人たちは、漫画を読みたくなるんじゃないかな。きっと親子で観ても全然違う感じ方をするだろうし。子どもは子どもで「わぁ妖怪だっ!」て興味をもって観て、その世界に引き込まれると思うし、大人が観たら、それとは違う、心にズキっとくるものがあると思います。これを観て、親子でいろいろ話しをして欲しいですね。ちょっと真面目に答えちゃったけど、とりあえずメーキングは面白いですよ!(笑)。

「黄緑の全身タイツ」がよっぽど気に入っていたのか(?)、とにかく思い出しただけで大笑いしていた土屋は、「メーキングを観て!」を連発。タイツネタで、周囲をわかせた土屋だったが、役柄について聞かれると、「子どものために、ボロボロになっても、どんなこともしてしまうところは、分かるよ」と2歳の息子を女手1つで育てている母親の強さを見せた。本作『どろろ』、そして『さくらん』と出演作が目白押しの“最強シングルマザー土屋アンナ”に期待したい!



戸田恵梨香
『天国は待ってくれる』
幼なじみと今でも友だちですし、
男と女の友情は成立すると思います

                               
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取材・文:平野敦子 写真:亀岡周一
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人気脚本家、岡田惠和の初の書き下ろし小説「天国は待ってくれる」が映画化された。幼なじみの男女3人の友情と愛を描いた本作で、彼らのマスコット的存在の可憐(かれん)な少女を演じるのは、これが映画出演3作目となる戸田恵梨香。大ヒットした『DEATH NOTE デスノート 前編』『DEATH NOTE デスノート the Last name』のクセのある役から一転。周りの人々の愛情を受けてすくすくと育った少女を伸びやかに演じた彼女に、撮影の思い出や男女の友情、家族への思いなどについて聞いた。

■男女の友情は成立する
Q:将来、移転予定の築地市場での撮影はいかがでしたか?
本当ですか!? 知りませんでした。撮影ではとても懐かしい気分になりました。震災前、地元の神戸にあった市場の雰囲気を思い出しました。おばちゃんもおじちゃんもすごく威勢がよくて、気持ちが良かったですね。
Q:この物語では女1人と男2人の親友同士の恋愛も織り込まれていますが、自分がそのような立場になったらどうですか?
この3人は親友ですし、3人で「聖なる三角形」だと言っていたのに恋が芽生えて、とても複雑だと思いました。わたしなら親友とはずっと親友のままで、それまでの形が変わらないようにしたいというのが正直な気持ちですね。なんだかつらくなってしまいそうで……。今までの関係が変わるのが寂しくて、それがつらいと思いました。
Q:もし自分が岡本綾さん演じる薫の立場で、どちらかを選ばなければならないとしたらどうすると思いますか?
できれば2人とも選びたくないです……。というのが希望ですね(苦笑)。
Q:では、男女の友情というのは成立すると思われますか?
成立すると思います! わたしは幼なじみと今でも友だちですし、やはり男と女の友情は成立すると思います。

                               
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■家族の愛情が心の支え
Q:とても心が温かくなる作品でしたが、最近そのような気持ちになったことはありますか?
お正月に実家に帰ったのですが、家族の愛情を感じて温かい気分になりました。
Q:家族はみなさん仲が良いのですか?
はい。こんなに仲が良いのは珍しいんじゃないかと思うぐらいとても仲が良くて、寝るときも一緒に寝ています。
Q:ご両親と一緒に寝ていらっしゃるんですか!?
久しぶりに実家に帰ったときには、一緒に寝ているんです。わたしには6歳上のお兄ちゃんと6歳下の妹がいるんですが、さすがにお兄ちゃんは一緒には寝ないです(笑)。お父さんがいて、妹がいて、わたしがいて、お母さんがいてという順番で同じ部屋で寝ています。
Q:今回、井ノ原快彦さん、岡本綾さん、清木場俊介さんと共演されて、現場の雰囲気はいかがでしたか?
アットホームな感じで、本当の家族や友だちのようでした。自分もその中に入ったときにすごく気持ちが良かったし、緊張せずにリラックスすることができました。そんな温かい雰囲気の現場でした。

