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第2话日饭感想 剧透啊剧透 慎看
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「チェイス~国税査察官」第2話
イミテーション・ゴールド
【 脱税に利用された遺族 】
村雲(ARATA)の勧めで、「租税回避商品」として檜山(斎藤工)が購入し「東アジア航空」にリースしていたジェット機が墜落し、「東アジア航空」による追悼・慰霊の会が開かれている。
この事故で、妻・雪恵(木村多江)を失った春馬(江口洋介)と娘の鈴子(水野絵梨奈)も参列。
鈴子が菊の花を落とすと、男がこれを拾う・・・村雲だ!!
墜落にあわてた檜山に「おめでとうございます。我々は節税に成功したんです。」と言って、薄笑いを浮かべていた村雲が、参列してる!
「東アジア航空」の経営難で整備や運行に難があり飛行機がいつ落ちてもおかしくないと知っていた村雲が、悪びれた様子もなく参列してる!!
こいつ、なんちゅう神経してる?
村雲は、ともに参列している歌織(麻生久美子)に「彼らは脱税に利用された遺族だ」と語りかけてる。
いきなり刺激的なセリフ!!
恐ろしいほどの冷血漢!!
会場から去ろうとする歌織が、落とし物に気づく。
鈴子の生徒手帳だ。
村雲らは、これを届けることなく、捨て置いていく・・・。
【 死ねば・・・ 】
自宅で慣れない料理をする春馬。
鈴子が黙って外出しようとし、春馬は、お母さんに「行ってきます」と言ってから出かけるように促す。
鈴子は「これのこと」とキツイ口調で答え、部屋に祀ってある骨壷を逆さに・・・。
骨壷の中からは、”布切れ”が・・・。
事故で遺骨は見つからず、雪恵が身につけていた”布切れ”だけが遺品として残った様子。
春馬は「鈴子、お父さんも悲しいんだ・・・」
そんな父の言葉を鈴子は遮り「へぇ、悲しいんだ。責任感じてるんだ・・・。じゃぁ、死ねば」と凍りつくような言葉を口にし、父を一瞥。
母に事故死をきっかけに、多感な年頃の娘が、家庭を顧みなかった父に投げかける痛烈な峻烈な意思表示!!
娘の全身から漂うトゲトゲしさに、見ているこちらまで痛い。
「Mother」の子役”つぐみちゃん”も怖いと思うことがあるけど、鈴子が父を睨みつける硝子のような目も怖い。
ひとり部屋に残り、言葉を失った春馬がへたり込む。
妻の遺影が、静かに微笑んでいて、余計に物悲しい。
【 社会を動かすのは、裏金の力だ 】
財津(佐藤二朗)が海外に移して脱税した18億円を国内に移したいと言い始め、村雲らは一旦香港に渡って、資金移動を企てる。
香港のホテルで、村雲と歌織がバスローブ姿で脱税について会話してる。
村雲「収入をごまかすと何ができる?」
歌織「裏金・・」
村雲は淡々と「そうだ、同じ1億でも表の1億と裏の1億では価値が違う。どんなに金があっても、表に出てる金には限界があるだろ。社会を動かすのは、裏金の力だ」
そういうことかぁ・・・『陸山会』の不明朗会計も、「社会を動かすのは、裏金の力だ」というフレーズを聞くと腑に落ちる。
小沢氏も村雲からテクニックを学んだのかな?
財津の依頼に答える村雲は貴金属を用いるテクで裏金を作ろうと試みてるけど、『陸山会』の場合は不動産を利用していたのかな?
【 脱税のために子供を作る 】
財津の企てに春馬が気づいたことからザイック社に査察が入ることが確実に・・。
凹む財津に、檜山が「この会社売ってくれませんか。うちの会社、また利益が出たんで倒産する会社欲しいんです。」と提案。
ザイックを倒産させ、節税に利用しようとしてる様子。
さらに、村雲らが脱税に関わったことを黙っていれば、財津に報酬を払うと告げる檜山。
父・正道(中村嘉葎雄)の6000億の資産にかかる3000億の相続税を免れるため、村雲のスキームを利用したいと檜山は考えており、村雲が捜査の対象になると都合が悪いのだ。
3000億の相続税から逃れることは無理だろうと歌織は考えていたが、村雲は悪魔のようなアイデアを温めていた。
檜山と歌織を結婚させた上で、相続税の無い国で子供を産み、正道から孫に6000億を相続させようと言うのだ。
「脱税のために子供を作るの・・・」と、さすがに歌織は顔色を変える。
脱税のためのジェット機が墜落して多くの命を奪うことになったというのに、今度は脱税のための命を生み出そうと言うのだから、えぐい!!