■どのような役でもこなせる女優が目標
Q:「普通の人」の役というのは実はとても難しいと思うのですが、今回普通の女子高生役を演じてみていかがでしたか?
よりリアルなものを求められました。心情的なものが難しかったです。自分の心の中で思っていることを表情だけで表現しなければならなかったりして「あぁ、やはりお芝居って難しいな」と改めて感じました。
Q:大竹しのぶさんのような女優さんになりたいということですが、ほかにあこがれの女優さんはいますか?
中谷美紀さんです。
Q:海外の俳優さんではどなたかいらっしゃいますか?
ジョニー・デップさん! わたしは『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズを観て彼のファンになったのですが、今まで彼の出ている作品を知らず知らずのうちに観ていたのにわたしの中ではジョニー・デップさんという人物が一致していなかったんですよ。それは彼が演じる役によって見た目も雰囲気もガラリと変えていろいろな役を演じているからなんですね。わたしが大竹しのぶさんと中谷美紀さんを目標にしているのもそこなんです! 何を演じても全然違う顔を見せるところにあこがれます。だからわたしも将来はどんな役でも演じられるような女優さんになりたいと思っています。
Q:ところで、映画の中で登場するオムライスがとてもおいしそうだったのですが、ご自分で料理はなさるのでしょうか?
はい。時間があるときは料理をします。昔からオムライスが好きだったので、作ることも食べることも好きです。あと煮物やだし巻き卵も得意です!
Q:それはすごい! だし巻き卵って巻くのが結構難しいですよね。
それが意外とできちゃうんです。だから最近は得意料理にしています。

                               
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■愛情が感じられる作品
Q:大先輩の俳優さんたちと共演して、緊張しませんでしたか?
蟹江(敬三)さんや、いしだ(あゆみ)さんは本当のお父さんやお母さんのように温かい方たちでよく話しかけてくださいましたし、いつも笑顔を絶やさない方々に囲まれて落ち着いて演技をすることができました。
Q:ここを観てもらいたいというお気に入りのシーンはありますか?
3人がバラバラになり始めているときに、わたしが演じた美奈子という女の子が薫姉ちゃんの背中をそっと押すようなシーンがあるのですが、そこをぜひ観ていただきたいです。そこが一番難しくて、一番苦戦したシーンだったので。あとお兄ちゃん(清木場さん演じる武志)の寿命を父親から聞くシーンがあるのですが、そこもみんなの気持ちが一つになっているシーンなので、ぜひ観てもらいたいです。
Q:最後にこの映画をご覧になる方々にメッセージをお願いします。
自分にとって身近な人がどれだけ大切なのかということを改めて実感できる作品です。人間の愛情というものを少しでも感じ取ってもらえればいいと思います。家族や友だちと一緒に観に来ていただければうれしいです!

一見大人しそうなイメージの戸田恵梨香だが、一生懸命言葉を選びながら壮大な将来のビジョンを語るあたりはやはりただ者ではない。今は遠く離れた家族の愛を感じながら一人で頑張っている彼女の姿は、人情味あふれるこの物語の登場人物たちと重なる。今回女子校生を演じた彼女はまだ18歳。10年、20年後に彼女がどのような女優になっているのか楽しみだ。



清木場俊介
『天国は待ってくれる』
女友だちから彼氏の話をされたら、
少し嫉妬(しっと)しますよ!

                               
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取材・文:平野敦子 写真:亀岡周一
EXILEの元ボーカルとして活躍し、現在は清木場俊介の名前で音楽のみならず、幅広い分野で活動する彼が『天国は待ってくれる』で映画初主演を果たした。幼いころからの親友同士が一人の女性を愛するという男女の微妙な関係を描いた本作で、清木場自身が自分にそっくりだと認める一本気な青年・武志役を好演。同時に井ノ原快彦の歌う「春を待とう」とともにダブル主題歌となる「天国は待ってくれる」も担当する。一見硬派な彼の口からは、次から次へと撮影秘話や恋愛観、友情や家族についてなど、楽しい話が飛び出してきた。

■寝ている演技が一番難しい
Q:まずは映画初出演の感想について聞かせていただけますか。
もともと俳優をやりたいという希望があったわけではないのですが、何度かこのようなお話をいただいて、今回映画に出させていただくことになりました。とても楽しくて勉強になりました。
Q:いくつもお話があった中で、この作品を選ばれた理由について聞かせてください。
まずは台本を読んで感動したんです。まだそのときには自分が武志の役をやるとは聞かされていなかったので、どっちの役なんだろうな……と漠然と考えていました。ただ、武志の武骨な感じがまさに自分そのものだったので、きっと自分がやるのは武志しかないだろうと感じていました。
Q:今回役作りで苦労されたところはありましたか?
3年間意識がないという役どころなので、寝ている演技が一番難しかったです。しゃべるより無言の演技が大変でした。僕は普段おしゃべりなので、周りが笑ったりしているのに黙っていなきゃならないのが大変でした。しかも、「カット!」の声がかかっているのに本当に寝ていることが何回かありました(笑)。暖かい場所で目を閉じてベッドに横たわっていると、ついウトウトしちゃうんですよね。

                               
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■歌も芝居も自然体が一番
Q:魚を見るのも食べるのも釣るのもお好きだということですが、築地市場の撮影で思い出に残ったことは何かありますか?
マグロのセリをやらせてもらえたことです。実際に営業中の市場で撮影をしたので、緊張感あふれる雰囲気の中、何度か指の合図も含めたセリのやり方を教えてもらって、必死でやりました。これが一本という意味のピン(と親指を突き出す)で、ピンピンピンピン……とセリをやるんですよ。これが1、2、3、4、5……あれ、違うなぁ~(と指の合図を実演してくれる)。これを一瞬の間にやるわけですから大変ですよ。
Q:歌とお芝居ではどちらが難しいですか?
やはり自分は役者として勉強がまだ足りない分、芝居が難しいですね。どこが一番難しいというのではなくて、セリフの言い回しから始まり、俳優同士のかけ合いや芝居の間の取り方のコツをつかむのが難しかったですね。
Q:いしだあゆみさんや蟹江敬三さんというベテランの俳優さんたちと共演されて、その芝居を見て勉強されたのでしょうか?
僕のレベルでは、勉強できる、できないの話ではないですよね。皆さんはすべてを超越した方々ですから。いしださんには「演技しようとせずに、あなたはそのままでいきなさい」と言われました。たとえば一つのセリフを言う場合、怒っても、棒読みでも、感情を消してもいいだろうし、正解がないんですよね。映画というのは監督がその言い回しを気に入るかどうかにも左右されますし、そのバランスが難しいです。だからいろいろな演技のパターンを持っているのがいい役者さんなんだと思いますね。

■男女の友情は成立しない
Q:これは幼なじみの男女3人の話ですが、自分が武志だったらどうしたと思いますか?
同じように薫に告白したかもしれないですね。昔から武志も宏樹も薫のことを好きだったわけですから、きっとその思いは伝えるんじゃないでしょうか。
Q:清木場さんははっきり思いを伝える方ですか?
言いますね。むしろ言わなくていいことまでつい言い過ぎてしまうので怒られてしまいます(苦笑)。でも「好き?」と聞かれるのはイヤです。「うん、好き」って素直に言えないので、「ん、あぁ……」って言いますね(笑)。そういうのが言えない分、一緒に食事に行ったりしたいタイプです。
Q:では、男女の友情は成立すると思われますか?
友だちを選ぶときに、好きだから友だちになると思うんですけど、それが女性だと僕の場合、気になって仕方がないんですよ。友だちだと言い聞かせれば言い聞かせるほど好きになってしまうんです(笑)。女友だちから彼氏の話をされたら、ちょっとイラっとしますもん。イノッチ(井ノ原快彦さん)にも聞いてみたんですが、彼も男女の友情は成立しないって言っていましたから。女の人はあるって言うんですが、それって絶対ウソだと思います(笑)。後で「結局好きになっちゃった」とか言うんですよね(笑)。

                               
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■不器用ってすごいことなんだ!
Q:武志と自分の共通点はありますか?
まっすぐすぎる所ですかね。みんなまっすぐな人のことを"不器用"って言うんですが、それって失礼ですよね!? 僕は「不器用ってすごいことなんだよ」と声を大にして言いたいです。今は、やたらと器用なヤツばかりが増えていますが、僕は自分の信念を貫くべきときは、貫くべきだと思いますね。それはもちろん自分勝手とは違います(笑)。
Q:日本男児という感じでかっこいいですね。
日本男児ぶっているんですよ(笑)。僕は父親にそういう育て方をされましたから。中学生の男の子に普通の親なら「真面目になれ」って言うでしょう? ところがうちの父親は「普通になれ」って言いましたからね。普通になるっていうのはある意味、真面目になるよりも難しいですから。そのとき「何言いよるんやろうか、このおっさんは!?」と思いました。でも今は父親の言った言葉の意味が分かります。それを中学生のときに求められたオレは何なんだろうと思いますよ。一度父親に聞いてみたいんですが、聞いたところで「そんなこと言ったかいのう?」で終わるんですよ、きっと(笑)。
Q:清木場さんはお父様に似ていらっしゃるんですね。
どうかなぁ……。でも周りの状況を一瞬でぱっと判断してしまうところは似ているかもしれません。そこで気を遣ってしゃべったり、明るく振る舞ったりするのは母親似なんですよ。両方の疲れる部分だけを受け継いで生きた結果「不器用だね」って言われるんですから……。すごく周りに気を遣ってるんですけど、誰も気付いてくれないんです(笑)。
Q:では、最後に今後の俳優業について聞かせてください。
俳優一本で命賭けてやっている方もいらっしゃるので、そういう方から見れば僕なんて役者にするのか歌手にするのか、どちらかにしろよと思われるんでしょうね。そんな僕に、もしハマる役があったり、僕を選んでいただけるというのであれば、いくらでもチャレンジしてみたいと思います。

歌手として成功し、今回俳優としてもスタートを切った清木場俊介は、常に周りを楽しませようとするエンターテイナーだった。すべてを紹介できないのが残念だが、彼はこちらがハラハラするぐらい正直に自分を語り、時折子どものように無垢(むく)でチャーミングな笑顔をみせてくれた。人間として不器用なまでにまっすぐに生きる彼の姿はまさにこの映画の武志そのものだ。歌い手として、そしてもちろん俳優としての今後の彼の生き方に注目せずにはいられない。
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