最初は引き気味だった歌織だが、「裏金が6000億あったら何が出来るの?」「見てみたいの、その使い道」として、檜山との結婚を承諾。
そして「結婚しても貴方に会いに来るわ。あなたに抱かれに来るわ」とも・・・。
これを聞いた村雲の顔が獣のような表情に変化。
歌織を机に押し倒し・・・・・画面、フェイドアウト。
【 1枚の写真 】
ザイックの捜査は、財津の単独犯行という結論に落ち着きかけているが、春馬は、財津ひとりではこれほどの脱税スキームは描けなかったはずだと考えている。
執念で捜索を続ける春馬は、鈴子とともに教師と面談する約束を反故にしてしまう。
脱税事件よりややこしい”親子関係”なのに・・・。
しかし春馬は、財津のデスクの引き出しから1枚の写真を見つけ出す。
東アジア航空のジェット機が写っている。
春馬「なぜだ・・・」
飛行機墜落のニュース映像が春馬の頭に蘇る。
思わず「雪恵~!」と叫び、腰が抜けたようにへたり込む春馬・・・。
【 生徒手帳を 】
そのころ村雲は、背広のポケットに入ったままだった会葬御礼を見てハッと気づく。
参列していた男と、帰国時に空港ですれ違った男の顔・・・。
そして、男の娘が落とした生徒手帳のことも思い出す。
村雲は、追悼会場周辺に向かい、地べたをはうようにして生徒手帳を探し、生え込みの中にこれを発見する。
村雲は、”国税査察官・春馬”の存在を知り、いったい何をしようとしているのか?
【 お母さんの死の先には誰かいる 】
帰宅した春馬は、鈴子の部屋をノックするが、返事がない。
春馬は扉越し、幸せを金で買えると思っている人間がいることを語り始める。
「俺はそう言うのは別世界だ、あっちの世界だと思ってた。こっちとは違うんだって。」
財津の机から見つけた写真を手にしながら「今日、はっきり分かった。」「こっちと、あっちは繋がってる。こっちと、あっちは同じ世界にあって、金で買った幸せは、誰かの幸せを奪って手に入れた幸せなんだ。」「小さな喜びから生まれた幸せを奪って手に入れた幸せなんだ」「鈴子、お母さんの死の先には誰かいる。まだ見えない誰かがいる。」「母さんは、そんな誰かの欲望に殺された」
最後に「お父さん、そいつを絶対許さない」と結ぶ春馬の目に、薄く涙がにじむ。
長いセリフに、マネー原理主義者への憤りが詰め込まれており、グッとくる。
小生も、こっちと、「鳩山氏」や「小沢氏」「北海道教組と小林議員」らの世界は、別世界だと思っていましたが、彼らの欲望・権力欲のために我々の小さな幸せを奪われているのかも・・・なんてことを考えてしまいました。
で、春馬は娘に向かって心中を滔々と語ったつもりだったが、鈴子の部屋にカメラが移ると、そこは無人!?
【 赤い傘が宙を舞う 】
雨の夜。鈴子の生徒手帳を見つけた村雲が自動車を走らせている。
車が何かをはね、赤い傘が宙を舞う。
ガシャン。車も弾みで道路脇に激突。
道に倒れている女性は、鈴子?
車のフロントガラスは割れており、運転席には気を失い、頭から血を流す村雲。
やはり鈴子の部屋は無人・・・出かけていたのか?
そして、偶然、村雲にはねられたのか?
村雲は、何に突き動かされて、どこに向かおうとして運転していたのか?
あんな時間に、村雲を求めて走っていたのか?
村雲と春馬と鈴子が交錯し、物語は次回へと・・・。
というわけで、決して派手なアクションがあるわけでもないし、むしろ地味と言ってもイイ展開なのですが、登場人物のセリフが鋭角に突き刺さってきて、静かな迫力に充ち充ちています。
脱税事件をめぐる村雲と春馬の物語と、母の死をめぐる鈴子と春馬の物語が同時並行して進みながら、やがて同じゴールに向かっていく展開が、じわりと胸を揺すぶります。
渋いドラマです。 |
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